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好きな旧車を通して、感動を共有したい

自動車整備士
東恩納 勇介(ひがしおんな ゆうすけ)さん

幼少期からクルマが大好きだったという、東恩納勇介さん(24)。将来はクルマに触れる仕事に就きたいと、自動車整備士の専門学校に進学。その際に、1960年代〜70年代に作られた「旧車」と呼ばれるクルマの魅力に出会うことに。卒業後は国産自動車メーカー系列のカーディーラーに就職し、地元・沖縄で勤めるも、旧車への想いは募るばかり。ずっと憧れを抱いていた、東京にある旧車のレストア専門店『スターロード』に「働かせてください」と直談判し、その夢を実現しました。そんな東恩納さんに、現在の仕事のやりがいや今後の夢などについてうかがいました!

クルマに触れる仕事に就きたい

インタビューに答える東恩納さん

 小さな頃から、クルマに乗るのも見るのも大好きだったという東恩納勇介さん。特にスポーツカーに憧れ、将来はクルマに触れられる仕事に就きたいと、自動車整備士の専門学校に進学。そこで、思わぬ出会いが東恩納さんを待っていました。

「1970年代前半に製造されたクルマに触れる機会があったのですが、とにかくそれが衝撃的でした。今のクルマは似たように見える部分が多くありますが、その頃のものはカタチやデザインが個性的で、とてもカッコよく見えたんです。それまでは、いろんなクルマに興味を持っていたのですが、その日以降どんどん旧車の魅力にはまっていきました」

 雑誌などを見ながら、旧車への想いを膨らませていったという東恩納さんは、専門学校を卒業すると地元・沖縄にある国産自動車メーカー系列のカーディーラーでの勤務がスタートしました。

「あこがれだったクルマ関係の仕事を始めることができました。嬉しさややりがいもありましたが、描いていた華やかなイメージとは異なり、忙しさばかりを強く感じる毎日でした」

 そんな日々を過ごしていたある日、近所にあるタイヤ販売店に、年代物のトヨタ車・セリカが置いてあるのを発見。「テールランプのカッコよさと、ボディの美しいカタチに一目でノックアウトされちゃいました(笑)。売り物ではないと言われたのですが、何度も何度も「売ってください」と通い詰めました。その後念願叶い売却に応じてくれたのですが、働き始めてすぐの頃だったので、使えるだけの給料を工面しても代金が足りずローンを組み、ようやく入手することができました。最高に嬉しい瞬間でした」

 そして東恩納さんの旧車への想いは、さらに募っていくのでした。

旧車に触れられる仕事がしたい

作業中の東恩納さん

「カーディーラーでの仕事を始めて2年半ほどが経過し、もっと旧車に触れることができる仕事がしたいと思うようになりました。そこでずっと憧れのお店だった、国内外で有名なスターロードに『採用していますか?』と問い合わせてみたんです。すると社長の井上さんに『一度遊びにおいでよ』と言っていただき、即行動に移しました」

 ボーナスを活用し、すぐにスターロードのある東京へ。2日間にわたり仕事ぶりを実際に見学させてもらい、また手伝いもすることができたそう。

「旧車に触れることはもちろんですが、丁度外国から7名ほどのお客さまが見学に来られていて、井上社長が説明したりエンジンをかけたりする度に大歓声が起こるんです。社長が後で『自分たちが作ったモノをわざわざ見に来てくださり、喜んでくれる。こういうのがあるから楽しいんだよ』と話すのを聞いて、さらに何て素晴らしい仕事なのだろう! と痛感しました」

 当初は旧車に触れるという内容に重点を置いていたという東恩納さんですが、実際に社長の人柄やお客様に触れ、それ以外にも働きがいがあることを知り、さらにこの場所で働きたい気持ちが強くなったといいます。

「沖縄に戻るとすぐに井上社長に手紙を書き、改めて働きたい気持ちを伝えました。その後も井上社長に何度か電話をして想いを伝えると、2013年6月に『いつから働けるの?』との返事をもらうことができました。夢のようでした(笑)。前の仕事もありましたので、9月にあるという旧車のイベントに合わせ、上京を決意しました」

 そして、東恩納さんの東京での生活がスタートしました。