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イベントレポート

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2016年9月25日(日)14:00~16:00

三井 達也(みつい たつや) / ウクレレ製作家・講師、ウクレレスタジオ七里ヶ浜代表

ukulele studio 七里ヶ浜 presents はじめてのウクレレ

ウクレレビルダー三井達也氏が教える、初心者を対象にしたウクレレレッスン。ウクレレってどんな楽器?ハワイアンソングはどんなもの?ウクレレの選び方って?などなど、ウクレレの持ち方からハワイアンソングを一曲弾くところまで、しっかりレクチャーしていただいた。ウクレレは、小さいけれど奥が深く、間口の広い楽器。弦楽器が初めてという参加者も、いくつかのコードを覚えるだけで、1曲弾く事ができた。ウクレレビルダー三井達也氏が教える、初心者を対象にしたウクレレレッスン。ウクレレってどんな楽器?ハワイアンソングはどんなもの?ウクレレの選び方って?などなど、ウクレレの持ち方からハワイアンソングを一曲弾くところまで、しっかりレクチャーしていただいた。ウクレレは、小さいけれど奥が深く、間口の広い楽器。弦楽器が初めてという参加者も、いくつかのコードを覚えるだけで、1曲弾く事ができた。

発展途中の楽器だからこその楽しさに触れる

三井氏が営む鎌倉・七里ケ浜の工房兼教室は、全国でも珍しいウクレレ専門のショップだ。「作り手なので、ウクレレがどういう楽器なのか、皆さんに知っていただきたい」ということで、まずはその歴史や成り立ちから教えていただく。

「ウクレレは、ポルトガルからの移民が持ち込んだブラギーニャという楽器が起源で、ハワイで独自に改良を重ねて、今の形になったとされています。ウクレレ、というのはハワイ語で『飛び跳ねる(=lele)ノミ(uku)』という意味。当時の人気奏者のあだ名から取られたとも、小さな楽器の上で奏者の指が目まぐるしく動く様子を表現したとも言われています」

ウクレレに使用される木材はハワイアンコア、マホガニー、マンゴーなど。ハワイの老舗メーカー「カマカ」社のハワイアンコナ製、ギターでもお馴染みの「マーチン」社のマホガニー製のウクレレが有名だ。日本ではエゾマツやトチ、黒柿、桜などで作られることもある。今回、用意したウクレレの素材もさまざまで、見た目の印象も異なっており、参加者たちも興味津々で眺めていた。

ウクレレには4つのサイズがあり、ソプラノ、コンサート、テナー、バリトンと、だんだん大きくなっていく。一般的なのはソプラノサイズで、スタンダードサイズとも呼ばれる。バリトンウクレレになるとサイズもスケールもテナーギターと同じくらいになる。

弦は、4弦が一般的。6弦、8弦のウクレレもある。弦の数が多いほど、音に広がりが出る。

「ウクレレは、1800年代後半に誕生して、まだ100年余り。今はまだ、新しい形を求めて、メーカーや個人ビルダーがさまざまなウクレレを作っている段階です。特にここ10年ほどは、奏者もいろいろなことにチャレンジして、大きな変化がありました。ソプラノより小さなベビーサイズウクレレ、ゴムのような太い弦でベースのような低音が出るウクレレベースなど、まだまだ進化途中。バイオリンのように『ストラディバリウス』のような名器を目指すのと違い、いろんな可能性を追い求められることが、つくり手としては面白いところですね」

実際に弾くにあたって覚えておかなくてはならい「ヘッド」「ネック」「フレット」といった各部の名称についてレクチャーの後、「まだ弾かないの?って感じですよね(笑)。いよいよ、ウクレレを弾いていきましょう」と三井氏。参加者たちはウクレレを大切そうに手に取った。

ドレミの次に3つのコードを覚えて課題曲に挑戦!

「まずはドレミの位置を覚えましょう。ウクレレでは3弦の開放(指で押さえない)がドです。1フレットを押さえたらドのシャープ。2フレットがレ。3フレットはレのシャープ。4フレットがミ。5フレットがファ。6フレットがファのシャープ。7フレットがソ。1フレットごとに半音ずつ上がっていき、ミとファ、シとドはすぐ隣のフレットになります。ピアノの白鍵盤、黒鍵盤の関係がウクレレにもいえるわけですね」

フレットと音階の関係性が理解できたら、ドレミファ…と、1オクターブ弾いてみる。右手の中指から小指の3本くらいで軽くウクレレのボディを支えつつ、親指の腹で弦を上から下になでるように弾く。左手の指を慎重に運びながら、各自練習。

なんとなく指が動くようになってきたところで、「今日の課題曲は、『カイマナヒラ』という曲です。覚えていただくのは、G7、C、Fの3つのコード。まずは一番簡単なCのコードからやってみましょう」。

