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イベントレポート

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2013年11月21日(木)19:00~21:00

花輪 陽子(はなわ ようこ) / ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者 1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

"逆算力"で自分らしい人生を手に入れる

就職・転職・結婚・出産・住宅取得・退職・・・など、長い人生にはさまざまなイベントが起こり、大きな出費も伴う。運命を変えるようなイベントを上手く乗り越え、成功への一歩踏み出すためには"逆算力"を身に着けることが重要。"逆算力"とは人生プランとゴール設定を立て、それに向けてお金の計画を立てたり、できることを整理していき、目標を実現していく力のこと。今回のセミナーでは「お金」にフォーカスし、ワークショップも交えながら"逆算力"についてお話しいただいた。

買物大好きの「ダメダメOL」からファイナンシャル・プランナーへ

 セミナー冒頭はマンガによる講師の自己紹介から。現在でこそファイナンシャル・プランナーとして雑誌やテレビなどのメディアで活躍している花輪陽子氏だが、外資系証券会社に勤務していたOL時代は「家賃より高い靴を買ってしまうダメダメOL」だったという。服を買うのが大好きで、気づけばリボ払いの残高は200万円。しかも新婚早々に夫婦揃って失業するという憂き目に遭った。が、これが「お金について考える転機になった」という。
「失業して感じたのは貯金の大切さでした」
 そう語る花輪氏は「知識ゼロ」の状態からファイナンシャル・プランナーに転身。世の中の人に「お金の計画」を説く身となった。
 今回のセミナーではその花輪氏に、結婚や出産、教育や老後など、人生にかかる「お金」がいくらなのか、その「お金」を貯めるにはどうすればいいか、そこで有効な「逆算プラン」についてなどをお話しいただいた。後半には「逆算プラン」のワークショップも実施。参加者にとって人生における自分の「夢」を具体的に思い描く機会となった。
 プロローグは来年4月から8パーセントに上がる消費税について。ここでは実践的に「前倒しに買っておいた方がよいもの」を紹介。
「自動車や白物家電、ブランド家電、着物、スーツ、鞄などは先に買った方が得です」
 この他、住宅のリフォームや雑誌の定期購読、定期券、映画のチケットなども増税前に支払いを済ませておいたり、買っておいた方がいい。一方、政策的な配慮から消費税が非課税となるモノやサービスもある。家賃や住宅ローン、各種保険料や医療費、学校の授業料、出産費用、葬儀費用、介護保険の介護サービス、預貯金、株式や債券などの金融証券取引、土地の譲渡及び貸付、商品券などの譲渡は消費税がかからない。消費税が5パーセントから8パーセントに上がると、「月に20万程度の支出がある世帯だと5,000円ほど余分にお金がかかるようになる」という。今のうちに正しい知識を得ておいて損はないはずだ。

長い時間をかけた積立が必要な大学費用

 話は本題へ。「人生にかかるお金」はいくらなのだろうか。人は生きていれば日常の生活費の他に、結婚や子育て、老後などの諸費用がかかってくる。雑誌「ゼクシィ」の「結婚トレンド調査2013」によると、結婚費用の平均額は458.9万円。花輪氏も自身の結婚では「挙式や披露宴、新婚旅行まで含めて500万円以上かかりました」。結婚はやはりお金がかかるもの。
 では子どもを産むといくらかかるのだろうか?
「妊婦検診が約15万円、全国平均で見ると出産費用が約47万円。ただし検診費助成や出産育児一時金が合わせて52万円程度ありますから、自己負担は約10万円で済む場合もあります」
 傾向として地方は割安、東京や神奈川などの大都市圏は助成金の額が少なく医療費も高いために自己負担率が上がるという。
 出産にともなう費用に対して、その後の子育て=教育にかかる費用は莫大だ。
「すべて公立の場合でも幼稚園から高校卒業までで約508万円。すべて私立だと約1,700万円が必要となります」
 さらにかかるのが大学。例えば私立大学の理系に通った場合だと、入学金と授業料等の合計額は約800万円。これだけの金額を用立てるにはやはり計画的に貯めていくことが必要だ。花輪氏のおすすめは「児童手当の積み立て」。小中高校などの教育費とは別に、子どもが小さいうちから児童手当には手をつけずに大学進学に備えておけば、高い入学金や授業料等の一部を賄えるはずだ。
 教育資金と同様に貯めておきたいのが老後の資金だ。65歳以上の夫婦2人だと、毎月の平均的な生活費は約27万円。年金などの収入から毎月5万円は赤字になるという。これを65歳時点での男性の平均余命=約19年を足した84歳までで計算した場合、1,140万の貯蓄はほしいところ。さらに高齢化にともなう医療費や介護費を考えると「全部で2,500万円くらいあれば安心」だという。こうしたお金を貯めるには若いうちからの積立が肝心だ。

大きな夢も小さく分割すれば「予定」に変わる

 貯蓄のコツは「お金の色分け」。持っているお金を「日常生活で使うお金」と「近い将来使うお金」、「当面使わないお金」に分ける。すぐ使うお金は普通預金に、近い将来使う予定のお金は定期預金、当面使わないお金は投資信託などの投資に当てる。毎月の貯蓄額の目安は「手取り収入の約10パーセント」。独身時代や夫婦2人の時代などの「貯め期」にはできればもっと貯めておきたい。間違いがないのは、給与から天引きされる財形貯蓄や普通預金口座から引き落としされる積立定期預金。自動的に一定額が貯蓄にまわる方法をとれば、お金は自然とたまっていく。
「お金を貯めるにはボーナスなどの臨時収入を別の口座に移しておくのもいい手です。手堅くお金を貯めている人の多くは貯蓄用の口座を2つ以上持っています」
 そして「最悪の場合は減っても我慢できる」と思えるお金があるとしたら、投資にまわすといい。花輪氏が初心者におススメのは投資信託。この他、花輪氏がよく買うのが「個人向け国債」。これも初心者には安心できる金融商品だ。
 後半はシート記入式のワークショップ。参加者それぞれが年齢に応じて人生に起きるイベントやそれにかかる費用を計算。それを逆算して今からいくら貯めていけばいいかを検討してみた。こうしたプランは「実現不能な夢であっても書き出すことが大切」だ。
「1回でも書くとそれが頭に残りますし、けっこう叶ったりするものです」
 貯めたい金額もゴールを決める。大きな夢や目標も毎月の貯金額として小さく分割すれば「予定」に変わる。誰でも老後はお金の心配なく楽しく暮らしたいもの。
そのためには「お金を守って育てていくこと。コツコツ時間をかけて積み立ててください」と花輪氏。
 質疑応答では貯金とともに忘れてはならない「節約」や「家賃」についての質問に受け答え。最後は第一子の出産が近いという花輪氏に「今後の夢」を聞いてみた。
「私の夢は子育てと仕事をバランスよく両立させてやっていくこと。子どもはできれば2人ほしいですね。大学院にも通って専門家としての知識を高めたいと願っています」

講師紹介

花輪 陽子(はなわ ようこ)
花輪 陽子(はなわ ようこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者 1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
元外資系投資銀行勤務。OL時代は借金200万円の“貯まらん女”だった。2008年のリーマンショックが引き金となり、2009年に新婚早々「夫婦同時失業」を経験し、猛勉強の末、FPとして独立。現在は書籍やウェブコラムの執筆、雑誌の監修の他、テレビやラジオの出演などを行っている。著書に、『手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。』(祥伝社)など、テレビ出演に「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「有吉ゼミ」(日本テレビ)、「ドラクロワ」(NHK)などがある。