スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2014年10月16日(木) 19:00~21:00

田代 恭崇 (たしろ やすたか) / サイクリングプランナー・アテネオリンピックプレーヤー

はじめてのロードバイク
~人気のロードバイクに触れてみよう~

最近街でよく見かけるロードバイク! 颯爽と走り、見ているだけでもカッコいい。自分も乗ってみたいけど、「何を選んで、どこで走れば良いんだろう」と不安や疑問だらけで最初の一歩が踏み出せない方も多いのではないか。今回はサイクリングプランナーの田代氏にロードバイクの仕組み、選び方、楽しみ方(イベント、カスタマイズ、観戦)、そして実際にどうやって公道で走るのかなど、誰もが知りたいロードバイクの基礎知識についてお話しいただいた。

かっこよくて速くて健康にいい。魅力に溢れたロードバイク

タイトル通り、「ロードバイクははじめて」という人向けに開かれた今回のセミナー。講師の田代恭崇氏はアテネ五輪にも出場した元プロロードレーサー。現在はサイクリングプランナーとして神奈川県の江の島を活動拠点に「ロードバイクの楽しさ」の普及に努めている田代氏に、ロードバイクの魅力やその楽しみ方についてたっぷりと語っていただいた。
まずは「ロードバイクの魅力とは何か」。これは「簡単です」と田代氏。
「なんといっても見た目がかっこいい。シンプルでスタイリッシュ。戦闘機やF1みたいなイメージですね。いいものだと重量が7キロなかったりします。実際に乗っていると、よくかっこいいと言われます」
もちろん、優れているのは見た目だけではない。『ツール・ド・フランス』のようなレースだと標高が高い場所からの下り坂では時速100キロを出す選手もいるし、勾配が7%もある上り坂でも時速25キロで走れるそうだ。平坦な道では時速30~40キロ。東京からなら信号待ちを除けば江の島まで1時間ほどで走れてしまう。その気になれば富士山も登れる。「富士山スカイライン」や「富士スバルライン」などの道も、速い人は標高2,000メートル以上の五合目までだいたい1時間で登り切ってしまう。
そしてロードバイクに乗っていると「気が付いたら痩せている」。ランニングよりも消費カロリーが高く、足への衝撃がないため、ダイエット効果は抜群だ。走っていて景色が流れるのも気持ちいい。玄関を出たら、「そこはサイクリングフィールド」。ひとりでできるスポーツだから、いつでも時間さえあれば楽しめる。たいていの人は子どもの頃に自転車に乗った経験があるので、他のスポーツに比べると「始めるのに敷居が低い」。タイヤをはずして袋やケースに入れれば普通の荷物扱いで電車や飛行機に乗ることができる。たとえば東京から宇都宮までの100キロをロードバイクで走り、名物の餃子をビールとともに味わって、帰りは新幹線で東京に戻る、といった「大人の楽しみ」もある。子どもから大人まで、年齢や性別を選ばない点も魅力のひとつ。体の可動範囲が決まっているのでリハビリにも向いている。いろいろな意味で魅力に溢れているのがロードバイクなのだ。

初心者には15万円程度のモデルがおすすめ

自転車というと、一般の人が乗るのはいわゆる「ママチャリ」。ママチャリは親しみやすい乗り物だが、反面、重くてスピードが出しにくい。普通に走ると時速12キロ程度で行動範囲は5~6キロ。これがロードバイクとなると一般の人が乗っても公道で時速20キロから25キロで走ることができる。軽量でロングライドを意識したつくりになっているため、行動範囲も一気に100キロくらいまで広がる。幅2センチ程度の細いタイヤは「パンパンに」空気を入れることで「転がり抵抗が減って軽く進むことができる」。高いサドルや前傾姿勢も、速く長く走るのに向いている。
気になる価格は「10万円から150万円くらいまで」。値段の差は「素材と変速機の差」。安いものはクロモリ(銅)フレーム。それより高いものはアルミ製。いちばん軽いカーボン製だと値段は安くても18万円以上。変速機も高価なものほど性能がよくなる。
この中で「ロードバイクがはじめて」という人には15万円前後のものがおすすめだという。15万円というのはアルミフレームの価格帯。アルミ素材は「錆びにくくて軽く、価格も安くおさえられる」ので初心者に向いている。
他に必要なのは、ヘルメットやシューズ、サイクリングパンツ、グローブ、ライト、パンク修理用のツールセット、スタンド、水筒をつけるボトルゲージ、ポンプなど。これでだいたい4、5万円。本体と合計で20万円の予算があれば、誰でもロードバイクを楽しむことができる。
購入する際に訪ねたいのは、やはりロードバイク専門ショップだ。低価格帯のものならば町の自転車店や大手自転車販売店で購入できなくもないが、専門ショップの場合は購入後のアフターケアも充実している。ショップ主催の講習会やイベントなども多く、ロードバイク仲間もつくりやすい。

