スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2016年10月2日(日)13:30~15:30

天野 美咲(あまの みさき) / フラワーアレンジメント&ブーケサロン rella-blue主宰

花と触れ合う豊かな時間 ~森のバスケットアレンジ~

花と触れ合う時間は、自然と優しい気持ちになり、豊かな時間を過ごすことができる。今回、セミナーにお招きしたのは、「rella-blue(レラ・ブルー)」主宰の天野美咲氏と、サロン出身の6人の講師。「rella-blue」は、夢を叶える女性の象徴であるシンデレラの「レラ」と、幸せの色「ブルー」とを合わせた造語。サロンに集う人々が、「夢を叶えるシンデレラであってほしい」という願いを込めているのだとか。今回は、枯れないお花「プリザーブドフラワー」を使って、「森のバスケットアレンジ」を制作した。
なお、「d-labo静岡」のギャラリースペースでは、「プリザーブドフラワー」の作品展も同時開催。(2016年9月26日~10月8日。)いつもの洗練された「d-labo静岡」がより優美な世界に彩られていた。セミナーへの参加者はもちろん、多くの人々がスペースを訪れ、「rella-blue」が織り成すプリザーブドフラワーの世界観に魅了されていた。

永遠の夢を乗せて。枯れないお花「プリザーブドフラワー」

「プリザーブドフラワー」は、生花(せいか)を、脱水・脱色作用がある特殊な液に漬けた後、着色したもので、「枯れないお花」として、母の日・誕生日などの贈り物や、結婚式のブーケなどに利用されている。

今回は、バラを主役にしたアレンジメントで、手作りの木のバスケットに、プリザーブドフラワー用のフローラルフォーム(一般的にはセックと呼ばれる、花を挿す土台になるもの)を入れて制作した。

[使用した器・花材]
○ バスケット…手作り品のため、一つひとつ形が異なる。平らな台に置き、前下がりになる向きを表にして使用
○ バラ…今秋発売されたばかりのカップ咲きの花。ピンクを2輪と、淡いグリーンのものを1輪使用
○ ソーラーローズ…木の皮で作った、バラの形の花材
○ アジサイ…2色のアジサイを用意。茎が1cm以上残るよう分量を8分割して使用
○ ライスフラワー…花蕾が米粒のような花
○ シャワーグラス…もとは身近にある植物で、高さを出してくれる。今回は、ウォッシュホワイト(加工済)を使用
○ ゴアナクロー…カールした細い葉先が、ナチュラル感をプラスしてくれる葉物
○ マルベリーシート…クワの木の皮を加工したもの。今回は、グリーンに着色されたものを使用。ちぎったり、ふわふわにほぐしてリボンのような形にするなど、自由自在に楽しめる
○ コケ…苔(こけ)。フローラルフォームを隠すベースとして使用
○ ラフィア…ヤシ科の植物を天日干しにし、加工した繊維。ランダムに輪にし、チョウの形にするなどして使用
○ ハスヘッド…蓮の実。独特の存在感を放つ
○ マツカサ…カラマツの実で、小さな松ぼっくり
○ その他、実物(みもの)…発砲スチロールで作られた本物そっくりの実物(みもの)
○ ネット…対角に引っ張ると繊維が柔らかくなるので、互い違いに折り、リボンのようにして使用

花材の「下ごしらえ」をしてから、アレンジをする

使用する花材をひととおり確認した後、バラと、アジサイはワイヤリングとテーピングを施す下準備を行なった。プリザーブドフラワーの茎はあまり長くないため、この処理を行ない、茎を作ってからアレンジをする。ワイヤーは、フローラルフォームに挿しやすいように、斜めにカット。バラは、少ししっかりしたワイヤーで「ピアスメソッド」や「クロスメソッド」、アジサイは、少し柔らかさのあるワイヤーで「ツイスティングメソッド」と呼ばれる手法を用いて処理をする。

[ワイヤリングの手法]
○ ピアスメソッド…小さめのバラなどに使用する方法。ピアスは、突きとおすという意味。茎のつけ根の部分に、ワイヤーをまっすぐ刺しとおし、茎に沿わせるようにワイヤーの両端を折り曲げる
○ クロスメソッド…大輪のバラなど、大きめの花材に使用する方法。ピアスメソッドを行なった後、刺す位置を少し変えて、クロスするようにもう1本ワイヤーを刺しとおす。2本のワイヤーはすべての端を茎に沿わせて折り曲げる
○ ツイスティングメソッド…枝分かれしているような花材をまとめるときなどに使用する方法。Uピンのように折り曲げたワイヤーを、まとめたい花材の枝分かれした部分に引っかけ、3回ほど巻きつけて茎に沿わせて下ろすワイヤリングの後、ワイヤーの少し上部から、「フローラルテープ」という専用テープを巻きつけ、テーピングを行なう。このテープは、引っ張りながら巻いていくと、より粘着性が増し、厚みも減るので巻きやすくなる。ぎゅっと引っ張りながら、くるくると巻きつけていく。

