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イベントレポート

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2012年10月30日(火) 19:00~21:00

佐藤 佳織(さとう かおり),大巾 博史(おおはば ひろし) / ウェディングプランナー,ウェディングデザイナー

脱!コピペ結婚式 ~誰が見ても"ふたりらしい"結婚式をつくる~

「誰の結婚式がどんな結婚式だったっけ?」そんなことありませんか。どれも似たり寄ったりで、結局記憶に残っていない結婚式。そんな「ありきたり」な結婚式ではなく、「本物のオリジナル」や「個性」を追求した結婚式を挙げたいというカップルが徐々に増えてきている。カップル主体の結婚式をつくるためには、「結婚式」という枠からとびだして、自由な発想と新しいプロセスが必要。そんな新しい結婚式のスタイルについて、いま注目され始めているフリーランスウェディングプランナーにお話いただきます。「こんな結婚式もできるんだ!」という新しい発見が、人生最大のライフイベントをもっとワクワクさせるはずです!

「コピペ婚」とは「マニュアル化された結婚式」のこと

本日の講師は「プロデュースユニット」として活躍しているウェディングプランナー佐藤佳織氏とウェディングデザイナー大巾博史氏のお2人。ブライダル業界の事情やウェディングプランナーの仕事、そして両氏がこれまでに手がけてきたオリジナルな結婚式の事例などを紹介する形で話は進んだ。
まず佐藤氏が口にしたのは、「コピペ結婚式とはなにか」。
「コピペ婚とは、文字通りのコピー&ペースト、マニュアル化された結婚式のことです。」
ちょうど今、友人たちが結婚ラッシュだという佐藤氏。短い期間に何度も結婚式に足を運んでいると「どれが誰の結婚式だったか」、記憶があやふやになるという。確かに、結婚式というとだいたい形式が決まっている。
「たとえばキリスト教の結婚式というとみなさんどんな場面を想像されますか?」
チャペルのバージンロードの奥に立つ新郎新婦に、ちょっとつたない日本語を操る外人の神父さんが「チカイマスカ?」と尋ねる。おそらく、ほとんどの方がこういった場面を想像することだろう。こうしたイメージに代表されるように、日本の結婚式は準備段階から当日の進行に至るまで徹底的なマニュアル化が進んでいる。たとえば挙式から披露宴の流れひとつ見ても、ここで誰かが挨拶をし、乾杯があり、食事があり、ケーキカットの時間となり、余興や祝電が披露される、とよどみなく進行するようにできている。
「もちろん、僕たちはそうした結婚式を否定しているわけではありません。」と大巾氏。ブライダル業界は挙式から披露宴までの時間を新郎新婦の人生におけるかけがえのない時間とするべく、努力を積み重ねて現在のスタイルを築き上げた。佐藤氏も大巾氏も前職はプロデュース会社勤務のプランナー。その辺の事情はよく理解している。

プロデュースユニットを組んだ理由

現在、2人はフリーランスとして活動している。会社をやめた理由、そこには「業界主体ではなく、カップル主体の結婚式をつくりたい」という思いがあったという。
最近は「同じお金をかけるなら、もっと自分たちらしい結婚式をやりたい」という新郎新婦が増えている。そうなると既存の結婚情報誌に載っている会場では対応しきれなくなってくる。そこで求められるのが佐藤氏や大巾氏のような依頼主の要望にフレキシブルに応えてくれるフリーランスのウェディングプランナーなのである。
両氏がいままでに担当してきた結婚式はどれもオリジナリティー溢れるものばかりだ。会場は大学のキャンパスだったり、酒蔵だったり、あるいは横浜の赤煉瓦倉庫だったりとさまざま。全国を舞台に新郎新婦の希望を最大限に反映させた式をプロデュースしてきた。
ここで気になるのは、どうしてプランナーとデザイナーがユニットになっているかという点だ。佐藤氏と大巾氏はフリーになる以前にいたプロデュース会社では同僚という間柄。「もともと気は合った」というが、こうしたケースは非常に珍しいという。もっとも、佐藤氏によれば「結婚式にデザイナーは絶対に必要」。招待状のデザインから会場のレイアウトに至るまで、デザイナーの守備範囲は広い。オリジナル度の高い結婚式の場合、新郎新婦とイメージを共有するためにもデザイナーが横にいた方がいい。こういった理由から、佐藤氏と大巾氏はユニット制を採用した。実際の仕事は「新郎新婦とチームを組んでの共同作業」。型にはまりたくない、ゲストに楽しんでもらいたい、自分たちの趣味を前面に出したい。「新郎新婦の熱い思いについて行くのが僕たちの仕事です」と大巾氏は語る。

