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イベントレポート

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2015年9月15日(火)19:00~21:00

堀之内 夕子(ほりうのち ゆうこ) / 香司&お香セラピスト

あなたを輝かせる雅な香スタイル
~天然100%良質素材でつくる自分だけの日本の香り~

嗅覚、味覚、視覚など五感で〈香〉を味わい明日からの自分自身を変えてみる。僅かな香りでも感じ取れる日本人の優れた感性。和の香り、日本人のこころを感じながら内面をクリアにして自分を愛し、輝かせる香りの秘法とも言える使い方を楽しくわかりやすくお話しいただいた。

心身を健康にしてくれるお香

講師の堀之内夕子氏は鹿児島を拠点に活動中のお香セラピスト。イタリアンや中華、ローフードのシェフと、食とお香のコラボをするなどお香で美しく幸せになることを文化や歴史などを交えながら、新しい観点でお伝えしている。
お香の文化というと「京都」や「江戸」といったイメージを持ちがちだが、歴史を遡ると日本における発祥地は、実は鹿児島(薩摩)の枕崎だという説もある。
「奈良時代に唐からお香を日本にもたらしたのは鑑真和上。枕崎に流れ着いた鑑真和上は漢方薬や宗教儀式に使うためとして、お香を運んできました。そして京都にあがり、広がっていったんですね」
外国では「ジャパニーズアロマ」と表現されるお香は、実はどれも外国の香木が原料。それを日本人は長い歴史の中で自らの生活に融合させ「日本の文化」としてきた。そんなふうに日本人に親しまれてきた「お香」には大きく2つのイメージがある。ひとつは故人を偲ぶときの想いをともなうという線香の香り。もうひとつはいい香りを嗅いだときに感じる「雅」なイメージ。今回のセミナーでは後者に重点を当て、「香りづくり」のワークショップを交えながら、アンチエイジング効果など心身を健康にしてくれるお香について学んだ。
香木からとれるお香には、白檀(びゃくだん)や龍脳(りゅうのう)、丁子(ちょうじ)、桂皮(けいひ)、山奈(さんな)、安息香(あんそくこう)、乳香(にゅうこう)、沈香(じんこう)など、さまざまなものがある。ポピュラーなのは白檀や沈香。ただしその中でも最高級品とされるインドの老山白檀などは政府の規制もあって入手が困難になっている。沈香も100本に1本しか香にならないという貴重なものだ。こうした香木を歴史上とくに愛したのが徳川家康。稀少な香木である伽羅(きゃら)などは足利義政や織田信長なども好んだというが、家康の場合は自らの手で香を仕込み、それを焚いたり漢方薬にして自身の健康に役立てていた。半年に1回ほどの香木の購入費用は現在の貨幣単位で言うと約2億円と言われている。その家康を祀る日光東照宮にはお香が沢山納められている。
「お香の力を知っていた家康は、幕府が未来永劫栄えるようにとお香を仕込んだんでしょうね」

選んだお香は「今の自分に必要なエネルギー」

嗅ぐことで心を落ち着かせ、また香りを身につけることで自分の表現力や暗示力をアップさせてくれるお香。こうしたお香には以下のような「十徳」があるという。

『香十徳』
一、感覚鬼神 感は鬼神に格(いた)る
二、清浄心身 心身を清浄にする
三、能除汚穢 よく汚穢(おわい)を除く
四、能覚睡眠 よく睡眠を覚ます
五、静中成友 静中に友となる
六、塵裏偸閑 塵裏に閑(ひま)を盗む
七、多而不厭 多くして厭(いと)わず
八、寡而為足 少なくて足れりとす
九、久蔵不朽 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず
十、常用無障 常に用いて障(さわり)無し