初めてアレンジメントを体験する参加者は、ワイヤリングからテーピングまで、講師の方々から丁寧に手ほどきを受ける。1本目ができ上がると、2本目以降はきれいに仕上がるようになっていった。 「アレンジの前の、ワイヤリングとテーピングは非常に重要です。細かい作業になりますが、ゆっくりでよいので、楽しみながらやってくださいね。みなさん、とてもお上手ですね。きれいにできています。」

天野氏をはじめ、講師の方々全員が、褒め上手。セミナー中、参加者それぞれのよいところを見つけ、「素敵」「上手」「初めてとは思えない」など、嬉しい言葉がたくさん飛び交った。褒められることで、参加者も嬉しくなり、思わず笑みがこぼれる。「もしかして、私、才能があるのかも?」と思ってしまうほど。普段も、「rella-blue」では、お互いを褒め合うことが多く、それが良い作品を作る秘訣でもあるそうだ。

夢を抱いたシンデレラたちを送り出していきたい

花材の下準備が終わったら、いよいよアレンジメントに入る。まずは、ネットやマルベリーシート、ラフィア、コケを使用し、土台となる部分から作っていく。アレンジメントは、プリザーブド・生花に限らず、アウトラインを作ってから主役となる花を挿していくと、全体のバランスが作りやすい。ただし、花材次第では、メインから挿していくこともあるのだとか。

アレンジメント初心者が多い今回のセミナーでは、土台作りの挿し方に迷いがある参加者が多かった。しかし、作業が進むにつれ、仕上がりのイメージができてきたのか、迷いがなくなってくる。

土台が完成したら、アジサイや、バラ、ソーラーローズといった主役級の花材を挿していく。メインのバラの向きは、すべてが違う向きを向くように、高低差をつけて挿すと動きが出る。アジサイは、バラの足元を埋めるように低めに左右非対称に入れていく。
すべてのアジサイを挿すのではなく、差し引きも考え、窮屈にならないよう入れていく。

次に、ライスフラワーや、ゴアナクロー、シャワーグラス、およびハスヘッド・マツカサ・松ぼっくりといった実物(みもの)を挿していく。実物(みもの)は、根元に引っ掛けるようにワイヤーを巻きつけてアレンジしていく。同じような位置に挿しても、挿し方は人それぞれ。同じ花材、同じレイアウトでも、仕上がりは十人十色だった。

[プリザーブドフラワーの保管方法]
○ ホコリをかぶったら、ドライヤーの微風や、柔らかい毛のブラシを使って優しく払い落とす
○ 紫外線に弱いので、直射日光が当たらない場所に飾る

最後に、天野氏は「私には夢がたくさんあります。そのひとつが、お花が大好きなので、その魅力をたくさんの人に伝えていきたいということ。今回の『d-labo静岡』でのセミナーは、とてもよい機会になりました。サロンには、将来花の仕事がしたいと、夢を抱いてレッスンに通われる生徒さんもいらっしゃいます。今日、一緒にレッスンを行なった講師たちも、そんな夢を抱いて『rella-blue』に通った、まさに今、夢に向かって羽ばたいている自慢のシンデレラたちです。彼女たちと一緒に、これからもお花の楽しさを伝えていきたいと思っています。」と、「夢」について語ってくださった。

文・しずおかオンライン

講師紹介

天野 美咲(あまの みさき)
天野 美咲(あまの みさき)
フラワーアレンジメント&ブーケサロン rella-blue主宰
花好きの両親の影響を受け、20代からフラワーアレンジメントを始め、その後、イギリス、フランスなどのヨーロッパスタイルを習得する。庭でバラやハーブを育てながら、植物やラッピング、テーブルコーディネートなどの周辺知識を学ぶ。花屋、フラワースクールにおいて会場装花や、レッスン講師などの実務に携わった後、独立。静岡市葵区西草深町に、フラワーアレンジメント&ブーケサロン「rella-blue」を開校している。