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イベントレポート

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2014年3月26日(水) 13:30~15:30

横山 光昭 (よこやま みつあき) / 家計再生コンサルタント
株式会社マイエフピー代表取締役

親子で一緒に楽しみながら考える
「わが家の暮らしとお金」

現在の日本ではきちんとした金銭教育を受ける場がないため、実生活でお金のやりくりに悩み、一人抱え込んでしまう家庭が多いのが現状である。また、これからの時代を生きていく子どもに対しても、正しい金銭教育をしなければ、また同じ問題が繰り返されてしまう。そこで今回、TVや雑誌など多数のメディアで活躍中の家計再生コンサルタントの横山光昭氏を迎え、親子で一緒に考えるマネーセミナーを開催。支出を「ショウ(消費)・ロウ(浪費)・トウ(投資)」®に振り分けることで、家庭ごとに違うお金の価値観を導き出し、それぞれにあった節約法などをアドバイスしていただいた。また、横山氏が監修した「マネーいろはカルタ®」を使って、遊びながらお金との付き合い方を見直すなど、親子で一緒に楽しみながらお金について考える機会となった。

月に一度、家族で開く「マネー会議」

第2回目を迎えたd-labo二子玉川のセミナー。今回の対象者は「親子」。家計再生コンサルタントの横山光昭氏を講師にお招きし、カードやカルタを使ってのワークショップスタイルでのマネーセミナーを開催。参加者にとっては、「わが家の暮らしとお金」について考える有意義な2時間となった。
冒頭はアイスブレイクの自己紹介。この日集まったのは大人の参加者の他、小学校1、2年生の児童が数人。参加者それぞれが語ったのは「最近もらって嬉しかったモノ」について。大人は「肩こり用のバンド」や「フロアの男性全員からもらったホワイトデーのお返し」、「奥さんの作ってくれた弁当」など。これに対して子どもたちは「日産の工場見学でもらった限定のトミカ」や「レゴのドラゴン」など、やはりおもちゃが人気。なかには「自分で自分に買ってあげた」という声も。粋な返答には会場の大人たちからは「ほー」と感心する声があがった。
「今日は簡単に言うと、お金のことをもっと話しましょうよ、ということです」
そう語る横山氏は家では6人の子どもの父親。子どもたちとは10数年前から家計について話しあってきたという。 
「上の子が小学校2、3年生の頃でした。妻と生命保険料などについて話していたら、『保険料って何で払っているの?』と会話に加わってきたんです」
話してみると、「お金の話は子どもとのコミュニケーションになる」と気付いた。それからは子どもたちも含め家族全員に家計について話すようになった。現在は「月に1回、マネー会議を開きます」。開催日は給料が出た週の金曜日。家族全員が揃ったところで「今月の収入」を公開する。次に家計簿をつけている奥様が「今月の支出」を発表。そこから出た差額は原則貯蓄にまわす。同時に、子どもたちに「今月は何が欲しいか」と訊く。それが本当に必要なものかどうか討議して、買うか買わないかを決める。ときには父親の横山氏のリクエストですら通らないこともある。
「つい先日も自分用のドライヤーがほしいと言ったら、家族みんなに今ある女性向けのドライヤーで我慢しなさいと却下されました(笑)」
何が本当に必要なのか。節約や貯蓄のためにも、そして家族のコミュニケーションのためにも親子によるマネー会議は有効なようだ。

