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イベントレポート

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2016年1月30日(土)14:00~16:00 / 2016年2月20日(土)14:00~16:00

渡部 亜矢(わたなべ あや) / 片づけ講師・(一社)実家片づけ整理協会代表理事

カンタン片づけ上手
~リバウンドを防ぐ整理術~

あふれる服や食器、本や書類など、何をどうやって片づけたらいいのかと悩んではいないだろうか?本セミナーは、快適に暮らせる空間づくりを目指して、初回の基礎編で誰でもカンタンにできる「片づけ」の基本について学び、次の実践編開催日までに、自宅で実際に片づけにチャレンジ。実践編では、片づけをして感じたことや、工夫したことなどを参加者でシェアしながら、リバウンドをしないコツを学んだ。実践編の最後には、講座修了書を授与!

基礎編(1月30日)
①キッチン・食器
②クローゼット・洋服
③本・書類
のテーマで片づけの基本について学び、各自、自宅の一部の片づけにチャレンジ!

実践編(2月20日)
片づけをした感想や学びを、before・after写真などを用いて参加者でシェア。
リバウンドしないコツを学んだ。

片づけはやる気8割!モノだけでなく人生を整理しよう

片づけ講師として活躍している渡部氏は、自身を「片づけが苦手」だと分析する参加者たちに向けて、開口一番、「片づけはやる気8割!今日ここに来た、というだけで、もう大丈夫だと思ってください」と太鼓判を押す。

「片づけは、“モノ”ではなく“人生”の整理です。片づけというと、収納グッズや収納技のことを連想しがちですが、今日は、片づけるための習慣・行動、つまり片づける癖を覚えて帰っていただきたいと思います。そうすれば、毎晩、寝る前に歯を磨くのと同じように、片づけをルーティンワークにでき、リバウンドしにくくなるはず」

モデルルームのような、すっきりとした部屋を目指そうとしても仕方がない。家の環境も、ライフスタイルも千差万別なのだから、その人ができる、続けられるやり方でないと意味がない、と渡部氏。「雑誌やテレビをお手本にせず、自分が生活する中で、何が本当に必要なのかを考える」ことが、片づけを成功させ、リバウンドを防ぐ鍵なのである。

今回は、参加者一人ひとりが実際に自宅で片づけに挑戦し、3週間後に再度d-laboに集まって、その成果を発表するという2部構成のセミナーとなっている。そこで、渡部氏は、「自己紹介を兼ねて片づけたいところを決めてみましょう」と提案しセミナーがスタート。

片づけは、まず、家にある膨大なモノを「いる」「いらない」に分けることから始まる。渡部氏はこれを、「3秒で判断してください」と言う。ただし、これが簡単なことではない。「いる」は一瞬で判断できる。「いらない」も、本当に必要のないものはすぐ捨てられる。しかし、その間の「今すぐはいらない。でもいつか必要になるかもしれない」「使わないけれど、思い出のあるモノ」といった、“グレーゾーン”にあたるモノが多いのである。

「3秒間悩んだら、一時保管扱いにして、いったんゴミ袋や箱に入れてください。片づけは、「いるかな、いらないかな」と悩んでいる時間が疲れるんです。そして、一時保管は、中身が見えない袋や箱に入れるのもポイント。半年後に、結局一度も使わなければ、中身を見ないで捨ててください」

片づけを始める前の準備も大切だ。

① 計画をたてる
いつ、どこを片づけるのか、日程とエリアを決める。15分~2時間で片づけることのできる小さな範囲を設定し、片づけスキルをだんだんと上げていくことが成功の秘訣。「引き出しひとつ、鉛筆立てひとつでもOK」

② ゴミ収集日を確認
「今は分別が大変なので、ゴミをため込んでしまう人も多いのですが、たとえば粗大ゴミを先に申込んでしまうなどすれば、それがプレッシャーになって片づけることができます」

③ 一時保管箱を置く場所と、動線の確保
一時保管箱は目に入らない場所に置く。

そして、実際に片づけるにあたって、約束が3つある。
① あれこれ考えず、やってみる
② 収納家具、グッズを買うのは片づけた後
③ 片づけは、センスではなく習慣だということを知る
「現代は、余計なモノを持たないという時代です、片づけも、収納も、モノのためではなく、人=自分のためという視点から、取り組んでみてください」

悩みをシェアすることでモチベーションアップ

ここから参加者は、片づけたい場所別に、「キッチン」と「書類・テーブルの上」の2テーブルに分かれて座り、具体的に片づけのポイントを学びながら、現状や意見をシェアしていくことに。

「キッチンは、健康に直結する場所ですので、片づけておきたいところ。日々使う道具が多いので、『いる』『いらない』の判断がつけやすく、初心者にもおすすめです。流し、カトラリー、冷蔵庫と、小さく区切られた場所からチャレンジしてください」

キッチンに比べて、書類や本、洋服は、片づけの難易度が上がるという。「いつか必要になるかも」「思い出があるから」という理由で、ついつい「いる」「いらない」の判断を先送りにしてしまいがちだからだ。

「書類や服は、“使ったら一定方向から戻す”ことを繰り返すうちに、使うモノ、使わないモノが自動的に仕分けでき、いらないモノがわかります。書類の分類には、ワンアクションでしまえるポケットフォルダーが便利です」

