結婚や出産を機に社会と離れてしまうことが多い「ママ」たちにも、家庭や育児、介護を大切にしながら、社会の中で活躍し続けてほしい——。そんな思いで、様々な活動を行なっている「全日本ママ起業家連合会」（以下、ママレン）。今回はd-laboとのコラボ企画として、d-laboスペースが特設ギャラリーに。湘南地区で活動するママ起業家による作品を賑やかに展示するとともに、たくさんの方に体験していただこうと、2日間にわたるワークショップを開催した。

1日目となった14日は、5店が出店。

■「カリグラフィー文字入りエコバック作り」
店舗名：ワンダフルメモリーズ
カリグラフィーとは、アルファベットの飾り文字を書く西洋書道のこと。専用のペンを使って、名前やメッセージを書いていく。カードや、結婚式のウェルカムボードなど、暮らしの中のさまざまなシーンで活用できる、人気の高いスキルだ。今回は、横浜と鎌倉でカリグラフィーの教室「ワンダフルメモリーズ」を開催する山本氏が、エコバッグに参加者の希望する文字を書き、その周囲に、今度は参加者自身が様々な柄のスタンプを使ってデコレーションするというワークショップを行なった。
「日本語で書くと気恥ずかしいメッセージ性の高い言葉も、アルファベットで書けば、素敵なインテリアに（笑）。カリグラフィーはペン1本あればできるので、小さな子供がいても楽しめるのもポイントです。私もこのまま教室を続けて行って、60歳くらいになったときに、たくさんの生徒さんをもっているのが夢ですね」

■「カラーセラピーor数秘学」
店舗名：カラーサロン＆スクールふわふわ
カラーコンサルタント、色育インストラクター、チャイルドボディセラピストなど、色と子供に関するさまざまな資格をもつ安間氏は、横浜で「カラーサロン＆スクールふわふわ」を主宰。今回は、14本のカラーボトルを使って、気になる色をピックアップしていくことで心を整理していく「カラーセラピー」と、生年月日と名前から持って生まれた資質や使命を導き出す「数秘学」の、どちらかを選んで体験できる。
「ママ起業は、母親が仕事をする姿を子供たちに見せられるという意味でも、いいことだと思います。ママも頑張っているよ、こういう働き方もあるんだよ、ということを、子供たちに伝えることができるのが嬉しい」

■「ハーブボール入浴剤作り」
店舗名：Salon de FoQL
心身のバランスを整え、活力に満たされた生活をサポートするメディカルハーブについて学ぶアトリエ「Salon de FoQL」。風邪対策や偏頭痛、更年期障害などに効果が期待できるメディカルハーブティーブレンドや、入浴剤、軟膏、スプレー、美容液、育毛トニックなどを、体調や体質、好みに合わせて作ることができる。今回は、保温・リラックス効果に優れたハーブボール入浴剤作りに挑戦した。ローズマリー、ローズゼラニウムに、欧米では肌にいいとされ入浴剤としても使われているオートミールを加えて、ガーゼで包み、麻ひもでギュッとしばって完成。
講師を務めた宮丸氏は、第一子を妊娠中にリネンのWebショップを立ち上げ、第二子妊娠中にはハーブを学んだ、エネルギッシュなママ起業家。「ママ起業家同士の繋がりから、新しい商品が生まれることもあります。これからも、ママならではの発想でビジネスを展開していきたい」

■「ハンドケア」
店舗名：PIKAKE
未就学児を含め3人のお子さんを持つ横須氏は、もともとエステティックの仕事をしていたことから、自宅で炭酸ミストのフェイシャルサロンを開業。今回は、気軽に体験できるハンドケアを提供。肘から指先まで丁寧にマッサージしてもらい、参加者も心地いい時間を過ごしていた。
「子供がまだ小さいので、できる範囲でやっています。自宅以外にも、イベントへの出店や、出張もお受けしています。耳ツボとのコラボメニューなど、他のママ起業家たちと一緒に活動することができるのも、楽しさのひとつです」

■「耳ツボ」
店舗名：Nalu（耳ツボ＆アロマ）
耳ツボ＆アロマ「Nalu」を主宰する根上氏は、昨年10月にd-labo湘南で「セルフ耳ツボ講座」と題してセミナーを開催。ママレンの茅ヶ崎アンバサダーとしての活動も行なっていることから、「ほかのママ起業家たちのこともぜひ知ってほしい」と、今回の「d-labo湘南×ママレン Happy New Year Festa」を企画、実現させた。この日は、取りまとめ役であると同時に、ひとりの起業家として参加。耳ツボ（スワロフスキー2粒付き）とヘッドマッサージを提供していただいた。

2日目は日曜日の開催とあって、子供たちもたくさん会場を訪れていた。

■「ミニチュア苺タルト作り」
店舗名：スイーツデコ教室　Milky spot
粘土を使ってミニチュアのタルトやアイスクリームなどのスイーツ模型を作る「スイーツデコ教室　Milky spot」。主宰の阪本氏は、会社勤務をしながら起業し、現在もダブルワークをしている。今回のワークショップでは、粘土型を使用して直径2cm程の苺タルトを制作し、マグネットやストラップに加工。極小なのに、すごくリアルなことに驚く。
「粘土をこね、作品作りに集中することで、『達成感を味わえた』とか、『日々のストレスから解放された』と言っていただいた時に、とても嬉しく、やりがいを感じます。子育て中のママや介護をしている人は、自分の時間がなかなかとれません。少しでもそのストレス解消のお手伝いができれば、と思っています」

