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イベントレポート

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2015年2月18日(水) 10:00~14:00

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ゆったりコーヒーを飲みながら"写真の魅力"に迫る~写真ワークショップ~

カメラはデジタル全盛時代となり、スマホカメラを含めるとカメラユーザーはかなりの数に上ると推察されます。しかし、撮った写真はデータとしてパソコンに保存されてしまい、一昔前のようにプリントして鑑賞したり、家族で見たりするということも減りました。今回のセミナーは、ワークショップを通して、写真プリントの魅力を再認識し、大切な人とのコミュニケーションを増やしていくきっかけとなった。

ポートレートとテーブルフォトの基本を学ぶ

愛用のカメラを手にd-laboに集まった参加者に、竹之内氏がまず質問をする。
「みなさん、そのカメラで何を撮りたいですか?」
「花」「人物」「料理」「子ども」「風景」…。
「皆さん、それぞれ撮りたいものが違いますね。今日は、何を撮るかにかかわらず、“基本のキ”から教えていきたいと思います。今日一日で、たとえばこんな(と、レジュメに載っているお手本写真を見せて)写真なら撮れるくらいになりますから、楽しんでいきましょう」
セミナーの最後には、今日撮影した写真を対象にコンテストを開催することに。上位3枚はd-labo内に展示されると聞いて、参加者からは「おおーっ」という歓声が。やる気が出たところで、早速レクチャーがスタート。
持参したカメラの機種はバラバラだが、竹之内氏は「P(プログラム)」モードでの撮影を提案。
「Pモードでは、カメラが自動的に適正な明るさを設定してくれます。そのままでもほどほどよい写真は撮れますが、明るさの調整ができるので、『こんなふうに撮りたい』という自分の想いを少し入れることができるモードだといえます」
参加者全員がカメラをPモードに合わせる。まずは構図について学ぶ。
「画面を縦3×横3の、9分割にしてみましょう。人物を撮るときには、画面の中央ではなく、上から3分の1、右から3分の1のところに、被写体の顔をもってきます。これが“魔法の構図”。ふだんからこれを意識していれば、ぱっと見たときに収まりのいい写真が撮れるようになります」
実際に、カメラのグリッド表示をオンにして、9分割の構図を試してみる。二人一組になって互いに9分割構図で撮影しあってみると、確かに中央に人物を置いた写真に比べて、プロっぽい、センスのいい写真になっている。続いて竹之内氏は、「人物を撮るときには背景をごちゃごちゃさせない」「顔が斜め向きの場合は、手前(カメラに近い側)の眼にピントを合わせる」「女性は逆光気味で撮ると女性らしさや優しさが表現できる」「笑顔が撮りたいときは、笑った瞬間ではなく、笑う前兆を察知してシャッターをきるとタイミングがあう」といったポートレート撮影のポイントも伝授。参加者たちもd-labo内で観葉植物の前、ガラス窓の前、イラストが描かれた壁の前と、いくつか背景を変えながら撮影をして、勘をつかんでいった。

センスのいいテーブルフォトは「ボケ」がポイント

次は明るさとボケについて学ぶ。Pモードで「+/-」のダイヤルを操作し明るさを調整するとともに、「屋内のライトには色がついているので、特に料理を撮るときには邪魔な光源をカットし、自然光での撮影を基本にすると、おいしそうに撮れる」「奥から手前にくる光を利用すると、食材の素材感を出すことができる」など、写真を撮るときの光のコントロール方法について、解説が続く。
ここで、被写体として、オリーブなどのビン詰めとグラノーラが登場。窓際の台の上に並べて、テーブルフォト撮影に挑戦することに。ポイントは背景をとばす「ボケ」の作り方だ。カメラのダイヤルで「F」値を上げたり下げたりして露出を変え、ボケ具合を試してみる。撮っては画面を見て、露出を調整し、もう一度撮って確認、また露出を変えて…と、何枚も撮影するうちに、今度はビンの並べ方を変えたり、グラノーラの入ったコップと組み合わせてみたり、グラノーラを台の上に直接出してみたりと、たくさんのアイディアが出て、撮影会は盛り上がっていく。撮影した画面を竹之内氏に見せた女性が「バックがとびすぎてしまった」と言うと、「失敗だと思ってはダメ。とても明るい、おしゃれな写真になっていますよ」と前向きなアドバイス。参加者同士、画面を見せながら、「きれい!」「面白いですね!」と感想を述べあい、会場は和気あいあいとした雰囲気に。「私はこんなふうにしてみました」と竹之内氏が撮影したカットは、グラノーラのコップを2つ並べて真上から撮った、顔のようにも見えるユニークな構図で、参加者からは拍手が起こった。
「写真が上達する秘訣は、ひとつだけです。『どういう写真に仕上げたいか』ということをイメージすること。そのイメージができれば、あとはカメラの操作を覚えるだけですから。雑誌などで『こういう写真が撮りたい』というサンプルをたくさん頭の中の引き出しに入れておくといいですね。あとはプロもアマチュアもありません。今日のように、ひとつのものをずっと納得いくまで撮ることを重ねていけば、写真はすぐにうまくなります」

自信作を選んでプリントし、コンテストを開催

参加者が納得のいく写真が撮れたところで、湘南T-SITE内の「カメラのキタムラ」へ移動。同じくT-SITE内のショップ「FRESCA」から提供されたコーヒーを飲みながら、モニターで写真を選んでいく。厳選した数枚をプリントにかける。大きくプリントされた写真は、やはり画面で見るより迫力がある。
いよいよコンテストを開催。互いを撮りあったポートレートや、ビン詰めとグラノーラのテーブルフォト、撮影中の参加者を撮影したスナップなど、テーブルに並べられた個性あふれる写真を、竹之内氏が吟味していく。
「写真のコンテストは、技術を競うものではないです。大切なのは、テーマが内包されていることと、インパクト。今回もそれを基準に選びます」
そうして選ばれた1位は、台の上にこぼれたグラノーラが、その質感もしっかりと写されてインパクトのある構図で切り取られた作品。
「イチオシのものを大きく写す。グラノーラの色もきれいに出ています」
2位は、撮影者が「とびすぎた」と言っていた、ビン詰めの写真。
「適正露出よりも明るい、ハイキーで撮影されていますが、それがかえって光をやわらかにし、清潔感のある写真になっています」
3位には、人物の写真3枚が入選。特別賞も選ばれた。入選作品は、d-labo内のモニターに一定期間展示されることに。ささやかな賞品も渡され、あたたかい拍手でセミナーは終了。
「写真は、コミュニケーションツール。昔は、家族がアルバムを囲んで思い出を語り合ったりしましたよね。今では写真はデータで保存したまま、という人が多いかもしれませんが、プリントをすることで、コミュニケーションも広がっていくので、ぜひこれからはプリントも楽しんでほしい。さらに、写真は人に見てもらえば見てもらうほどとうまくなります。プリントして見せることで、写真の魅力はもっと広がっていくと思います」

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