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イベントレポート

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2015年7月4日(土)14:00~16:00

Rikiya / 機内食ドットコム主宰

写真で見る世界の楽しき機内食&機内食工場潜入記

海外旅行の楽しみのひとつと言えば食事。その旅行の中で一番最初に食べるのが機内食ではないでしょうか?ワンプレートのエコノミークラスの機内食から、豪華絢爛なビジネスクラスやファーストクラスの機内食まで、世界のエアラインにはさまざまな機内食がある。機内食ドットコムを主宰するRikiya氏に世界の機内食を写真で紹介いただきながら、機内食が作られる工程や、機内食を食べることが出来るレストランなどをお話しいただいた。

機内食のトレンドは「健康志向」

機内食ドットコムのwebサイト開設は12年前の2003年。2015年7月現在で世界197の航空会社の約7,800フライト、2万2,000枚の写真を掲載しているアジア最大の機内食サイト『機内食・ドットコム』。今回のセミナーではその運営者であるRikiya氏が、文字どおり世界の機内食や、滅多に覗くことのできない機内食工場の内部、機内食を食べられるレストランやカフェなどを豊富な画像で紹介。最近の「機内食のトレンド」などについてもお話していただいた。

機内食と言えば、飛行機に乗ったときの最大の楽しみ。その機内食にも「トレンド」がある。では、その「トレンド」は今現在どうなっているのか。

「近頃のトレンドのひとつは健康志向です」

見せてくれたのはスイス航空のベジタリアンメニュー。日本から欧米などに行くときは機内で2回は機内食が出る。普通のメニューではどうしてもカロリーオーバーとなってしまうため、最近では各航空会社がこうした低カロリーの機内食に力を注いでいる。ANAやJALなど日本の航空会社ではまだ事前予約が必要だが、流れとしては「これからはサーブのときに“フィッシュorビーフ?”と訊くだけでなく、そこに“orベジタリアン?“と加えるようになっていくと思います」。もうひとつ注目したいのが「コラボ機内食」。こちらはハンバーガーチェーンや牛丼チェーン、3つ星レストランなどとのコラボレーションによる機内食。最近人気のLCC(ローコストキャリア)のピーチ航空では、大阪拠点の会社らしくお好み焼き店とのコラボ機内食を提供しているという。

次のトレンドは「フライングシェフ」。これは機内でシェフ本人から料理のサーブが受けられるというもの。さすがにファーストクラスやビジネスクラスのみのサービスだが、実際受けてみると「雰囲気的に盛りあがるし、料理がさらにおいしく感じられる」と好評。「日本に就航している路線だと、オーストリア航空の成田-ウィーン線やトルコ航空の成田-イスタンブール線で体験できます」

「最高峰」から「最低」まで、写真で見る世界の機内食

『機内食・ドットコム』は、Rikiya氏本人が撮影したものだけではなく、多くの人が投稿した写真からなっているサイトだ。その写真も「最近は撮り方が変わってきている」という。目立つのが、機内食と一緒にぬいぐるみなどを写した写真。最近はtwitterやFacebookの普及もあり、こうしたちょっと気のきいた写真を撮る人が増えてきている。そこには大事なぬいぐるみを家に置いておくのではなく、一緒に旅して思い出を残したいという持ち主の思いもあるという。

トレンドの紹介のあとは、画像で見る世界の機内食。まずはRikiya氏が「個人的にもっともおいしいと感じた機内食」だという大韓航空の「ビビンバ」。これは具材とごはんを自分で混ぜるという「世界でも珍しい自分で調理する機内食」でもある。次は「飛行機の上とは思えないほど素晴らしい」というエールフランス航空のバゲット。アリタリア航空のビジネスクラスは、前菜のマリネからパスタ、メインの子羊、フルーツのデザートまでさすがのイタリアンメニュー。前菜のかわりにフルーツから始まるのはタイ国際航空。次々に出てくる機内食は、各航空会社のお国柄がよく出ているものばかり。もちろん、中には「日本人には絶対無理」といったような不思議な味のものや、海外の権威ある調査会社や新聞社が「味もCAのサービスも世界最低」とランク付けした機内食もあったりする。

見るからに素晴らしいのは、機内でシャワーが浴びられるというエミレーツ航空のファーストクラスや、「コツコツためたマイルを全部投入して乗った」というルフトハンザ航空のファーストクラス。こうした世界最高峰のフライトでは「ドンペリニヨンや1本何万円もするワインが離陸前からどんどん開いていく」。シートには中身がお持ち帰り自由の冷蔵庫がついていたり、椅子とは別に羽毛布団のかかった睡眠用のベッドがあったりする。機内食はむろんフルコース。しかも「ファーストクラスになると洋食和食の区別がない」ので、洋食メニューとともに鮨などが食べられる。まさに一生に一度は味わってみたいフライトだ。ちなみに飛行機好きの間には「CAはドンペリで手を洗う」といった「都市伝説」があるというが、これは「真実」。一度開栓したものは税関の関係上到着地に持ち込むことはできないので捨てるしかない。

「そこで高級シャンパンは肌にいいという話を耳にした誰かが手を洗うようになって、それがCAの間に広まったという話です」

機内食工場では繊細な日本料理は「特別扱い」

セミナー後半では、最近はテロ対策などで一般の見学ができなくなっている機内食工場を紹介。Rikiya氏が取材で訪れた機内食工場は関西空港にあるJALの工場とドバイにあるエミレーツ航空の工場。どちらも工場内に入るには特殊な石鹸やエアシャワーなどで徹底して衛生チェックを受ける。広大な工場内はいくつもの部署に分かれていて、それぞれ専門のスタッフが配置されている。JALの工場で完全に独立しているのが「HALAL」と表示されたイスラム教徒用の機内食を作る部門。ここでは調理器具は持ち出し禁止。食器も他とは共用せずにあくまでもイスラム教徒専用としている。たとえ乗客の目には触れない部分でもしっかりと管理されていることがわかる。一方、エミレーツ航空の機内食工場で唯一特別扱いで個室をあてがわれているのが「和食」。繊細な日本料理は盛りつけなどに気を遣うので専用の調理室が設けられているのだという。

最後はソウルや台北、関西国際空港にある「機内ムード」が楽しめるカフェやレストラン。料理は機内食風で、座席は「エコノミー」や「ビジネス」などにクラス分け、スタッフがCA風の制服を着用したりといった店内は遊び心満点。とくに関西国際空港に発着する飛行機を見ながら食事ができる『レジェンド・オブ・コンコルド』は前述した機内食工場の直営レストランだけあって、正真正銘の機内食が味わえる。おすすめは事前予約が必要なファーストクラス、ビジネスクラスのメニュー。

「夢」は「世界一の機内食サイトを構築すること」というRikiya氏。現在、世界一であるサイトの掲載数は「7万食」と圧倒的。

「こっちは大きく出遅れているので、ぜひみなさんも機内食の写真を投稿してください」

講師紹介

Rikiya
Rikiya
機内食ドットコム主宰
1973年大阪生まれ。大学卒業後、旅行会社に就職。高校時代イギリスに留学したのをきっかけにヨーロッパの魅力にはまる。 2003年にブログを日本でいち早く採用し、数々の人気サイトを構築。年間2,000万PV以上を誇る人気ブロガーのひとりとして 数多くの新聞、雑誌、TVなどのメディアにも登場している。著書に『みんなの機内食』、『みんなの旅ごはん日記』(ともに翔泳社)など多数。世界最大級の機内食サイト「機内食ドットコム」主宰