サイクリング、レース……レベルに応じてさまざまな楽しみがある

セミナー後半は固定ローラーに乗せたロードバイクを使用してのデモンストレーションから。田代氏はスマートな体形のせいか「人からは元選手には見られない」というが、現役時代は国際レースで活躍、戦績を見ても日本が誇る名選手だ。引退後はロードバイクを「封印」していたが、昨年、アマチュアレースでは世界でもっとも厳しいと言われている『オートルート・アルプス』に参加。日本人として初完走を果たした。これを機に「ロードバイクの楽しさをみんなに伝えたい」と勤めていたブリヂストンサイクルを退社。自身が代表となってリンケージサイクリング株式会社を設立し、さまざまなプログラムを通してロードバイクの魅力を発信している。
続いてそのリンケージサイクリングのプログラムを含む「ロードバイクの楽しみ方」を紹介。とくに「男性が興味を持つ」というタイヤやホイール、ハンドル、サドルなどの「カスタマイズ」やショップ主催のさまざまなイベント、「ママチャリでも参加可能」なサイクリングイベント、「最近流行っている」というロングライドイベント、サーキットを使用して制限時間内に何周できるかを競うエンデューロレース、富士山などの高山を登るヒルクライム、そして本格的競技であるロードレースなど、さまざまな「楽しみ」を解説していただいた。さらに、それにプラスしてロードバイクには「観る楽しみ」もある。世界最高峰の自転車レースである『ツール・ド・フランス』、そして日本で開催される『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』など、直接レース会場で、憧れの選手たちの走りを観戦するのも楽しみのひとつだ。
購入を考えているのなら、まず手始めに「体験サイクリング」を。田代氏のリンケージサイクリングでも湘南のサイクリングロードを走る体験サイクリングを実施している。ロードバイクやウェア類はすべて貸し出し。インストラクターによる講習もあるので安心だ。
田代氏の「夢」は「一般の人たちがロードバイクの世界に入ってこられる活動をつづけること」。和気藹々としたセミナーは、最後に希望者の方にロードバイクの試乗体験を実施。試乗した参加者は目を輝かせながら、田代氏に質問をしていた。
今後も田代氏の活動を通じて、ロードバイクの輪が広がっていくに違いない。

講師紹介

田代 恭崇 (たしろ やすたか)
田代 恭崇 (たしろ やすたか)
サイクリングプランナー・アテネオリンピックプレーヤー
1974年 東京生まれ。大学サイクリング部で自転車ロードレースを始め、卒業後プロに転身。10年間「チームブリヂストンアンカー」に所属、ヨーロッパプロレースや全日本選手権等多くの優勝を飾る。2004年アテネ五輪日本代表。2007年現役を引退、翌年ブリヂストンサイクル株式会社に入社。スポーツ自転車の商品企画、販売促進、広報、マーケティング、ショールーム運営、サイクリングイベント等の業務を6年間担当。2013年世界一過酷なアマチュアサイクリストの祭典 “オートルート・アルプス” で日本人初完走を果たす。2013年に同社を退社し、2014年よりフリーランスとしてサイクリングの魅力を伝える活動を始める。 同年、サイクリングイベントやスクール、コーチを行なうリンケージサイクリング株式会社を設立し、現在に至る