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イベントレポート

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2015年11月22日(日)午前の部 10:30~12:00、午後の部 14:00~15:30

大久保 麻里子(おおくぼ まりこ) / (公社)日本アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター、アロマセラピスト

秋のフラワーアレンジとアロマテラピーの世界

晩秋の季節、冬の寒さに備えココロとカラダはエネルギーの蓄えを必要とする時期。今の自分のココロの状態を、お花やグリーンなどの植物をレイアウトすることで知り、気持ちを高めるサポートをするアロマづくりに挑戦した。

フラワーアレンジメントで“あるがままの自分”を知る

20世紀初期にフランスで体系づけられ、イギリスで発展したアロマテラピー。植物から抽出したエッセンスの香りによる癒しの効果を利用した療法で、今では幅広くマッサージやトリートメント、リラクゼーションなどに応用されている。今回は、アロマテラピーインストラクター、アロマセラピストとして活躍している大久保氏を講師に迎え、アロマテラピーだけでなく、フラワーアレンジメントも併せて楽しむセミナーを開催。

「アロマオイルだけでなく、実際のお花を使って、植物と馴染むということを体験していただきたくて企画しました。まずは、心身をほぐすところから始めていきましょう。今、この会場内には、ヒノキとラベンダーを混ぜた香りがまいてあります。緊張をとるために深呼吸を3回…。では、ご自身の夢に向き合う心理ワークを始めましょう」

最初に行なうのは、「植物を使ったアレンジメント感覚ワーク」。参加者一人ひとりの前に置かれた直径30cmほどのプレートに、5つの植物を、自分が「心地いい」と感じられるバランスで、寄せ植えのように配置していく。どの植物をどこに置いたかによって、“あるがままの自分”を知ろう、というワークである。用意された植物は、グリーン3種と、かわいらしい金魚草、華やかなビオラ。

「目の前のプレートを、ご自身の今の環境だと見立ててください。そして、5種類の花材から、ひとつを、自分自身と決め、プレートの中の、『心地いい』と思える場所に置いてみてください。真ん中がいい、という方もいれば、前の方がいいわ、という方もいると思います。ご自身の位置が決まったら、残りの花材を配置します。『これはお父さん、これは子供…』というふうに、それぞれの花材をご家族や仕事に見立てて、置いていってください。単純にデザインやバランスだけ見て配置してもいいですよ」

ぱっと決めて迷いなく並べていく人もいれば、途中で花材を変えてみたり、あちこち動かしては悩んでいる人も。大久保氏は「自分と仕事」をテーマに、「私の隣にはアロマのお仕事、そして周りには支えてくれている友人たちを…と考えて配置しました」とのこと。

参加者たちのアレンジメントが決まったところで、大久保氏から、「ここで現れた内容には、正しいとか間違っているといったことはありません」と前置きしたうえで、アレンジメントからわかるタイプを解説。

【どの花材を自分に見立てたか】
①大ぶりの花=姉御肌。大枠でものを見る意識を心がけているタイプ。
②細かい花材=縁の下の力持ち。繊細で気が利くタイプ。
③背の高いもの=俯瞰的。決断が早い。周囲との距離感を大切にするタイプ。
④背の低いもの=サポート的。忍耐強い。控えめなタイプ。
⑤葉もの=アーティスティック。個性を大切にするタイプ。など

【自分に見立てた花材をどこに配置したか】
①後方に配置=全体を俯瞰的に見ながら判断をする傾向。背の高い花材なら理想派、低めの花なら細やかで丁寧さを心がけている。
②前方に配置=好奇心があってワクワクを楽しむ。先頭を行くフロンティア精神を大切にする。周囲より先に情報を得て、それを伝えていく役割も。
③サイドに配置=仲介的な役割を好む、または担うことが多い。サポート、補佐のポジション。調和的感覚に優れている。
④中心に配置=姉御タイプ。全体を俯瞰して見守るタイプ。本人は個性的、独立性を保ちながら、周囲の調和を見守る。 など

そこに、「白=高貴、無垢」「紫=高貴、神秘、バランス力」「ピンク=愛情、思いやり、甘えたい」「黄=知性、陽気さ、笑い」「緑=穏やかさ、生命力」といった、花材の色彩が持つ意味をプラスして、フラワーアレンジメントから“あるがままの自分”を読み解いていく。

「あ、先頭を行くタイプなんですね」「実は後ろで家族を見守っていたみたい」と、互いのアレンジメントを見て談笑する参加者も。

「大事なことは、今の自分自身の状態を把握すること。あるがままを知れば、脳が整理されて落ち着き、心地よくいられます」

3種類のブレンドから好きな香りをチョイス

第2部は、アロマテラピーの世界を体験。大久保氏があらかじめ用意した3種類のブレンドから、好きな香りを選んで、アロマスプレーを作る。

ペパーミント、ティーツリー、ライム、ラベンダーなどをブレンドした「ハーブ+シトラス系」は、リフレッシュしたい時に。

オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ユーカリなどをブレンドした「シトラス系」は、元気を出したいときに。

ヒノキ、ジュニパー、サイプレス、ティーツリーなどをブレンドした「ウッド系」は、リラックスしたいときに。

参加者は順番にサンプルの香りを比べて、好みのものをひとつ決める。用意されたスプレーボトルにオイルを数滴入れ、エタノールと精製水を足せば、アロマスプレーの完成だ。試しにシュッシュッ、と空間に吹きかけてみる。d-labo内にアロマの心地よい香りが広がっていく。今回は「ウッド系」が特に人気だった。

「今日作ったものは、ルームスプレーとして楽しんでください。香りに飽きたら、ティッシュペーパーにしみ込ませて掃除機に入れたり、お風呂に入れたりして、1か月程度を目安に早めに使い切ってください」

植物がくれる癒しの力を伝えていきたい

8年前、アロマの世界に入るまでは、会社勤めで激務の日々を過ごしていたという大久保氏。会社のビルの入り口に植えられていたラベンダーの香りに癒され、毎日をなんとか乗り切っていた。アロマテラピーに出会ってからは、日々のちょっとした心身の波は、自分で回復できるようになったのだそうだ。

「香りを感じる鼻は、理性を介さずに、直感的な感情や記憶の保存に関わる大脳辺縁系という脳の部位に、直接情報を伝達する感覚器なんです。心地いいと感じた香りは、直接脳にインプットされるので、心身によい影響を与えてくれます」

高齢者向けにアロマテラピーを行なうことも多い大久保氏は、「健やかであれば、何にでもチャレンジできる。皆さんが健やかでいられるように、サポートしていきたい」と語る。夢は「自然療法を広めること。みんなで里山へ行って、植物と触れ合うような活動ができれば」。

アロマスプレーのお土産を手に、植物の癒しを堪能したセミナーとなった。

講師紹介

大久保 麻里子(おおくぼ まりこ)
大久保 麻里子(おおくぼ まりこ)
(公社)日本アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター、アロマセラピスト
職場の植え込みに咲いたラベンダーの香りをきっかけに、自然療法を学ぶ道へ。高齢者向けアロマテラピーの第一人者、西村真理子氏に師事。高齢者施設などでアロマボランティアとして活動する。「自然環境と体と心」の連動性に着目、心理ワークとボディワークを学び、日常での自然療法の使い方や自然との繋がり方などを講座で伝えている。