スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2015年5月17日(日) 14:00~15:30

植草 真奈美(うえくさ まなみ) / 管理栄養士 / ヘルスフードカウンセラー

「低糖質」×「アンチエイジング」~女性のキレイを作る食事法~

女性の美と健康をサポートする2つのキーワード、「低糖質」と「アンチエイジング」についてのセミナーを開催。食は私たちの健康を支える大切なもの。毎日の何気ない食事に、ちょっとした工夫を加えることで理想の自分に近づけることができる。まずは自分の食生活を振り返り、傾向や改善点を見つけ、キレイや若さを保つための栄養素や食材について、今日から始められる毎日の食への取り入れ方を学ぶ機会となった。今話題のココナッツオイルが持つ、美容や健康への効果についてもご紹介いただいた。

主食を抑えて、おかずをしっかり

糖尿病患者の食事療法である糖質制限食(低糖質食)。近年ではダイエット法などに応用されて注目度も高いが、日常の食生活に取り入れるためにはどうすればよいのだろうか?

「私たちの身体を作る三大栄養素は、糖質、脂質、たんぱく質ですが、日本人はそのエネルギーの約6割を糖質から摂取していると言われています。糖質の摂取量をコントロールすることで、健康的な身体を作りましょうというのが低糖質ダイエットの考え方です」

糖質を多く含む食品の代表格は、米飯、パン、麺類などのいわゆる主食。まずは、この主食の量を見直すことがポイントとなる。「低糖質食でダイエットをする場合、糖質の摂取量の目安は1日約130g、1食当たり40g」。目安の内訳は「主食で30g、その他の副菜や汁物などで10g」だという。実際の量で見ると「米飯なら半膳分で25.8g、ロールパンなら1個で18.7g、スパゲッティの乾麺なら40gで27.8g」というのが、それぞれの糖質量だ。しかし、「グラム数を気にしすぎるのはよくない」と植草氏。

「主食を抑えて、おかずをしっかり食べることを心がけてください。仮にパスタ自体は普段の半分の量でも、合わせる具材を工夫すれば満足することができます。また、ランチでパスタ、サラダ、パンのセットがあったら、糖質が重なるのでパンは減らそうとか、ちょっと気をつけるだけでも結果は現れます」

次に、実践編として低糖質食品の活用法も教えていただいた。

「基本的には、白いものより色味のあるものの方が糖質は低いです。精白米より玄米、食パンよりも全粒粉やライ麦を使ったパン、うどんや中華麺よりもそばを選ぶことで、糖質量は抑えられます。ほかにも果物ならパイナップルよりも、いちごやオレンジの方が低糖質なので、食品を置き換えることで、食後のデザートの楽しみを諦めなくてもすみますよ」

抗酸化作用を持つ食材でアンチエイジング

続いて「加齢に焦点を当てた究極の予防医学」とも言われるアンチエイジングについて。最近話題のアンチエイジングドックを紹介していただいた後に登場したのは「レインボーフードチェック」。参加者には食物を、赤・オレンジ・黄・緑・紫・白・黒の7つにグループ分けしたシートが配布され、昨日食べたものに印を付けていく。

「アンチエイジングのためには、老化の原因となる活性酸素を抑制する(=抗酸化作用を持つ)食材を毎日の食事に取り入れることが重要ですが、特定の食材だけを多く食べるのはNGです。チェックシートの色は、それぞれの栄養素の意味を表しています。例えば赤グループのトマトに含まれるリコピンや、紫グループのブルーベリーに含まれるアントシアニンなどいろいろな食材をバランスよく摂ることが大切です。毎日チェックするのは大変なので、食事の彩りを意識するだけでも十分に効果的です。」

今回、植草氏が特に抗酸化作用を持つ栄養素として取り上げたのは、ビタミンA・C・Eとフィトケミカルだ。

「ビタミンAを多く含むのはウナギや鶏レバー。また体内でビタミンAに変化するβ-

カロテンは人参などに豊富。ビタミンCはピーマンなどに多いが、熱に弱く、水に溶けやすいので、生で食べたり、ゆで汁も一緒に食べられる調理法がおすすめ。ビタミンEはカボチャや抹茶などに多いので、スイーツの選択にも応用が利くのが嬉しい。」

「ビタミンA・C・Eは、それ自体が酸化することで身体の中の活性酸素を除去する働きがあります。3つまとめて“ビタミンエース”と呼ばれ、相互にプラスに作用するので、ぜひ一緒に摂るように意識してみてください」

一方、あまり馴染みのないフィトケミカルは、「食物由来の化学物質の総称で、必須栄養素ではないが、病気の予防効果などが認められているもの」だ。「シャケやエビに含まれるアスタキサンチンなどのカロチノイドや、お茶のカテキンなどのポリフェノール」は一般的な認知度も高い。

ココナッツオイルのひみつに迫る

セミナー後半は現在人気沸騰中のココナッツオイルについてのレクチャー。
「ココナッツオイルとはココナッツミルクを遠心分離して抽出したもので、トランス脂肪酸がなく、中鎖脂肪酸が豊富、品質が低下しにくい、という3つの理由から身体によいと言われています」

マーガリンなどに多く含まれるトランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを高めるとされ、その使用を制限する国が増加している。「中鎖脂肪酸はその他の脂肪酸よりも肝臓で素早くエネルギーに変換されることが知られています」。加えて、「飽和脂肪酸であるココナッツオイルは、安定した構造のため、酸化しにくい」ので、糖が低下しにくく、賞味期限が長い。

ダイエットや便秘改善のほかに、アンチエイジングにも効果がある。また、免疫力アップやコレステロール値を下げるなどの健康面でもメリットが多い。

そんなココナッツオイルの1日の摂取目安量は大さじ2杯ほど。食生活への取り入れ方としては、「これまで使っていた料理油をチェンジするか、コーヒーや紅茶に入れたり、トーストに塗るなど、普段の料理にプラスする」のがおすすめだ。ここで、植草氏イチオシのバジルチキンサラダのレシピを披露。「ココナッツオイルでもみ込んで焼くだけで、ムネ肉がまるでモモ肉のようにふっくらジューシーになる」という言葉に食指を動かされ、熱心にメモを取る参加者の姿も散見された。さらに、クラッカーにマンゴージャムとココナッツオイルを合わせた1品を試食。トロピカルフルーツと相性抜群のココナッツオイルの風味を楽しんで、その魅力の一端に触れた。

最後は本日の内容を振り返りつつ、「キレイを作る食事法のポイント」をまとめて講義は終了。「キレイを作るのは毎日の食事です。ここで聞いたことを早速今日の夕飯から実践してみてください」と語る植草氏の輝くような笑顔が、どんな数字や専門用語よりも説得力のある、充実感いっぱいのセミナーとなった。

講師紹介

植草 真奈美(うえくさ まなみ)
植草 真奈美(うえくさ まなみ)
管理栄養士 / ヘルスフードカウンセラー
全国で料理教室を展開するABCクッキングスタジオでヘルスケア事業を推進する「ABC HEALTH LABO」に所属。管理栄養士、ヘルスフードカウンセラー1級の資格を持ち、食の面から「美容・健康」にアプローチできるレッスンやイベントの企画・運営のほか、食生活を診断するヘルスフードカウンセリングや妊活女性をサポートするプログラムの開発など、多岐にわたる業務を担当している