ストリートダンスの世界で活躍し、現在は辻堂駅前でダンス教室を開催している永田氏。今回は、通常のダンスレッスンとは異なる「リズムストレッチ」というメニューを行なうことに。

「加齢とともに筋肉が固くなると、思わぬケガにも繋がります。日々ストレッチを心がけることは、身体にとってもとてもいいことなんです。また、今回はストレッチだけでなく、筋力アップトレーニングも入っているメニューになります。アイソレーションというダンスの用語なんですけれど、首、肩、胸、腰、お尻と、身体の上からゆっくりと、少しずつ鍛えていきます。すっきりとした身体を目指して、頑張っていきましょう。心地よい音楽を流しますので、なるべくリラックスしながら、深呼吸することを意識して、やっていきましょう！」

ストレッチがベースということもあり、今回のセミナーは、女性の友人同士、ご夫婦、母と娘といったペアの参加者が多く、会場にはどこかリラックスした雰囲気が漂っていた。まずはスローテンポな音楽に合わせて、全身のストレッチからスタート。

「両手を大きく開いて立ち、上半身を横に向けて、腰からぐーっと倒れていきまーす」

太ももの裏側、背筋、脇腹と、順番に筋肉を伸ばしていく。思いのほか身体はこわばっているようで、ポーズを繰り返すうちに筋肉がだんだんと柔らかくなっていくようだ。

「息してますかー」「しっかり呼吸しましょう」「痛気持ちいいところでストップ」「呼吸止まってませんかー」

合間合間に永田氏が声をかける。確かに、気がつけば息を止めてウンウン身体を伸ばそうとしているので、意識的に呼吸をとるようにする。

股関節を伸ばし、アキレス腱を伸ばす。背筋をしっかりと伸ばしながら行なうことがポイントだ。

「かかとから脚の付け根まで、一気に筋肉を伸ばしていきます」
「股関節のストレッチです。後ろに向かって可動域を広げていきましょう」
「屈伸です。お尻を落としてアキレス腱を伸ばします」

その後は、床に座ってのストレッチに移行。骨盤を開き、足を外側に向かって伸ばしたり、ツイストさせたり。正座した上体で身体を後ろに倒し、片方の足を伸ばしてから、両手で抱え込むポーズの際には、「これきくね！」「キツい！」という声が。

「太ももの前は硬くなりやすい場所です。これはすごくいいストレッチですので、ぜひ日々、取り入れてください」

開始から約20分。全身しっかりストレッチすることができた。

「次は筋肉のトレーニングです。音楽に合わせて、リズミカルにやってみましょう」

床に座り、上体をできるだけ後ろに倒した状態で、手を前に伸ばして上下に振る。その後は上半身をツイストして腹筋と側筋を鍛える。さらに手の平を前に向かって交互に押し出す。
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そのまま上体を後ろに倒して自転車こぎ。
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うつ伏せになって飛行機のポーズ。
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そのまま体幹トレーニング。肘をつき、お腹を引き上げるように身体を持ち上げる。

一連の説明が終わったところで、ストレッチのときよりもアップテンポの音楽がスタート。

「しっかり腕を上下に振って！」「呼吸止めない！」「しっかりツイスト！」「腹筋背筋一気に鍛えていきます！」

永田氏のかけ声に励まされながら、参加者はリズミカルに動いていく。さきほどまでのゆったりしたストレッチとはうって変わって、腹筋が震えるハードなトレーニング。永田氏からの「もう1セットいきましょう」の声には、会場のあちこちから思わず小さい悲鳴が。10分ほどの短い時間ながら、“効いている”という実感がわいてきた。

「次はリズムトレーニングです。音に合わせながら全身を鍛えていきます」

首を上下に、左右に、前後に。グルーッっと回して筋肉をゆるめていく…という動きから始まって、肩の上げ下げ、回転、胸の前後運動、腰のスライドと、下半身は固定して、上半身だけを動かしていく。

「テンポ上げていきまーす！もっとしっかり、大きく動かして！」

テンポアップしたことで、動きはよりリズミカルに、ダンスっぽくなっていく。参加者たちもノってきて、d-laboがダンススタジオのような雰囲気となって盛り上がってきた。

次は腰の動き。前後に動かしたり、左右に振ったり、回したり。腹筋や側筋に効果的なのはもちろん、腸のぜん動運動にもいいそうだ。「自分が動かせると思うより2倍くらい動かしてください！」というアドバイスに、参加者の動きもさらに大きく、リズミカルに。さらにスクワットのような姿勢で太ももの内側を、つま先の上げ下げでふくらはぎを、親指にギュッと力を入れて大臀筋や内転筋を、と、下半身の筋肉を丁寧にトレーニングしていく。

最後は、ゆっくり呼吸しながら、腕のストレッチ、肩のストレッチ、首を後ろに倒して、気持ちよく深呼吸——。あっという間の充実した1時間に、参加者たちから拍手が起こった。

「私自身、いくつになっても、輝いた人生を送りたいと思っています。どんな状況でも、夢を追い続けて、生き生きとした日々を送ることができれば、と。皆さんにも、『私には無理』『もう年だから…』なんて考えないで、いつでも、いろんなことにチャレンジしてほしいし、そのためのお手伝いができたらいいな、というのが、私の願いです」