1弦の3フレットを押さえた状態で、4本の弦を一気に鳴らしていく。「右手をピストルの形にして、箒をはくような感じで、手首を使って人差し指の爪で弦を鳴らします」。上から下へ、下から上へと、「ターン、タ、ターン、タ」のリズムで交互に弾く。

「この『ターン、タ、ターン、タ』という、ダウンストロークが音の長さ2、アップストロークが長さ1、というリズムは、ハワイアンによく使われます」と三井氏が言うとおり、同じコードをメロディもなく弾いているだけなのに、すでにハワイアンっぽい雰囲気になってきた。

続いてG7、Fと、コードを教えていただいて、各自ひたすら練習。「左手が痛い!」「指先がジンジンする」とつぶやく参加者に、三井氏は「指が痛くなるのはちゃんと押さえられている証拠です」と励ましの言葉をかける。

F→C→G7→C→F…と、間にCを挟みながら3つのコードを弾いてみる頃には、なんとなく曲に聞こえるようになっていた。

「それでは、1回歌ってみますね」と、三井氏が『カイマナヒラ』を披露。カイマナヒラとはダイヤモンドヘッドのことで、ダイヤモンドヘッド高く美しくそびえる景色、ワイキキビーチサーファーが波面を穏やかに滑る様子、カピオラニ公園での散歩についてのんびり歌った、これぞハワイアン!という印象の曲だ。三井氏の優しい歌声に、歌が終わった時には参加者から拍手が起こった。

ハワイアンは、だいたい、こうした風景を歌ったご当地ソングと、ラブソングの2種類です。昔のハワイは文字がなかったので、歌や踊りに意味をのせて伝えていたわけですね。歌は、忘れないように各歌詞を必ず2回繰り返し、最後にもう一度重要な冒頭の歌詞を歌う、という決まりになっています」

1日でここまで弾けた!d-labo湘南がハワイアンな雰囲気に

「では、ゆっくりやってみましょうか」。全員でイントロから弾いてみる。譜面を見ながら、「G7、C、G7…」と、三井氏のかけ声に合わせて、左手を動かしていく。力が入りすぎたのが、途中で手をブラブラと動かす人も。1回、2回と続けて演奏し、3回目は三井氏の歌付きで。リズムはゆっくりだが、少しずつ音もきれいになって、だんだんと曲になってきた。

その後も各自で練習を繰り返す。「右手は、同じように弾くのではなく、2拍目、4拍目にアクセントを入れてみてください」「夜中に気兼ねしながら練習している感じで、少し小さめの音で弾くようにすると、音に広がりが出てよりハワイアンっぽく聞こえます」と、三井氏のアドバイスにより、さらに演奏のクオリティが上がっていく。

「さあ、では最後1回やりましょうか。コードは皆さんにお任せして、僕は歌と、イントロや間奏で、時々メロディを入れていきますね」

ウクレレを触るのは今日が初めて、という人がほとんどだとは思えないほどの出来映えで、見事『カイマナヒラ』演奏に成功!日曜日の午後、のんびりと心癒される空気に包まれたd-labo湘南だった。

「ウクレレを作って、ウクレレを弾いて、ウクレレのある生活を皆さんに提案して…。こういうことをやるのが夢だったんです」と三井氏。「僕自身、工業デザイナーとして忙しく働いていたときは、休日、ウクレレ教室に通って、ゆっくりとした時間を楽しみ、リセットしてまた仕事に戻っていく、というサイクルを心地よく感じていました。ウクレレは、突きつめていけばもちろん難しいのですが、間口が広く、すぐに音が出せるし、下手は下手なりに周囲もほのぼのと見てくれる楽器(笑)。ぜひ、多くの方に弾いていただきたいですね」

講師紹介

三井 達也(みつい たつや)
三井 達也(みつい たつや)
ウクレレ製作家・講師、ウクレレスタジオ七里ヶ浜代表
大阪芸術大学卒業後、日産自動車にてデザイナーとして活躍。2001年、縁あって、ウクレレ製作家・講師に転身。鎌倉七里ヶ浜に工房兼教室を設立。 「ウクレレのある生活」を提案する海を見下ろすウクレレ教室には、遠方からも多くの生徒が通う。ライブ等の演奏活動も多数行なう三井氏の製作するウクレレは、弾き易さを追求している。また、インダストリアルデザイナーならではのセンス溢れるウクレレで、「ミツレレ」の愛称で全国に知られている。「富士山頂上でウクレレを弾こう!」等のイベントも続けており、より生活に密着したウクレレの楽しみ方を、常に考案し続けている。
ukulele studio 七里ヶ浜