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イベントレポート

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1回目:2015年2月22日(日) 13:00~14:30
2回目:2015年2月22日(日) 16:00~17:30

森脇 彰彦(もりわき あきひこ) / 写真家

『Lumix』ミラーレス一眼セミナー

本セミナーはミラーレス一眼の良さを実感いただくとともに、今話題の新たな写真の楽しみ方である『4KPHOTO』のご紹介をいただいた。セミナー当日には実際のモデルを用意し、森脇氏による撮影も実施いただいた。デモ機も複数台ご用意し、セミナーにご参加の皆さまに『4KPHOTO』の魅力を実感いただいた。

高齢化社会を視野に入れた軽さと使いやすさ

広告などの分野で活躍中の写真家である森脇氏。デジタルカメラの創世記から積極的に最新機種を採用し、現在でもつねに数十機のデモ機を試しているという。今回は、Panasonicの『Lumix』Gシリーズをご紹介いただいた。
まずは、一眼とは思えないほどのコンパクトなサイズ感が特徴の『Lumix』GMシリーズ。
「『Lumix』GMシリーズは、一眼レフは初めてという方や、女性の方に特に向いているカメラです。ミラーレスなので軽いし、24m/m広角レンズ?64m/m、70m/m?200m/mの、2本のレンズが標準装備なので、これさえ持っていれば風景から人物まで撮影することができます」
実は、デジタルカメラの軽量化や操作の簡素化は、高齢化社会に向けてのカメラメーカーの対策なのだそうで、たとえば『Lumix』GMシリーズは「幼稚園年少児(3歳児)でも持てる、使える」ことがコンセプトなのだとか。
「一番大きな特徴は、特殊なシャッターユニットです。これまではバネでシャッターをきる構造だったため、小さなボディーのカメラでは衝撃が大きすぎて、どうしても手ぶれしてしまう。けれど『Lumix』GMシリーズは、シャッターをきるときの衝撃がなく、夜景も手持ちできれいに撮れます」
測距点(カメラがピントを合わせる点)も多くなり、さらにはスマホなどで採用されているタッチでピントを合わせる機能もついているので、被写体が中央にくる「日の丸構図」に陥ることなく、被写体を上下左右自由に配置して、「上手く見える」構図の写真を撮ることができる。
「プリントして飾ったり、Facebookやブログにアップしたりという写真の楽しみ方のために、縦横比率を変えることもできます。特に若い人には真四角の写真が人気ですね。ブログに掲載したときに文字が入れやすいそうです」
スマホと同じような使い方ができる手軽さと、ドイツのカメラメーカー「ライカ」のレンズを使用するといったカメラ愛好家の心をくすぐる本格仕様を併せ持つ『Lumix』GMシリーズ。バッグの中に常備しておきたくなる。

ムービーのすべてがクリアな写真になる4K

次は、いよいよ4Kフォトのレクチャーがスタート。4Kフォトとは、1コマが200万画素のフルハイビジョンの4倍、つまり1コマ800万画素の高画質が魅力だ。さらに、4Kでムービーも撮影することができる。
「今までのカメラでは、1秒間に12コマ、ピントを合わせながらの撮影では1秒間に10コマしか撮影できませんでした。1秒間に12コマというのは、人間の動体視力とほぼ同じ精度です。しかし4Kムービーなら、1秒間に30コマ、つまり人間の目ではとらえられない瞬間が撮れる、ということです」
 その具体例がモニターに映し出される。森脇氏が以前行ったセミナーで、ある男性が、お孫さんを撮影したときの映像だ。4?5歳くらいのかわいらしい女の子がシャボン玉で遊んでいる。
「4Kなら、ムービーのどこで止めても、ブレることなく、しっかりと瞬間をとらえた写真になります。この男性は、お孫さんを4Kで撮影した後、よいカットをプリントしようと写真を再生したのですが、どこで止めても、お孫さんがかわいい(笑)。結局絞りきれずに、数百枚もプリントしてしまいました」
 ほほえましいエピソードである。確かに、画面の女の子は、どの瞬間を切り取ってもきれいにもかわいらしく撮れている。4Kのすごさを納得する実例だった。

