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イベントレポート

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2016年4月23日(土)13:30~15:00

吉田 靖子(よしだ やすこ) /

折り紙でつくる「かぶと」~端午の節句のお祝いに~

「ORIGAMI」として、今や世界に通用する言葉として定着した「折り紙」。日本独自の文化として発達し、近年、「NASA」が折り紙にヒントを得たソーラーパネルを開発するなど、さまざまな分野への応用が広がっている。今回は、5月5日の「端午の節句」にちなみ、「かぶと」や「連鶴」の折り方を吉田靖子氏に教えていただいた。
端午の節句は、男の子の健やかな成長を願う日。五月人形や鯉のぼりを飾り、柏餅や粽(ちまき)をいただき、菖蒲(しょうぶ)・蓬(よもぎ)風呂に入ることで、立身出世の祈願、邪気を払う行事。今回のセミナーは、子どもから大人まで、老若男女問わず、多くの方に参加いただいた。用意した席数が足りず、急遽、テーブルを慌ただしくセットするなど、大盛況であった。

「五節句」の意味

「五節句」を知っているだろうか。
1月7日は、「人日(じんじつ)の節句」(七草の節句)。古代中国では、7日は人の日にあたり、七草粥を食べることで邪気を払い、一年の無病息災を祈る日。
3月3日は、「上巳(じょうし)の節句」(桃の節句)で、お雛さまを飾り、女の子の健やかな成長を願う日。
5月5日は、「端午の節句」(重五の節句、子どもの日)で、男の子の成長を願う日。
7月7日は、「七夕(たなばた、しちせき)」で、書や裁縫、学問の上達を願う日。七夕祭り、星祭りとして親しまれている。
そして、9月9日は、「重陽(ちょうよう)の節句」(菊の節句)で、菊を飾って鑑賞したり、菊酒、菊湯など、菊の香りで病(やまい)を避け、邪気払いをする日。これは、なじみがない人が多いかもしれない。これらを合わせて「五節句」と言い、一年の節目になる。中国の陰陽思想では、偶数は陰、奇数は陽の性質をもち、奇数が重なる日は陽の気が強すぎるため不吉となる。そのため、節目に邪気払いをし、健康を祈るようになったとされている。

吉田氏は、冒頭に五節句について簡単に解説。七草、雛祭り、端午の節句、七夕は、私たちもなじみがある行事だが、邪気払い、健康を願う日であることを知っている人は今となっては減りつつあるのではないだろうか。

折り紙の指導やボランティア活動を行なっている吉田氏は、自分の夢についても、次のように話してくださった。「いつまでもみなさまの健康を願いつつ、折り紙の折り方を伝えさせてもらいました。」季節行事を楽しみ、願いを込めながら季節の折り紙を折ることは、家族や自分の健康を願う、いい機会になるかもしれない。 今回は、「端午の節句」にちなみ、「かぶと」の折り方と、健康を祈る折り鶴を発展させた形の「連鶴」の折り方を教えてくださった。

「かぶと」の折り方

今回、セミナーで使用したのは、「300mm×310mm」で販売されている大きめサイズの千代紙。それを300mm四方になるよう、カットして使用した。紋は、今回は本からコピーしたものを使用したが、家紋がある場合は、それを使用するのもよさそうだ。

千代紙の模様、折り返しの幅、および紋は、人それぞれなので、同じ作り方の「かぶと」でも、一人ひとりで異なった趣になる。参加者は、完成した作品を満足そうに眺め感想を言い合う、お子さんの頭にかぶせて撮影する、持参した折り紙でもう一度折り方を確認しながら作り直すなど、個々のテーブルでセミナーの時間を楽しんでいた。

○材料:「300mm×300mm」程度の千代紙、江戸打紐(細)30cm×2本、紋をコピーしたもの
○道具:ボンド

1. まずは縦、横、斜めに折りすじをつける。
2. 縦半分に折る。
3. 最初につけた折りすじにそって、左右の端をそれぞれ三角形に折り込む。
4. 「2」で折った部分を、左右それぞれさらに半分に折り返す。ここで、折った部分にしっかり折りすじをつけるとよい。
5. 折り紙を軽く開き、中の部分が蛇腹になるように、内に折り込む。
6. 左の端部分の上の紙を三角形の頂点まで折り上げる。折り上げる際、上の部分にくる紙は、外側に開く。
7. 右側も左同様に折り開く。
8. 頂点に合わせた角を、左右それぞれ外側へ少し開き、折る。ここがかぶとの飾りになる。
9. 下の三角の部分を、上に折り上げる。
10. 「9」で折った部分を、さらに下へ折る。
11. 中に手を入れ、広げる。
12. 「11」で横に折り直し、折り畳む。
13. 一番下にくる部分を、表の紙だけ上に半分折り上げる。さらに、黒い線の部分を下へ折り、かぶとの飾りに沿うような角度で折り返す。
14. 裏も同様に折る。
15. 「14」の状態から中に手を入れ、開く。
16. 白い部分が見えなくなるよう、中へ折り込む。
17. 江戸打紐2本の片方の先を、双葉(ハート)の形に折り、ボンドで止める。
18. 「17」で作った紐と好きな紋を、かぶとにボンドで貼りつけて完成。

「連鶴」の折り方

「折り鶴」は、子どもの頃折った経験がある人が多いが、何十年も折っていなかったため、折り方を忘れてしまったという方もいた。
吉田氏が各テーブルを周りながら指導していったが、先に工程まで折り上がった人が、同じテーブル内の人をフォローするなど、参加者同士も交流を深めながら協力しあっていた。

○材料:折り紙1枚
○道具:ハサミ

1. 折り紙を縦半分に切ったものを用意する。横半分に折り、斜め、縦、横に折りすじをつける。横半分の折り目の中央まで、はさみで切り込みを入れる。
2. 切り込みが入った部分を左下になるように置き、写真の黒線の部分で半分に折り、三角形にする。
翼が繋がった連鶴を折るにはここがポイントとなる。折り紙の置き方や折る方向に注意する。
3. 「2」で三角形に折った状態から写真の状態まで通常の「折り鶴」を折る。折りすじを、一つひとつしっかりつけながら折っていくと、後の工程で鶴を成形しやすくなる。
4. 「3」の状態まで折った鶴を、「1」の状態まで開く。「1」~「3」の工程で折りすじが付き、連鶴のポイントである、折る方向に間違いがなくなる。
5. 折りすじを参考に、切り込みの左右それぞれを1枚の折り紙と見立て、「3」の状態まで鶴を折りなおす。それぞれが「3」の菱形になるまで折ると、左右で表にでてくる折り紙の面が分かれているのが分かる。
6. 「5」の状態から、左右それぞれ通常の「折り鶴」の続きを折っていく。開くと、2羽の翼が連なった「連鶴」が完成。


文・しずおかオンライン

講師紹介

吉田 靖子(よしだ やすこ)
吉田 靖子(よしだ やすこ)

東京・名古屋にて、折り紙教室を開催。ボランティア活動を行なう。