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イベントレポート

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2015年9月8日(火)10:30~12:30

高橋 暁子(たかはし あきこ) / ITジャーナリスト

「未来を変える」ワークショップ付き-『ソーシャルメディアを武器にする10ヵ条』-

ソーシャルメディアで人生を変えて、自分の夢を実現している人が増えてきている。自身もソーシャルメディアで人生を変えて『ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条』(マイナビ新書)を出版した高橋氏に実際に行なってきたソーシャルメディアを活用した行動指針を分かりやすくお話しいただいた。自分の中にある専門性の見つけ方、周囲を巻き込むアウトプット方法、チャンスを逃さない準備方法、協力し合える仲間を見つける方法、そして「伝える力」や「聞く力」を身に付ける方法。これらを身に付けると最終的にはビジネスを成功に導くための方法が見えてくる。今回は未来を変えるためのソーシャルメディア・アプリ「Fture.me」を使ったワークショップを開催。未来の自分と約束をすることで、未来を現実に変えるきっかけとなった。

「専門性」をかけあわせて「自分のエッジを立てる」

1年前にも講師として登壇してくださった高橋暁子氏。今回のセミナーも前回同様、徳本昌大氏との共著である『ソーシャルメディアを武器にする10ヵ条』を軸に、元小学校教師であった自分がいかにしてITジャーナリストになったのか、その実体験とソーシャルメディアの活用法について話していただいた。
現在はITジャーナリストとして著書の執筆や講演活動、テレビや雑誌などのメディアへの出演で活躍中の高橋氏。一見、恵まれているように見える人生も本人によると「全然そんなことはない」という。教員を退職後、前身であるフリーランスライターとなったのは20代も終わり。その後、著者となったのは30代という遅いデビューだった。
「経験も実績も伝手もコネもなし、歳も若くない。おまけに子どもも生まれたので時間もない。それでも何とかここまでこられたのはソーシャルメディアのおかげでした」
『ソーシャルメディアを武器にする10ヵ条』の第一条は「専門家たれ」。ライターデビューした当時、実績のない高橋氏は、「安さ」「速さ」で売ることの限界を感じた。ほしかったのは書き手としての「専門性」。何とか自分の専門性を見つけたいと思っていたときに出会ったのがソーシャルメディアのmixi。そこで知り合った仲間から「マイミクだけで本を出すので書かないか」と言われたことが飛躍のきっかけだった。締め切りまで1週間といったきつい条件だったが「著者になれる」という言葉に「やる」と即答した。これでまず「ソーシャルメディア」という専門性を獲得。とはいえソーシャルメディアに詳しいライターだけでは武器として弱い。もうひとつ武器となる専門性がほしい。それを模索していたときに知り合いの編集者に言われたのは「元小学校教員という肩書をもっとウリにした方がいい」というアドバイスだった。
「例えばアップル製品に詳しくて、さらに教育にも詳しければ〈アップル製品を教育に生かす〉といった展開が可能ですよね」
現在では10代の子どもたちを取り巻くネット上のトラブルなどについて発言を求められる立場となっている高橋氏。そうなったのも「ソーシャルメディアに教育という専門性をプラスすることでエッジが立ったから」だという。大切なのは「自分の中にある要素を因数分解して少しでも差異化できるものをさがす」こと。自分のケースでは「元教員」の肩書がそれだった。

