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イベントレポート

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2016年2月20(土)13:30~15:00

林田 香織(はやしだ かおり) / NPO法人ファザーリングジャパン理事

理想のパートナーってどんな人?
~将来のために知っておきたい大事なこと~

結婚前だからこそ知っておきたいパートナーシップやライフプランについて学んでみよう!会場には、結婚はまだ先だと思っている人、「そろそろかな...」と意識し始めた人など、思いおもいの将来を描く参加者が、各地から集まった。講師は日米両方での出産、子育て経験を活かし、ペアレンティング&パートナーシップアドバイザーとして活躍する林田香織氏。年間約1000人以上のパパ・ママの声を聴き、日本各地で講演を行なうベテラン講師がわかりやすく解説してくれた。
自分と相手が幸せだと感じられる結婚生活をおくるために、今から意識改革を始めよう。

人とは違って当たり前。価値観のすり合わせが大切。

自分にとって理想的なパートナーはどんな人だろう?上手にコミュニケーションを取るには?今回のセミナーは20代、30代の男女を対象に静岡市女性会館との共催にて開催された。講師はLogical Parenting LLP代表・林田香織氏。

前半は林田氏による男女のコミュニケーションにおけるポイントの講演、後半はワールドカフェと題し、参加者による実践トークタイムを楽しむという構成だ。
まずは、林田氏の自己紹介に合わせ、現在の家庭環境について伺った。

「私の夫は、鹿児島出身。いわゆる九州男児です。夫の父はスーパーの魚が食べられなくて、母が毎日、父のためだけに市場へ行って新鮮な魚を仕入れ、父のためだけのお刺身を用意していました。一方、我が家は母が早くに他界し、父が家事も担ってくれる部分が多かったです。」

林田氏の家庭では、食事の支度やその他の家事は「気付いたときに気付いた人がする」というのが暗黙の了解。仕事で疲れているとか、勉強が忙しいなどは関係なし。ところが、旦那の家庭では、「夫は仕事優先、子どもは勉強優先、母が家庭を守る」という考え方だったのだそう。

「どちらが正しいということではないのです。ただ、こんな2人がくっついたのですから、価値観が違いすぎて結婚当初は毎日バトルでした。」

この価値観の違いは、不思議なことに付き合っているときには気が付かなかったのだそう。

「結婚して16年になりますが、いまだにわかり合えないこともあります。でも、何度も話をするうちに“2人の価値観”が出来上がってくるのです。」

どちらか一方の価値観に合わせるのではなく、2人で価値観をすり合わせていくことで2人だけの新たな価値観が生まれてくる。そして、この価値観のすり合わせを続けていくと、夫婦間のみならず、人と付き合う楽しさがわかってくると林田氏は語る。
「ここで皆さんにテーブルごとに自己紹介をしていただきたいと思います。時間は1人1分。お話しするのは名前、住んでいるところ、興味のあること。もし、1分以内に話し終えても1分間は話し続けてください。話すことがなくて大変そうだな、と思ったら周りの方がいろいろ質問してあげてくださいね。」
今回、参加者は8人掛けのテーブルに向かい合って着席している。じゃんけんで順番を決めて、いざスタート。各テーブルを覗いてみると、意外と1分間は長く、早々に自己紹介が終了してしまう参加者も多いようだった。

「共通点がない人との会話って、盛り上がらなくて困りますよね。実は、コミュニケーションには、話す力より聞く力のほうが大切なのです。」

男女のコミュニケーションにおける傾向と対策

さて、本題の男女のコミュニケーションについてだが、以下のような特徴がある。

【男性に多い傾向】
・察しない
・1日につき7000~8000語で十分
・結論が欲しい
・気付けない
・全体を重視
・上下関係を重視

【女性に多い傾向】
・説明しない
・1日につき2万語話したい
・共感してほしい
・気付いてほしい
・個を重視
・横のつながりを重視

「どちらが“いい”、“悪い”ということはありません。男女には、このような違いがあるのだと知ることで、お互いの理解を深めることができます。」

では、コミュニケーションのポイントとは?
①「当たり前」なんてひとつもない。感謝と思いやりを意識しよう。
② 家庭内業務連絡は大事。雑談はもっと大事。
③「手伝おうか?」は地雷ワード。「任せるよ」もだめ。「一緒にやろう!」と意思を伝えよう。
④「気付いてほしい」はNG。きちんと言葉で伝えよう。
⑤ とにかく共感。結論、正論、アドバイスは不要。