■「アロマミルククリーム作り」
店舗名：Peeka boo
手作り石鹸教室を開催している城山氏。自身とお子さんの肌トラブルに悩まされ、さまざまなことを試した結果、自然派石けんに辿り着いたという。今回は、保湿クリーム作りをレクチャー。材料は、オレイン酸を含むツバキオイルと、精製水、乳化ワックス、そこに好みの精油を加えるだけ。紙コップの中でかき混ぜると、とろりとしたクリーム状になるのが、科学の実験のようで面白い。
「子供の肌トラブルに悩むお母さんたちが集まって、共感できる場になれば、とも思っています。私のところで石鹸作りを学んだ方が、ご自身でも教室を始めたりと、輪が広がっていくことにも喜びを感じています」

■「純銀スターダストピアス作り」
店舗名：FABBRICA OSAWA
同じくジュエリーデザイナーの夫とともに、辻堂東海岸でジュエリー教室を営む大澤氏。今回のワークショップでは、オリジナルのジュエリー制作を気軽に体験してほしいと、短い時間で完成できるピアス作りをレクチャーしていただいた。小さなハンマーのようなタガネを使って、シルバーのパーツにスターダスト模様をアレンジ。細かくタガネを打つことで、光がキラキラ反射し、シンプルながらもさりげない存在感を放つ世界でひとつのピアスが出来上がっていく。
「教室では、1回でチャームが作れるキッズクラスから、本格的にジュエリー作りを学びたいという方のための上級コースまで、さまざまな講座を設けています。子育てをしながらジュエリーデザインの仕事をすることには、ペース配分の難しさを感じることもありますが、多くの方にジュエリー作りの楽しさを知っていただければ嬉しいですね」

■「プリザーブドフラワー」
店舗名：Lino rino
生花のように鮮やかで瑞々しい、人気のプリザーブドフラワー。福村氏は日本花文化普及協会・プリザーブドフラワー認定講師として、オーダーによるアレンジメント制作や、ワークショップの開催を行なっている。今回は、好きな花を選んで、クリアケースの中にアレンジメントを作ることに。色とりどりの花を使った、個性的なアレンジメント作品が次々と生まれていった。
「お子さん向けのワークショップでは、色育を取り入れることもあります。何げなく選んだ花であっても、実はその花の色は、そのときの自分が欲している色。そこから、心の声を聞き取ることができます。美しい花に触れながら、自分自身にも向き合う、そういう時間をつくることができれば」
福村氏は、小児ホスピス建設を目的とする認定特定非営利活動法人スマイルキッズの活動にも賛同。ママ起業家として、社会活動にも力を入れている。

■「ミニチョークアートボード作り」
店舗名：おさんぽあとりえ＊おえかきのたね
チョークアートとは、専用の黒板にオイルパステルをのせて、指を使ってくるくると色を混ぜながら描くアートワーク。塗り絵のような感覚で楽しめるので、「絵はあまり得意じゃなくて…」という人でも、驚くほど素敵な作品が作れる。「おさんぽあとりえ＊おえかきのたね」を主宰する墨遊ぶじゅん氏は、アートセラピスト、こどもアート療法士としても活動している。
「チョークアートは初めて、という方ばかりでしたが、皆さんとてもお上手で、今日一日だけで、何人ものチョークアーティストが誕生しました！　私は、絵画的な基礎知識をお教えしながら、『すきなことを すきなように すきなだけ』をモットーに、教室を展開しています。チョークアートは、手を使って黒板に直接描くので、セラピー効果も抜群なんですよ」

■「耳ツボ」
店舗名：Nalu（耳ツボ＆アロマ）
耳ツボ（スワロフスキー2粒付き）とヘッドマッサージを提供。耳を見て、少し触っただけで、「胃腸が悪いですね」「冷え性でしょう？」など、その人の身体の状態を次々と言い当てるNaluの根上氏。すぐに身体がポカポカしてくるほど即効性がある耳ツボマッサージに、体験者からは驚きの声が上がっていた。

2日間にわたって開催された「d-labo湘南×ママレン Happy New Year Festa」ワークショップ。多くの参加者が訪れ、大盛況で幕を閉じた。今回の企画をとりまとめた根上氏は、ママの起業について、「子供が大きくなって、手が離れたときに、孤独を感じるママは多い。そうならないためにも、子育て中から少しでも仕事をして、社会と関わり続けることは重要です。女性が経済的に自立していくことも大切ですよね」と語る。

ママレンでは、地元の女性起業家が集まる今回のようなフェスタの開催に力を入れているという。地域活性化と同時に、各ショップの存在を知ってもらうことで、次につながるきっかけ作りになれば、という目的がある。

女性ならではの目線と、しなやかな力強さで、それぞれの得意分野で輝くママ起業家たち。そのエネルギーとパワーがd-labo内に満ちあふれた、楽しいイベントとなった。