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緑のある暮らしをたくさんの人に

グリーンショップオーナー
境野 隆祐さん

幼少期から絵を描くことや何かをつくることが好きだったという境野隆祐さん(36)。園芸に興味を持っていたご両親の手伝いをするうちに自然と植物を親しむようになりましたが、当初は仕事にするとは思っていなかったそう。大学進学を機に一人暮らしを始め、インテリアの一環として観葉植物に触れるようになるも、アパレル企業に就職しインターネット販売を担当。その経験・ノウハウを生かして家具ショップに転職後もネット販売を手がけていましたが、傍らで店舗の植栽を管理するようになったことがきっかけで、自身のグリーンショップをオープンすることに。そんな境野さんに、現在の仕事のやりがいや今後の夢についてうかがいました!

イメージをカタチにすることが楽しい

インタビューに答える境野さん

 サッカーに打ち込んだ少年時代でしたが、「普段はインドア派で、外でやんちゃに遊ぶことよりも、絵を描いたり何かをつくったりすることが好きでした」と自身について話す境野さん。大学では工学部に進みました。

「学生時代も絵を描いたりモノづくりをしたりといった時間が大好きでした。またその頃、写真の撮影も独自に学び始めました。イメージを実際にカタチにしていくことに楽しさを感じていました」

 また、趣味ながら園芸に精通したご両親の影響で、昔から植物に触れる機会は多かったそうですが、改めて植物の魅力を実感するようになったのも大学時代だったといいます。

「一人暮らしを始めた頃、インテリアや雑貨ブームがありました。自分もインテリアの一つとして観葉植物に興味を持ったのですが、その当時はまだ専門店は少なく、近所の花屋などで探していました」

 植物に興味はあったものの仕事にしたいという気持ちが当時はまだなく、大学卒業後は大好きなファッションの道へ進むことに。就職したアパレル企業ではインターネット販売を担当。さらに学生時代からの写真の知識を生かして商品の撮影も担当し、インターネットを通じた商品の販売を幅広く手がけるようになりました。

植物に触れる仕事がしたい!

作業中の境野さん

 アパレル企業での経験を基に、今度は家具ショップでもオンラインでの販売を担当することになった境野さん。その際に店舗の中庭にあったさまざまな植物の管理も担うようになり、インターネット販売や植物に関する幅広い知識を得るきっかけになったといいます。

「ショップの中庭にはいろいろな植物がありました。プロの方に定期的に見てもらっていましたが、僕が日々の管理を担当するようになりました。植物との触れあいも楽しく感じましたし、プロの方に直接いろいろと訊くことができたこともありがたかったですね」

 ちょうどその頃に有機無農薬野菜や玄米食を知る機会があり、「自然と触れ合う農業や植物を扱う職業に、強く興味を抱くようになりました」と境野さんは話します。

「オーガニック食品を食べるようになったことで身体がとても元気になり、農業や植物を扱う仕事に憧れを持つようになりました。そこで、知識も経験もまだまだではありましたが観葉植物を扱うショップを自分でオープンしようと決意しました」

 このようにして2008年に、28歳で『ayanas』を東京・世田谷に開店することに。

「色・物・形が集まり美しい模様をつくる、彩るという意味を持つ、『彩なす』という言葉が好きで、『ayanas』という店名にしました」

 しかし、最初から運営を軌道に乗せることは難しく、悩む日々がつづくことになったそう。