「女性は、着地点のないおしゃべりをしがちですが、一方で男性は結論を求めます。ついやりがちな“ながら聴き”はやめましょう。目を見て「それで?」「大変だったね」と言ってください。また、「手伝おうか?」が地雷ワードである理由は、主体的でないから。たとえば、結婚式場選びを想像するとわかりやすいかもしれませんね。女性ばかりが張り切って、面倒になった男性がすべてを相手に任せてしまうのではなく、自分も一緒に参加する姿勢が大切です。また、共感は同感とは違います。結果や事実に賛成できなくても、相手に寄り添い、気持ちを理解することはできるのです。」
価値観は、人それぞれ違って当たり前。違うことは悪いことではない。どうして違うのか、相手の背景を知ろうとすること、2人の価値観を築くことが、より良い関係を築くことに繋がる。
「カギは“時間と折り合い”です。最初は、ちょっと価値観が違うかな、と思っても、一緒に過ごすことで折り合いを付けていくことができます。このことは、恋愛や結婚だけでなく、仕事場や学校における人間関係にも応用できます。

子供が憧れる笑顔の夫婦6ヶ条

ここで林田氏の提唱する「子供が憧れる笑顔の夫婦6ヶ条」を紹介しよう。

<子供が憧れる笑顔の夫婦6ヶ条>
【恋人でいよう!】
相手に感心と興味を持つ。デート、スキンシップ等2人の時間と空間を大切にする。
【個人でいよう!】
夫婦も他人。「違い」を楽しむ。お互いに1人の時間を持てるような配慮を。
【親友でいよう!】
お互いを認め合い、いいライバルとして高め合う。業務連絡だけではなく雑談も。
【戦友でいよう!】
人生のチャレンジを乗り越える。フォローし合う。無理なら外部にヘルプ要請。
【味方でいよう!】
相手が大変な時にサポートする。否定したり、評価を付けたりせずに、まずは話を聴く。
【相方でいよう!】
一緒に笑う。相手が笑顔かどうか確認する。2人の笑顔で子供達を笑顔にする。

「夫婦の感情は、年月を経て恋愛感情→愛情→愛着とシフトします。どの感情が一番大切、ということではなく、ライフステージによってそれぞれ大切にしていこう!と提案しています。」

そして「ワールドカフェ」の時間へ。ここでは、参加者が簡単な自己紹介をし、テーマを決めて自由にトークする。気を付けることは2点。他人の話に割り込まないこと、そして話す人は端的に。今回はしなかったが、通常は模造紙に色々と落書きしながら行なうのだそうだ。
「まず、カフェオーナーを決めてください。今回は、2ラウンド行ないますので、ラウンド毎に席替えをして、別のグループに移動します。カフェオーナーは席替えせず、前ラウンドの報告をしてください。」
ラウンド1のテーマは「仕事が大事?家庭が大事?どっちも大事?」
ラウンド2のテーマは「6ヶ条の内、特にどんな関係でいたい?どんな関係が理想?」

それぞれが自分の考えを述べ、ほかの人の話を聞き、理解を深めることができたようだ。

わかりやすい説明と爽やかな語り口調が魅力的な林田氏。最後に林田氏の夢について伺った。

「夫と熊本の久木野に土地を買って、自足自給の生活をするのが夢です。先日も、すぐに購入する予定などないのに“こんな家いいよねえ”なんて見に行ってきました。こんな風に夫婦の遊びの時間を楽しめたらいいな、と思います。」

40名近い参加者が集った今回のセミナー。帰り際「新しい発見があって良かった」との声も聞かれ、大満足のうちに無事終了した。 文・土屋 茉莉

講師紹介

林田 香織(はやしだ かおり)
林田 香織(はやしだ かおり)
NPO法人ファザーリングジャパン理事
日本各地の自治体、教育機関、NPO法人、企業などと連携し、パパ・ママスクールおよび、パートナーシップの講師として活動。受講者の声を受け止めつつ、受講者同士がお互いに交流することで高め合う「相互啓発型」の講座・講演を行なう。また、母親の社会復帰支援イベント等の企画運営、子育て支援の企画・運営、小中学生を中心とした子供の社会参画支援等を行なう。