この「香十徳」のうち、とりわけ日本人らしさが表れているとするのは七、八。七の「多而不厭」は「いろんなものを受け入れる優しさ」を、八の「寡而為足」は「譲りあい」の気持ちが表され、そして、十の「常用無障」は「常に用いて障り無し、大丈夫」とお香の良さを表わしている。
セミナー後半では堀之内氏が用意した十数種類のお香から参加者が好きなものをチョイス。まずはそれぞれのお香の匂いに触れてもらい、シェーカーやスプーンを使って「自分だけの匂い」をつくってもらった。
お香の匂いは「強烈な香り」もあれば「甘い香り」、「塩っぽい香り」、「爽やかな香り」など多種多彩。人によってはそれが好きだったり、拒絶反応を示したりもする。もし嫌だと感じても、それは「好きでなくても野菜はからだに必要」なのと同じで、「今の自分に必要なエネルギー」であったりする。たとえば「龍脳」の場合は「決断力」。
「龍脳を選ばれた方は、胸に熱い思いを秘めている。でもまだそれを形に表わしていない。もしその香りが嫌だと感じたら、それは逆に自分に必要だと思ってください。嫌な匂いも1か月も経てば嫌でなくなります。それは脳が変わっているということです」

お香の持っている「運」で運気を変える

お香の匂いを嗅ぐときの基本は目を閉じること。そうすることで「感覚が鋭くなる」。お香はそれ単体だと匂いがきついので、ファーストコンタクトは胸元の辺りに持ってきて「ふっ」と吸うこと。そして自分の服や間接の匂いを嗅いで「鼻をリセット」したら、今度は口も開けて鼻と口の両方から匂いを含んでみる。そうしてお香に馴染んだところで、この日はあらかじめ堀之内氏が「みなさんの運気を高めるために」と調香しておいてくれたお香に自分が選んだ香材を一つ合わせてシェーカーを振ってみた。できあがった匂い袋はもちろん自分だけのオリジナル。そして、なにげなく選んだお香にはそれぞれ「持っているエネルギー」があるという。
「金運を上げたければ白檀や丁子を、新しいことを始めたい、あるいは悪い習慣をやめたいと願っているのなら龍脳を、喉が弱いという方は排草香(はいそうこう)、ダイエット中なら木香(もっこう)、胃が弱いという方は山奈を選ぶといいと言われています」
零陵香(れいりょうこう)は「カレーの原料」。大茴香(だいういきょう)は「抗インフルエンザ薬のタミフルの原料」。薬としてのタミフルは副作用に問題があると言われているが、大茴香自体は化学物質などを混ぜていないので身にまとっても安全。こんなふうにいろいろな効果が期待できるお香は「運気」を変えたいときなどに焚いたり身にまとったりするといい。
「楊貴妃は自らの香りや体臭をよりきれいにするために、お香を口に入れたりしてえも言われぬ香りを自分のものとしていたといいます」
人間は簡単には変われないが、お香を焚くことなら簡単にできる。そして「今日つくった香りは明日は違う香りがする」。それは「明日のあなたは変われますよ」ということを意味している。
堀之内氏の「夢」は「みなさんが心底、自分自身を愛し、幸せだと思って生きる世界をお香でつくる」こと。
「世界にお香を広めたいですね」

講師紹介

堀之内 夕子(ほりうのち ゆうこ)
堀之内 夕子(ほりうのち ゆうこ)
香司&お香セラピスト
資生堂エステティックアカデミーで学び、資生堂プロフェッショナル株式会社カリタ部門(現在ロレアル)入社。退社後、美は食から始まるをモットーに美容家として活動する。その後、美創香家(日本の伝統的なお香づくりに新しいメソッドを取り入れて総合した世界初の香家、お香の神髄をお伝えするJAPANお香エッセンス協会)家元如月香未氏に師事し、日本ではまだ3名しかいない美創香家香司のうちの1人となる。現在、「美創香家 香司 香と話~ことは~」と称し、その方の生年月日や体調、願いなどから導くオリジナル香の提案と、心身ともに美しく暮らすための提案「ビューティフルLIFEアドバイス」「脳改革自己実現力UPセッション」を行なっている。また、JAPANお香セラピーインストラクターとして、お香セラピーおよびKISARAGI香エッセンスインストラクター養成講座を開始。2015年9月より美創香家特別香司に。資生堂advanceコース修了。資生堂ビューティーアドバイザー21取得。