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イベントレポート

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2014年5月11日(日)13:30~15:00

yukiko / 色彩総合プロデューサー・ファッションスタイリスト

KIDSファッションショー&撮影会
(2014年springコレクション)

多くの「色」に接することは、感性や発想力を豊かにし、さらにはコミュニケーション能力も高めることができる。子どもにおいても同様に、自分の好きな色を選んだり、普段は触れない色に出会うことで、感性や発想力を磨くことにつながる。今回のd-labo二子玉川セミナーは、この「色」をテーマに、色彩教育や五感教育にも携わる現役ファッションスタイリスト&カラーディレクターのyukiko氏をお招きし、『KIDSファッションショー&撮影会』を開催。子どものお気に入りの服や、買ったけれども組み合わせに悩むアイテムを持ち寄り、yukiko氏アドバイスのもとトータルコーディネート。その後はご家族がカメラマンとなり、新しい自分を発見した子どもたちをモデルにファッションショーと撮影会を実施。モデルになりきってポージングしたり、ファッションスタイリストの仕事を手伝う姿を見ながら、子どもたちの成長を感じる機会となった。

みんなの好きな「色」は? 「色」で遊ぶファッション

「今日は撮影やコーディネートを通して、みんなに〈色〉で遊んでもらおうと思っています。〈色〉について知っていると、普段着るお洋服の選び方も楽しくなります」
yukiko氏のこんな挨拶から始まった『KIDSファッションショー&撮影会』。集まったのは5人の子どもたちとそのお父さん、お母さんたち。ワークショップスタイルのイベントは、それぞれの自己紹介から始まり、yukiko氏が用意した小物類でコーディネート、それからファッションショー、という流れで進行した。
自己紹介にあたっては、各自が好きな色のカードを選択。色の選び方は「その子の個性」。さまざまな色のカードの中からどれを選ぶかでマイブームとなっている色がわかる。お父さん、お母さんたちからは「スカートしか履かないのでズボンの楽しさも知ってほしい」、「夏でも冬でもショートパンツだから、ワンピースなども着てくれれば」という声が。なかには「服について僕が口を出すと怒られる」と苦笑いするお父さんも。幼いとはいえ、ファッションに対しては子どもたちなりのセンスやこだわりを持っていることが窺える。
yukiko氏の肩書は色彩総合プロデューサー&ファッションスタイリスト。自己紹介のあとは、スタイリストがどういった職業であるかを簡単にレクチャーしていただいた。
「今日のようにファッションの撮影をするとき、いろいろな職業の人と一緒に仕事をします。1人は写真を撮られるモデル、もう1人は写真を撮るカメラマン。今日はみなさんがモデルで、お父さん、お母さんにはカメラマンになってもらいます」
3人目は、「顔や髪の形をつくる人」であるヘアメイク。そして4人目が「服や小物を集める人」であるスタイリストだ。

コーディネートのコツを学ぼう!

ここで「スタイリングのコツ」を軽く実演。
例えば、撮影の現場でスタイリストが用意した靴がモデルの足のサイズに合わないという場合がまれにあるという。
「でも、どうしてもこの靴を写真に出さなければいけない。そういうときは……」
パッと靴を手に取るyukiko氏。
「こんなふうにモデルさんに手に持ってもらうんです」
このとき注意しなければならないのが背景や持ち方。持った靴や自分の顔、着ている服をどのように見せれば映えるのか、可愛らしくなるのか、格好よくなるのかを考えてポーズを取らなければならない。服と靴が同系色の場合はかぶらないように離して持つ、あるいは赤に対する青のようにあえて反対色を組み合わせてみる。
「そうすると、自分たちの顔もきれいになるし、かわいく見えるんです」
今回のワークショップはKIDS撮影会ということもあってカラフルな小物類を『ヴィレッジヴァンガード』からレンタル。リュックサックや傘、長靴、サングラス、レインコートなどは、どれも大人も喜ぶかわいさだ。当然ながら子どもたちの目は爛々。ただし、「借りた時と同じ状態で返却しなければなりません」。
そこでyukiko氏から子どもたちに質問。
「値札が外せない場合はどうすればよいのでしょう?」
「見えないように後ろに隠す!」
「正解、さすが!」
子どもたちの言うとおり、実際の撮影でもこうした場合はモデルがさりげなく値札を隠して撮ることもあるのだという。そういう意味で今日の撮影会はプロの世界と変わらない。
ファッションショーまでの30分はコーディネートのコツを得るための撮影タイム。子どもたちは好きな小物を選び、親たちがそれを手にポーズを決める子どもたちを撮る。始まってみれば、会場の「KIDS d-labo」は大騒ぎ。「これどう?」「似合う!」「かわいい!」とあちこちから楽しそうな声が聞こえる。yukiko氏は組み合わせやポージングをアドバイス。モデルになりきってポーズを取っている子どもたちの順応力とノリの良さにさすがのyukiko氏も脱帽といった様子。お父さん、お母さんはというと、子どもたち以上に興奮して我が子にカメラを向けている。