モデル撮影で4Kフォトの実力を体感

ここからは、実際に『Lumix』GH4を使ってのモデル撮影に挑戦する。
「その前に、まずはカメラの持ち方を確認しましょう。カメラがちゃんと持てているか持てていないかで、写真には雲泥の差が出ます。特に、カメラ歴の長い人は、アナログカメラ時代の持ち方をしてしまいがちですが、デジタルカメラは、それではうまく操作できません」
背面に何もなかった時代のカメラと、液晶画面と操作ボタンが付いている現代のデジカメでは、持ち方そのものがまったく違う、というのだ。そこで、デモ機として手渡された『Lumix』GH4を見ると、グリップに凹みがあり、指がひっかけられるようになっている。右手の人差し指から小指を使って軽くグリップを持ち、親指は背面のボタンを操作できるようにする。そしてカメラ自体は、左手で支える。誤作動させないように、握りが決まってからカメラの電源を入れることもポイントだ。
「もうひとつ覚えておいてほしいのは、シャッターの切り方。写真を撮ることは、英語で“シューティング”と言いますが、つまりを銃の引き金を引くように、指を手前に引くようにして押すのが、手ぶれさせないコツです。これは、本当はウチの弟子にしか教えない、とっておきの情報ですけれど(笑)」
手ぶれ補正をオンにする、レンズの可動部を人差し指と中指で持つ、一般的なデジタルカメラでは「P(プログラム)」モードを使うこと、といった基礎を復習した後で、『Lumix』GH4で4K撮影をするための具体的な操作説明を受ける。ボタンの場所や操作方法がわかりやすい。
いよいよモデルにカメラを向けてみる。
4K撮影では、シャッターボタンを押すと撮影が始まり、再度シャッターボタンを押すまでは、バッテリーが続く限りシャッターがきり続けられる。モニターに映るのは、動画のような連続した画面なので、ついついビデオ感覚でカメラを動かしてしまいそうになるが、
「あくまでもカメラですので、構図を決めたなかで撮影をします。モデルの顔に向けてピントを合わせ、構図を決めて、シャッターを押す。再度シャッターを押して撮影を止めたら、再生しながら、ベストショットの瞬間を探して、保存します」
モデルの女性に髪の毛を跳ね上げてもらったり、シャボン玉を吹いてもらったりし、何度か撮影を繰り返すうち、コツがつかめてくる。再生してみると、確かにどこで止めても鮮明なショットになっていて、その画質のよさにも驚嘆する。
それにしても、シャッターボタンを押すと連続で撮影が始まるという操作方法になかなか慣れない。
「最新のカメラというのは、自分が持っているカメラと比べて、ガラケーとスマホくらい違うものだと思ってください。新しいカメラを買ったら、それまでの操作や撮影テクニックはすべて忘れること。日本人は、一回習得したことをなかなか捨てることができないので、ついつい、古いカメラでやっていたことを、新しいカメラに求めてしまいがちですが、そうではなく、新しいカメラの“作法”を覚えることが大切なのです」
2020年の東京オリンピックの頃には、8Kになっているというデジタルカメラの世界。進化し続ける写真の世界を積極的使いこなしていきたい。

講師紹介

森脇 彰彦(もりわき あきひこ)
森脇 彰彦(もりわき あきひこ)
写真家
1956年岡山県生まれ。コマーシャルフォトを中心に高価な宝飾品から女性ポートレートまで撮影。また、カメラ専門誌などで執筆活動も行っており、独特の「辛口」批評が読者から好評を得る。特にデジタルカメラは創世記から積極的に仕事に取り入れ、画質の良し悪しについて「影の御意見番」とも呼ばれる。