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イベントレポート

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2014年6月14日(土)14:00~15:30

ワカバヤシケイジ(わかばやし けいじ) / ファッションデザイナー

「キャラBag」教室
~世界でひとつだけのMy Bagをデザインしよう~

今やお子さまのお弁当はママやパパが工夫を凝らした「キャラ弁」の時代。自然と子どもの感性も「誰かと同じ」より「ひとと違う自分だけのもの」を好むようになっているのではないか? そこで今回は、ファッションデザイナーのワカバヤシケイジ氏による「箔プリント」や「顔料プリント」を用いた、世界でひとつだけのあなたのBagを作る「キャラBag」教室を開催。親子で一つの物を作りあげ、素敵な思い出を作る機会となった。

絵の具と箔でオリジナルバッグを!

この日、「バッグ工房」に変身したd-labo二子玉川。集まった11名の子どもたちは、どんなバッグができるのか、期待に目を輝かせている。テーブルにはアイロンプリントに使う糊シートやマジック、絵の具、筆などが。そこへ大小の布バッグが配布されてワークショップはスタート。
「今日はこの大きいバッグと小さいバッグの両方にイラストを描いたり、箔を貼ったりして親子でそれぞれのオリジナルキャラバッグを作ります」
挨拶に立った講師のワカバヤシケイジ氏が作り方を説明していく。配られたバッグは片面が無地で片面が水玉柄。これに顔料でイラストをつけたり、「スタンピングリーフ」と呼ばれる色とりどりの箔を貼って「世界にひとつしかない」自分のバッグを作っていく。
いちばん最初に使ったのは、真っ白なシートの片面だけに糊がついた「糊シート」。
「糊が付いていない面にマジックで好きな形を描いてください。この形がバッグに貼る箔の形になります」
アイロンプリントの工程は、①糊シートに、箔にしたい形を描いて切り取る ②糊シートをアイロンでバッグの表面に当て、糊を生地につける ③アイロンの熱が冷めたらスタンピングリーフ(=箔)を糊のついた部分にかぶせ、ふたたびアイロンを使い圧着する ④スタンピングリーフを優しくはがす(はがすと最初にデザインした形の通りに箔がつく) といったもの。顔料のイラストも同様に、当て布をしてアイロンで当ててゆく。
「それではシートに好きな形を自由に描いて、それをハサミで切り取ってください。形は、ハートでも星でもなんでもいいです。あっ、リンゴの形、かわいいね(笑)」
ワカバヤシ氏の説明が終わらぬうちからシートにマジックを走らせる子どもたち。なかには自分の名前をひらがなやローマ字で絵文字にする子もいる。見ていると、子どもたちには迷いというものがない。新幹線にウサギにリボン、クローバー……どの子も思いついたものを即座に形にして切り取っていく。

親子で夢中になってのモノづくり

「まず無地の面。こっちには赤い染料で絵を描きます。今日はハートをテーマにしてみましょうか」
その指示に絵の具の筆を握る子どもたち。今度は次々にハートマークが生まれていく。一人ひとりのハートを見て、「みんな違う。そこがいいんだよね」とワカバヤシ氏。
残る水玉模様の面は「自由テーマ」。ペイントしても、箔を貼ってもOK。もちろん、子どもたちのリクエストに沿って大人が描いてもいい。どんなに自由に描いても「最終的には素敵なバッグになる」。世界でただひとつのオリジナルバッグに失敗作はないのだ。
「絵の具が乾いた人は箔をどこに着けるか決めてください。切り取りができた人から箔を貼っていきます」
用意してあるスタンピングリーフは、ゴールド、シルバー、レッド、ブルー、グレー、グリーン、ピンク等々。人気があるのは金色ゴールドとピンク。「ひとつの色しか使っちゃ駄目? 色を混ぜちゃ駄目?」「自分でアイロンがけしてみる」という子も。手順通り、先に糊を熱定着させ、それからお気に入りの色のスタンピングリーフを使ってもう一度アイロン。これではがせば箔押しは出来上がり。ただし今日は全員で最後にはがすことにして、それまではつけたままの状態にしておくのがルール。スタッフは子どもたちが持って来るバッグにアイロンをかけるのにてんてこまい。そうしているうちに子どもたちも作業に慣れたらしく、「このハートは半分はシルバーでここからはピンクにして」、「名前はブルーの箔、上の新幹線はゴールドの箔で」、「こっち側は全部シルバーの箔で」という具合にリクエストが増えてくる。みんなすっかりモノづくりに夢中になっている様子。見ると、お父さん、お母さんたちも子どもと一緒にアイデアを出したり筆で色を塗ったりと、とても楽しげ。親子でのモノづくりは、それそのものがコミュニケーションであり、貴重な思い出となってゆくようだ。ワカバヤシ氏の口からは「かわいい」、「センスいいねー」、「うまいね!」、「これはアートだよ」と感嘆の声。子どもたちの発想力はプロのファッションデザイナーの感性も刺激している。

最後はカウントダウンで完成!

全員が席に戻って、いよいよスタンピングリーフをはがす時間。ドキドキした表情の子どもたちに、「はがすときはそうっとね」とアドバイスして、カウントダウン開始。「10、9、8、7……」と数え、最後は全員が同時に箔をはがしてみた。次の瞬間、会場に湧いた大きな歓声。子どもたちの手には正真正銘「世界でただひとつ」のバッグがある。「見て見てー」とお互いに見せっこするのが楽しい。バッグは多少の色落ちはあるが洗濯しても大丈夫。大人になるまでとっておけば、いい記念になるはずだ。
普段はさまざまなアーティストの衣装をつくっているワカバヤシ氏。第一線で活躍するデザイナーも、今回のワークショップには感動した様子。
「技術的にも感性的にも、『あっ、こんな方法があるんだ』って勉強になりました。うちの子は5歳ですが、今日はあらためて子どもの発想ってすごいなあと思いました」 
ワカバヤシ氏の「夢」は「何歳になっても新しいことにチャレンジすること」だ。
「去年からトライアスロンを始めました。全然泳げなかったんだけど、今では3,000メートルを泳げるようになりました」
楽しいワークショップは、親も子も大満足の笑顔で幕を閉じた。

講師紹介

ワカバヤシケイジ(わかばやし けいじ)
ワカバヤシケイジ(わかばやし けいじ)
ファッションデザイナー
文化服装学院ファッション工科専攻科アパレルデザイン科卒業。ヨウジヤマモトのニットおよびカット&ソーの企画チーフを経て独立。平成6年に自身のブランド「national standard」を設立。ガーリッシュでかわいいデザインが20代の女性より絶大な支持を受ける。平成17年2月に有限会社若林デザインスタジオを設立し、企業でのファッションアドバイザー、プロデューサーとして活動している他、さまざまなアーティストの衣装制作など、活動は多岐にわたる。