参加者からは、「キッチンカウンターの上が郵便物でいっぱい」「定位置にしているコタツの上にすべてのモノが置いてある」「ダイニングテーブルの上に、時系列にモノが積み重なっている」といった悩みが挙がる。

「郵便物は、玄関にゴミ箱を置いてそこで判断し、必要なモノ以外はリビングに持ち込まないという方法もあります。カゴなどを利用して“枠を決める”のも有効ですよ。私はワクワク大作戦と呼んでいます(笑)。カゴの中は整頓されていなくてもいいので、とにかくそこに入れておく。お客さまが来るときには、さっとフタをするだけでいい」

渡部氏がこれまでに扱ってきたさまざまなケースを写真で見ながら、具体的なアドバイスをいただく。

「片づけのことは、意外に、お友達や近所の人とは話しにくいもの。悩みをシェアするのは、片づけを促す外圧にもなるので、とてもよいことなんです」

次回セミナーまでに、片づける場所のビフォアー/アフターの写真を提出することを宿題にして、基礎編は終了。参加者たちは、お互いに悩みを共有することで、打ち解けた様子だった。

引き出し、キッチン、書類…片づけの成果を発表!

3週間後の実践編は、片づけた場所をシェアすることからスタート。

「引き出しを整理して探し物が見つかった」「人を招きたくなった」「家族に『ママあれどこにあるの?』と聞かれなくなりストレスが減った」「家族が笑顔になった」などなど、片づけ成功の報告と、喜びの声が続いた。

「片づけることで、自分が何をしたいのかということが見えてきたのではないかと思います。理想を口にするだけでも、心理的効果がありますし、こうしてみんなで悩みをシェアする場も必要です。何度も言いますが、片づけはやる気8割、技術2割。今回は、できなかったことではなく、実際に皆さんがやったことを評価しましょう」

渡部氏は、片づけリバウンドを防ぐには成功体験を増やすことが一番大事だという。
小さい範囲からチャレンジして、自己効力感、自己肯定感をもつことがポイントだそうだ。また、「探すのが面倒でまた買ってしまう」ということのないように、衣替えのいらないクローゼットを目指すと良いという。
片づけながら、本当に今必要なモノかと考えてみると、本当に必要なモノはそれほど多くないことがわかってくる。そのうえで、片づけで失敗したことではなく、成功体験を思い出し、目標を安心して言える仲間や場所を大切にすることを強調した。

いよいよ、参加者たちの片づけの成果をシェアする時間に。ビフォアー/アフターの写真を皆で見ながら、ひとりずつ発表していく。

「棚の整理をしました。いらないモノを捨てたり、並べ替えたりした結果、棚が1段空きました」
「シンク下の引き出しを片づけました。子供が小さい頃に使っていたプラスチックの水筒が出てきたので捨てました。今まで何年もこれをとっておいたのか、と思うと馬鹿馬鹿しくなりました」
「キッチン周りで、タッパーを片づけ、使いかけの調味料を捨てました」
「開封していない郵便物をすべて開封し、必要のないモノは捨てました」
「ごちゃごちゃといろんなモノが入っていた、薬入れのつもりの引き出しを片づけました。捨てられるモノは捨て、わかるように収納。虫除けがたくさん出てきて驚きました」
「コタツの上を片づけるために、引き出しをひとつ整理して、そこにモノを収納しました」

キッチンを片づけたある参加者は、「夫がDIYでぴったりサイズの棚を作ってくれた」と報告。「いいな~」「優しいご主人ですね!」と、うらやむ声が上がる。

渡部氏は、「家族が協力してくれて、家全体の雰囲気がよくなるのも、片づけの効果のひとつですね。『いる』『いらない』を判断したり、使いやすいように配置したりすることを何度も繰り返していくうちに、リバウンドしない片づけができるようになってきます」

「『いる』『いらない』」を3秒で判断、決められないものは一時保管へ」という片づけ方については、ほぼ全員が「一時保管にすることなく、ほとんどのモノを捨てることができた」とのことで、渡部氏も「ですよね!だからこそ、とにかく『やってみる』ということが大切なんです」とアドバイス。

最後は、全員に片づけ上手セミナー修了書を授与。

「今回は、皆さんとてもレベルが高かった!修了書は、この成功体験を思い出すきっかけにもなりますので、『リバウンドしそうだな』というときにぜひ眺めてください」

片づけの悩みを共有し、ともに克服した参加者たちの、晴れやかな表情が印象的だった。

講師紹介

渡部 亜矢(わたなべ あや)
渡部 亜矢(わたなべ あや)
片づけ講師・(一社)実家片づけ整理協会代表理事
藤沢市生まれ。銀行、出版社等に勤務後、片づけ上手塾エグゼカレッジ表参道校を共同で開校後、2016年一般社団法人実家片づけ整理協会を設立。実家片づけアドバイザー養成講座の開催や、出張片づけサービスの人材育成などに取り組んでいる。主な著書は「カツオが磯野家を片づける日~後悔しない『親の家』片づけ入門」(SB新書)、「プロが教える実家の片づけ」(ダイヤモンド社)。「『5つの法則』でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK」(光文社)。片づけをテーマにしたコラムも執筆中。