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イベントレポート

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2015年8月21日(金) 午前の部10:00~12:00 / 午後の部13:30~15:30

小澤 学(おざわ まなぶ) / 株式会社フォトスタヂオコイズミ/写真部統括マネージャー/フォトグラファー

シャッターチャンスを逃さない!!
~実際に撮影しながらコツを掴もう~

「子どもの写真を撮りたいけど、動き回ってうまく撮れない」「風景の写真がいつも同じような雰囲気になってしまう」「最愛の子どもの記録写真を一番いい顔で残したい」。ミラーレス一眼やスマートフォンなどの機能強化で、気軽にキレイな写真が撮れるようにはなったものの、それでも素人の写真は素人。もっといい写真が撮れるようになれればと思う人も多いはず。今回は、難しいとされる子ども写真のエキスパート、「静岡伊勢丹写真室」のフォトグラファー小澤学氏をお招きし、プロっぽい写真が撮れるコツについてご教授いただいた。定員10名の少人数の開催のため、参加者自身に普段使いのカメラ(ミラーレス一眼、一眼レフ、スマートフォン)を持参してもらい、カメラの設定や使い方についてマンツーマンで指導を受けられるという充実した内容。お話の後は、実際に子どもの写真を撮影しながら、一人ひとりカメラの構え方や構図の捉え方などについてのアドバイスもいただいた。

光の捉え方次第で、写真の雰囲気ががらりと変わる

写真撮影において非常に重要なポイントの一つが「光」。撮りたい写真のテーマに合わせた「光」を見つけたり、作り出したりすることが大切だという。同じ撮影対象でも、光の当たり方で印象をがらりと変えることができる。写真を撮るときは、カメラを構えていきなりシャッターを押すのではなく、まずは光源と被写体の位置関係をよく確認してみよう。光の方向性を意識しながらカメラや被写体の位置をいろいろ動かしてみて、好みの位置関係を探していく。そうすることで撮りたい物が一番魅力的に見えるベストポジションに出会えるはずだ。

光には、主に「順光」「側光」「逆光」の3種類がある。

「順光」…正面からは影が見えにくく、背景との明暗がつきにくい写真になる。平面的な印象だが、一人ひとりの顔を均等に明るくしたい集合写真や、色をはっきり出したい花の写真など、記録写真に向いている。
「側光(サイド光)」…被写体の横、または斜めから光が当たっている状態。被写体の影が横に伸びて明るい部分と暗い部分の差が出るため、立体的に見え、雰囲気のある写真が撮りやすくなる。
「逆光」…光が後ろから当たっている状態。順光や側光に比べると、光を透過しやすい物(たとえばグラスに入った飲み物、花、サラダなど)は印象がかなり変わり、爽やかな透明感が演出される。

知識がない状態では「順光」を選んで撮影する人が多い。「順光」はのっぺりとした平坦な写真になりがち。「側光」「逆光」を使いこなせれば、写真の雰囲気に印象をプラスすることができる。たとえば「側光」の使い方。明るい窓辺に被写体を置き、被写体を少し斜めにした状態で写真を撮ってみよう。明暗ができ、被写体の雰囲気が上質なものへと変わるはず。

「逆光の状態では写真がうまく撮れない」という印象があるかもしれないが、「逆光」の性質を理解したうえであえて「逆光」を選択すると、想像以上におしゃれな写真を撮ることができる。被写体の表情がうまく映るスポットを探せれば、背景が白く飛び、きらきらした雰囲気に。結婚式の写真などではよく使われる技法のようだ。

写真学校時代、小澤氏は白い卵を写すという授業があったという。光の位置関係で、立体的になったり平面的になったりするので、光の使い方を学ぶにはベストな素材。自宅でぜひ試してみてはいかがだろうか。

撮りたい瞬間をイメージしてシャッターチャンスを逃さない

「光」を捉えるコツを理解したら、次に「シャッターチャンス」について考えよう。 まず、動きのある被写体を撮影する場合。運動会のかけっこで子どもがゴールテープを切る瞬間や、ペットが走る様子を撮るような場合、「起こる瞬間を予想して、連写して瞬間を捉える」のが重要だという。

次に、人のしぐさを撮影する場合。人物を撮る際、カメラを意識すると緊張して表情が硬かったり、動きが不自然になったりすることが多い。子ども相手であれば、よそを向かれてしまうことも少なくないはず。そんな時は「カメラを意識させないようにすることで、自然な表情やしぐさ」が撮れるという。大人が対象であればほかの人と話しているシーンを撮ったり、子どもであれば遊びに夢中になっていたりするところを撮影することで自然な表情が撮れる。カメラに目線が欲しいのであれば、その瞬間に「◯◯さん!」とふいに呼び掛けることで、目線ありのシャッターチャンスを得ることができる。この時もぜひ連写を活用しよう。

いずれの場合も「撮影しながら撮りたい写真をイメージすることで、その瞬間を逃さず撮ることができる」。写真撮影においては、ただ撮るだけではなく「どういう写真を撮りたいか」を考えることが非常に大切なポイントなのだそうだ。

カメラのアングルを変えるだけで迫力や広がりを出せる

最後に「カメラのアングル」についてお話をいただいた。

写真を撮る際、多くの人は自分の目線の高さで写真を撮るが、カメラを低く構えたり、高く構えたりするだけで写真は大きく変わる。

まずは「ローアングル(低い角度)」。カメラを低い位置に構えて撮ると、写真に奥行きや迫力が出る。たとえば、子どもの写真を同じ目線の高さで撮ると、子どもの世界間が出るし、花の写真を地面すれすれで構えて撮ると、いつもとは違うおもしろい写真が撮れる。 次に「ハイアングル(高い角度)」。カメラを被写体より高い角度で撮影すると、写真に広がりが出る。被写体に対して見下ろすように撮影することを「俯瞰(ふかん)」、真上から撮影することを「真俯瞰(まふかん)」という。俯瞰撮影は、平面的な写真になりがちだが、ケーキや料理などのデザインをしっかり残したい時などに活用されるのだという。

プロっぽい写真を撮るには、写真の「光」について理解したうえで、撮りたい写真をイメージし、シャッターチャンスを逃さないよう意識する。いつもより被写体に近づいたり、カメラを地面に置いて下から撮ってみたり、台の上に乗って上から撮ってみたりすると、いつもと違う写真が撮れるはず。これらに注意すれば、スマートフォンでも十分に素敵な写真が撮れるので、ぜひいろいろと試しながら撮影してみよう。

講師紹介

小澤 学(おざわ まなぶ)
小澤 学(おざわ まなぶ)
株式会社フォトスタヂオコイズミ/写真部統括マネージャー/フォトグラファー
1974年生まれ。1994年より写真館でフォトグラファーとして活動。2000年よりフォトスタヂオコイズミで「静岡浅間神社写真室」のフォトグラファーとして七五三を中心に年間1,000人以上の子どもを撮影。2013年より「エスパルスドリームプラザ」や「スタジオオリーヴ」にて【ママ・フォト写真教室】を開催。