ここがポイント!「脱!コピペ婚」講座

休憩を挟んだ後半は写真つきの事例紹介。「嬬恋村で開いたキャベツがコンセプトの結婚式」や「葉山のビーチと日本家屋で開いた、これ結婚式なの?と思うような結婚式」など、見るからに楽しそうな事例に会場が湧く。
ではこうした「脱!コピペ婚」を果たした結婚式はどのようにして生まれるのか。パネルには「脱!コピペ婚」講座の文字が躍った。
①「当たり前」に疑問を持つべし!
②結婚式だってことを忘れるべし!
③「そうだ!結婚式だった!」…と思い出すべし!
佐藤氏いわく「この3つをおさえておけば2人らしい結婚式ができます!」。要するに一度既成概念から離れてみようという提案だ。
「結婚式ではなく、2人らしいイベントを考えて、それを結婚式にしてしまう、と思ってくださればいいんです」
料理やケーキ、装花、引き出物など、数あるウエディングアイテムひとつひとつに疑問を持ってみる。そこから「脱!コピペ婚」は始まる。むろん、一から十までオリジナルにする必要はない。たとえ既成の会場での結婚式でも、ちょっとした工夫ひとつで自分たちらしさは演出できる。たとえば料理のメニュー表を一般的な料理名でなく「○○ちゃんの好きな○○のポワレ」などと変えるだけで個性を出すことはできる。おすすめなのは「2人のイニシャルなどを用いてオリジナルのロゴを作ること」だという。そのロゴを招待状やウェルカムボードなどに落とし込むだけでも会場の雰囲気は変わるという。
時間は瞬く間に過ぎ、質問コーナーへ。「会場の確保が大変では?」という質問には「断られることはそんなにない。」という答え。大巾氏によると「結婚式はお祝い事。新郎新婦の思いを伝えれば会場担当者相手の心も動く。」という。
そして、今後もユニットとして活動していく2人の夢は?
◎大巾氏 「新郎新婦には開放された広い場所で、自分たちは幸せになるんだ!と宣言してもらいたい。そのために公園でのウェディングを普及させていきたいですね。」
◎佐藤氏 「結婚式にもいろんな形があっていい。結婚式を挙げた後も、毎年、アニバーサリーとして結婚式のようなイベントをやってみるとかもいいですよね。今後はそんなことを発信していきたいです。」
しめくくりは大巾氏の一言。「まだ独身なので自分も結婚したいですね(笑)」
なごやかな笑いとともにセミナーは終了時間を迎えた。

講師紹介

佐藤 佳織(さとう かおり),大巾 博史(おおはば ひろし)
佐藤 佳織(さとう かおり),大巾 博史(おおはば ひろし)
ウェディングプランナー,ウェディングデザイナー

佐藤 佳織(さとう かおり)
プランナーとデザイナーによるウェディングプロデュースユニット「Lovew Bridal」代表。
大手ハウスウェディング会社で勤務後、フリーの婚礼スタッフとしてホテルや式場を中心に婚礼を担当。その後、プロデュース会社のプランナーを経て独立。結婚式をライフイベントのひとつと位置づけ、本物の「ふたりらしさ」を徹底的に追及し、妥協のない結婚式をプロデュースしている。

大巾 博史(おおはば ひろし)
多摩美術大学にてスペースコミニュケーションデザインを専攻。大手ディスプレイ
デザイン会社にて商業施設の店舗デザイン、制作を手がける。その後、ウェディングプロデュース会社を経て、Lovew Bridalに立ち上げより参加。結婚式を一生モノの“作品”と捉え、より自由なウェディングパーティーを実現するため会場装飾から各アイテムまで完全オリジナルでデザインしている。