ブログを書いてSEOを増やす

第二条は「アウトプットで自分もまわりも巻き込む」。Facebookなどで「どんどん自分のやりたいことを言っていく」ことで、読んでいる人にそれを思い出してもらえたり、チャンスが巡ってきたり、自分自身に対しても「宣言」をすることで「やらなきゃ感」が強まったりする。もちろん、その「宣言」や「発言」は「SEO(検索エンジン最適化)」を増やすことでできるだけ多くの人に知ってもらった方がいい。そこで「いちばん簡単」でおすすめなのが「ブログを書く」ことだ。日本の検索エンジンの90パーセント以上を占めるのはグーグル。いまや何かを調べたり、その道の専門家を見つけるにはネットによる検索が欠かせない。逆に言えば「専門家」として「エッジを立てる」にはグーグルの検索で自分の名前が上位に挙がるようにすればいい。その手段としていちばん役立つのがブログ。それも「毎日ひたすら書いて情報発信する」。グーグルが重視するのはテキストの量と更新の頻度。まずは何について書くか、自分の専門性を吟味して「自分はこれに興味がある」というフラグを立てる。そして「せっせと書く」。高橋氏もこれを実践していくうちにSEOが増え、自分を見つけてくれた相手から仕事や取材の依頼がくるようになった。
第三条は「手を挙げる準備をしておく」。
前述したように「mixiの本を出さないか」と言われたとき、高橋氏は迷わずに「やる」と答えた。この即答がなければ「今の自分はなかった」という。
「よく言われるように幸運の神様には前髪しかないんですね。チャンスは来た瞬間にバッとつかまないとどこかに行ってしまうんです」
第四条は「緩い絆のコミュニティを作る」。「自分の人生を変えるチャンス」というのは家族や親友や恋人などの普段つきあっている人たちよりも「ほんのちょっとしか縁のないような人」がもたらすことが圧倒的に多い。そのためにもFacebookなどのソーシャルメディアで「緩い絆」を作っておくことが大切だ。

自分の「レア度」を高めれば市場価値も高まる

第五条は「ソーシャルで出会い、つながり、リアルで会う」。ソーシャルメディアというのは「あくまでもリアルの補完ツール」。ソーシャルメディアは次にその人と会うときのためにお互いを知っておく情報交換の場として活用する。そうすることでリアルで会ったときの話がより深まるというわけだ。
第六条は「即レス、即アクションを心がけよ」。高橋氏が『ソーシャルメディアを武器にする10ヵ条』を出すことになったのは知り合ったばかりの徳本氏の「今すぐ企画についての話をしましょう」という一言から。すぐにFacebookのグループが作られ、プロジェクトは1年後に形になった。
第七条は「Give&Give 貢献こそがソーシャルメディア」。ネットの世界は「誰かに人を紹介したり、宣伝してあげたり、無料で情報を発信する」ことが大事。人間には「返報性の心理」がある。「Give」をつづけていればやがてそれはチャンスとなって返ってくる。
第八条は「仲間を見つけて協力し合う」。同じようなモチベーションを持っている仲間がいれば夢や目標も「実現への敷居が低くなる」もの。第九条は「伝える力と聞く力をソーシャルリアルで鍛えよ!」。ブログで言うならば文章は「平易でわかりやすく」書くことだ。そして第十条は「プラットフォーム(基盤)を作る」。高橋氏の場合は初期はブログを、現在はウェブ上での連載記事などをプラットフォームとし、そこから情報発信をして活躍の場を広げている。
「自分のレア度を高めると市場価値も高まります。みなさんもぜひブログをプラットフォームにアクションを起こしてみてください」
セミナーの後半は日本ユニシスが開発したソーシャルメディア・アプリ「Fture.me」を使ってのワークショップ。参加者には「期限付きの目標」をアプリに投稿してもらった。
高橋氏自身の「夢」は「さらなる情報リテラシーのプロになる」ことと「子どもをしっかり育てること」。
「教える仕事もおもしろいので、また別の場でやってみたいと思っています」

講師紹介

高橋 暁子(たかはし あきこ)
高橋 暁子(たかはし あきこ)
ITジャーナリスト
元小学校教員であり、SNSなどのウェブサービスや子どもの携帯電話利用に関する情報モラル教育やネット規制に精通。現在は書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆のほか、講演、セミナー等も手がけている。主な著書に「Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本」(日本実業出版 社)、「ソーシャルメディア中毒」(幻冬舎)等がある。