「夢」は体験の中から見つかるもの

そして始まるファッションショー。会場は「KIDS d-labo」前。ウォーキングとポージングについてyukiko氏が指南する。 
「私が合図したらスタート。前に出て来たらここで1回とまってポージングをします」
きれいに見えるポイントは「一本軸をつくる」こと。片足を軸として、もう片方の足でポーズをとる。カメラマンがシャッターを切ったとわかったら、音楽に合わせて前方へウォーキング。折り返しの場所まで来たら2回目のポージング。くるりと回ってもとの場所まで戻り、最後のポージング。練習のあとは、さっそく本番。ノリのいい音楽と「レッツゴー!」というyukiko氏のかけ声で、子どもたちはプロさながらに堂々とポージング、そしてウォーキング。それを見る大人たちは撮影に夢中。「かわいい、かわいい!」と大興奮。5人が順番に出たあとは、全員で登場。横一列で並ぶさまはなかなかの迫力。ヘアメイクを特別に施さなくても、子どもたちの個性が十分に出ている。お気に入りの服を持ち寄り、カラフルな小物類でコーディネート、というシンプルなアレンジでも、色の組み合わせとポーズだけで雰囲気は大きく変わる。
ファッションショー終了後は、yukiko氏を囲んで保護者も一緒に記念撮影。「色」や「ファッション」を通して学校教育にも携わっているyukiko氏によれば、「幼い頃にその人がどういう経験をしてきたかで選ぶ色や組み合わせは変わる」という。「色」は五感で選ぶもの。感性を磨くには子どもの頃から「実際に触ってみる」、「試着してみる」といった体験が大切だ。
ラストはd-laboのテーマである「夢」について。「幼いときの私には、なりたい仕事がありませんでした」とyukiko氏。そんな「夢のない自分」が現在の仕事についたのは、たまたま開いた本でカラーコーディネーターという職業の存在を知ったからだったという。
「その本に触れるという体験がなければ、今の私はなかった。夢は体験の中から見つかる。私の今の夢は、これから夢を見つける人たちにとって、きっかけとなる〈色〉の発信者、表現者になること。そういった活動をしていきたいなと思っています」

講師紹介

yukiko
yukiko
色彩総合プロデューサー・ファッションスタイリスト
色彩総合プロデュース「スタイル・プロモーション」主宰。ファッションスタイリスト/カラーディレクター。色彩検定1級。永谷園入社後、ファッションスタイリスト・カラーコンサルタントへ転身。ELLE、SPUR、non-no、minaなどのファッション誌撮影や、フランスベッド株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングスなどのTV-CMやイベントに数多く携わる。2005年より企業や教育機関等にて色彩やファッションの講師として人材育成にも関わり、受講生は8,000人に及ぶ。現場での経験から色彩教育や五感教育を重要視する。2010年より<色彩の有効活用>を提案しプロデュースを行う「スタイル・プロモーション」を主宰。楽しみながら実践力を身につけるセミナーやイベントを展開し行政や海外留学生、ファミリー向けに色彩・五感教育セミナーも担当する。色と食をテーマに取り上げた「色と食の旅プロジェクト」を企画運営し六本木をはじめとする都内でイベントを定期的に行う。美容家、佐伯チズ氏の美容と食の取材も務め、色彩およびファッションの専門家として「日経WOMAN」(日経BP社)、「美的」(講談社)、「王様のブランチ」(TBS)等メディアにも出演。