家計の支出を『ショウ(消費)・ロウ(浪費)・トウ(投資)』® の3つに分けてみる

もっとも、大半の家庭ではそこまではしないのが普通だ。横山氏も「子どもの頃は父の稼ぎがいくらかも知らなかった」という。参加者の子どもからも「親からはお金のことなんか気にしなくていいと言われた」という声が。考えてみれば、これはもったいない話。「お金」については学校でも教えてはくれない。子どものうちから「お金と生活が直結している」ことを知れば、その子は大人になってお金で失敗しない人間に育つ。自立心や価値観の形成のためにも、親子で「お金」について話す機会はもっとあってもいいはずだ。
横山氏のトークのあとはカードを使った支出の区分け。家計における支出には、大きく分けて「消費」、「浪費」、「投資」の3つがある。「消費」は「生活するのに必要なもの」。「浪費」は「本当はなくてもいいのに買ってしまったもの。簡単に言うと無駄遣い」。そして「投資」は「将来のために役立つもの」。この時間では、「食費」や「ケータイ」、「保険」、「お酒・タバコ」、「洋服」、「ペット」、「日用品」などのカードを使って、どれが「消費」や「浪費」、「投資」に当たるか参加者に分けてもらった。仕分け後は子どもたちが順々に発表。子ども目線で見ると、お父さんの「お酒・タバコ」は浪費。これには大人たちは苦笑い。ただし、子どもたちは自分たちが遊ぶ「おもちゃ」や「ゲーム」も浪費に加えるなど、意外としっかりした金銭感覚も見せてくれた。「外食」や「おやつ」、「ケータイ」は、「消費」と「浪費」の間。「必要だけど、使い過ぎると無駄遣いになる」という意味だ。「投資」で多いのは「本」や「塾・習い事」など。「新聞」はテレビやネットで情報を得るのが当たり前となっているせいか、「浪費」に入れられるケースが多かった。ユニークなのは「病院」を「投資」に入れたケース。「どうして?」という質問に、返ってきた答えは「大人になったらお医者さんになりたいから」。どうやら子どもたちは大人が思っている以上にしっかりした「夢」を持っているようだ。
子どもたちの母親に尋ねると、やはり家庭の財布を預かる主婦、「改めて家計を考えると無駄な出費が多過ぎる」という感想が聞かれた。ちなみにこの「消・浪・投」の理想型は「消費が70パーセントで浪費が5パーセント、投資が25パーセント」。月の収入が30万円の家庭ならば生活費の目安は21万円と考えればいいだろう。

遊びながら「お金」のことを考える「マネーいろはカルタ」

後半は「マネーいろはカルタ」。子どもは子ども同士、大人は大人同士で「カルタ大会」を楽しんでもらった。普通のカルタと違うのは、1枚1枚が「お金の“イロハ”がつまった金言」であること。「親子でも きちんと話そう 使い道」、「ラクをして 稼ぐお金は すぐ出てく」、「工夫して お金貯めると 知恵もつく」、「それいるの 自分に問いかけ 無駄防止」といった金言が書かれている取り札の裏側には、その内容がわかりやすく解説されている。「お金」のことを遊びながら学べる『いろはカルタ』は市販品。この日は参加した児童全員にプレゼントされることとなった。
セミナーのラストは質疑応答。これまでに7,000人の赤字家計を再生させてきたという横山氏に寄せられた質問は「運用」や「クレジットカード」、「消費税」についてなど。運用に関して横山氏が勧めるのは「元本保証の国債」や「リスク分散型の投資信託」。基本的な姿勢は「放置」と「積立」。株などで運用しないのは、「運用に気をとられるのは嫌だから」だ。カードについては「クレジットカードは持っていません」。そのかわりに使っているのが即時決済のデビットカード。お金の管理をしっかりするには、後払いのクレジットカードよりもデビットカードの方がずっと適しているという。この4月からの消費税増税でもっとも大切なのは「自分たちの家計の見直し」。「庶民派ファイナンシャルプランナー」である横山氏らしい実践的なアドバイスを頂戴したところで、セミナーは終了時間を迎えた。

講師紹介

横山 光昭 (よこやま みつあき)
横山 光昭 (よこやま みつあき)
家計再生コンサルタント
株式会社マイエフピー代表取締役
家計の借金・ローンを中心に、盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生をめざす。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを生かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまで7,000人以上の赤字家計を再生した。業界でも異端児的活動で、各種メディアへの執筆・講演も多数。独自の貯金法などを紹介した『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書も多数。雑誌、新聞、テレビ、ラジオでも活躍。Webで日本経済新聞社、ダイヤモンド社の連載を公開中。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる、庶民派ファイナンシャルプランナー。。株式会社マイエフピー