スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2016年10月25日(火)10:30~12:00

渡部 亜矢(わたなべ あや / 片づけ講師

リビングかんたん片づけ術
~家族円満・散らからない最短整理のコツ~

散らかるリビングの片づけに困ってはいないだろうか?忙しい毎日、あふれかえった物や、散らかす家族にイライラ...。そんな悩みを解決すべく、最短でリビングを片づける方法をレクチャーするセミナーを開催した。ストレスフリーでリバウンドしない家族の笑顔が集まるリビングを目指そう!

リビングは家の片づけのなかでも難易度が高い場所

少子高齢化がもたらす社会問題のひとつである「実家の片づけ」のプロフェッショナルとして、メディアでも活躍中の渡部氏を講師に迎えての片づけ講座。ご自身が藤沢生まれという縁もあり、d-labo湘南ではお馴染みの人気講座だ。今回のテーマは、「リビングの片づけ」。

「今日の目標は、リビングの片づけ方の基本がわかるようになること。そして、家族も片づけができるようになるためのコツをつかむこと。おしゃれなインテリアを目指すのではありません。毎日の生活を、いかに楽に、気持ちよく過ごせるか、そのための片づけ術をお教えします」

まずは参加者同士、自己紹介。リビングの何を片づけたいのか、その理由も合わせて発表していく。「もうすぐハロウィンパーティがあるので、床の上をすっきりさせたい」「リビングの子どもスペースを片づけたい。子どもが部屋で勉強しないのでいつも片づけに追われてしまう」「ソファや椅子の上に物がたくさんあるのをなんとかしたい」…と、それぞれに悩みを抱えているようである。

「私も、ダイニングテーブルの上の書類をなんとかしたい、と思ったのが、片づけにハマるきっかけだったんです」と渡部氏。「本当に片づけが苦手だという人は、この講座に申し込むことすらしません。今日、ここにいらっしゃっているというだけでも、片づけに対するアンテナが立っている、ということなので大丈夫!片づけられます!」

最初に、「片づけの定義」について考えてみる。「誤解されがちですが、“片づけ”と“掃除”は別のもの。片づけができていないと掃除はできません。片づけ、収納、掃除。この3つをくるくる回していくことで、安全、安心、健康に暮らせる家になるわけです。家族を守る、ということに焦点を当てれば、必要なもの、必要でないものの線引きもしやすくなりますね」

キッチン、玄関、洗面所など、「片づけたい」と思う場所は家の中にいろいろあるが、なかでも「リビングの片づけは難しい」と渡部氏。その理由は、「家族みんなが使う場所であり、来客に対応する場所でもあり、そして、人とともに物もやってくる場所」だから。自分ひとりでは処分の判断ができないものがたくさんあるためだと言う。

「だからリビングは、散らかっていてもいいんです。ただ、急にお客さんが見えることになったときに、5~15分くらいで片づけられる程度の散らかり具合なら、気持ちが楽ですよね。そう考えると、少し片づけのハードルも下がると思うんです」

一時保管を上手に使いながら「いる」「いらない」を選別

ここで、「リビング散らかりタイプ」をチェック!
① テーブルの上にいつも使わない何かが置いてある。
② テレビやエアコンのリモコンをよく探す。
③ 誰もいないのに照明が点けっぱなしの時がある。
いくつ当てはまったか、参加者に挙手をしてもらうと、ほとんどが「1つ」とのことだった。「当てはまる項目が多いほど、“やりっぱなし”タイプだということになります。そして、それは“帰宅”“洗濯物”“買い物”の、3つの動線を意識することで解決できるんです」

帰ってきた時、郵便物やバッグを何げなくテーブルの上に置いてしまう。洗濯物を取り込んでたたまないまま、ソファの上にミルフィーユのように積み重ねてしまう。買って来たものを開けないまま床に放置してしまう…。逆に考えれば、その置き場所こそが、動線に無理のない“置き場所”なのである。

「家の中で自分や家族がどこを通っているかをイメージして、そこを収納場所にすれば、無理なく片づけることができます」

そのためにも、まずやらなければいけないのが、「いる」「いらない」の仕分け。これは、始めたら悩まずにどんどん進めていきたい。「すぐに判断できないグレーゾーンのものを目の前にして、いるかいらないかを考え出すと、手が止まってしまいます。『また使うかも』『誰かにあげられるかも』など、捨てなくていい理由をなんとか考えようとするからです。3秒以内に決められなかったら、一次保管用の段ボール箱やゴミ袋を作って、そこに入れておき、しばらく経ってから判断するようにしましょう。不思議なもので、ゴミ袋に入れてしまうと、『いらないかも…』と思えるようになります(笑)」

ここで難しいのが、家族のものをどうするか、である。渡部氏は「価値観はそれぞれなので、家族でも『捨てる』『片づけて』はNGワード。これを『自分の部屋に移動してね』など、OKワードに変えていって、イライラしない片づけを実現しましょう。リビングはみんなで共有する場所なので、寝る前には物をあるべき場所に部屋に戻そうね、ということを、家族で話し合うといいですね」

朝食前、夕食前、寝る前などに、少しでも片づける時間をとるのがコツ。歯を磨くのと同じように、習慣にできるとうまくいく。

具体的な片づけ方としては、「『小物を増やさない』。これは、防災にもつながります。入口に物が置いてあるのも危ないですし、視覚的にも狭く見えてしまいます。同じく、『出ているものを片づける』のもポイント。片づけというと、納戸や押し入れの中に手をつけたくなりますが、それは後回し」

家族で片づけのルールを作る、箱やボードなど“枠”の中にまとめることですっきりと見せるテクニック、ファイル立てを使った収納など、すぐに実践できるアイディアを教えていただきながら、それぞれの家庭にあった片づけ方を考えていく。

モチベーションのアップが片づけの成功につながる

次は、過去に渡部氏が片づけサービスを手がけた事例の中から、あるお宅のリビングの写真を見ながら、実際に片づけのシミュレーションをしてみることに。テーブルの上には物がいっぱいで、ティッシュボックスが3つもある。

「では、3~4人のグループに分かれて、どこから片づけたらいいのかを考えていきましょう」

「いらないものを捨てて…」「まず片づけるための場所を確保するべきでは?」「収納するところがないよね…」といった意見や、「うちのテーブルもこうなってます」という苦笑混じりのコメントも聞こえてきた。

「ここまでになるとひとりで片づけるのは難しいので、サポートがあるといいと思います。たとえばこの棚の中の物は、2年くらいまったく出し入れしていないということでした。そういうときは、とにかくいったん全部出して、箱に入れてしまいます。ベンチ型の椅子の下に詰め込んでいる物も同じ。そうすると、片づけるためのスペースが空きます」

スペースが空けば、片づけはぐっと楽になる。片づけるために収納家具を買って部屋を狭くしてしまうこともない。使わなくなった家電を粗大ゴミに出すなど、大きな物を片づけることも、結果が目に見えやすいのでおすすめだ。

「無理して物を減らす必要はありません。自分が管理できる量であれば、たくさんの物があってもいいんです。ストレスを感じない片づけをすることが、成功の秘訣です」

最後に、参加者それぞれが「今すぐできること3つ」を考えてみた。「帰ったら子どものおもちゃを片づける」「ダイレクトメールなど、テーブルの上の紙類を仕分けする」など、やる気にあふれた声に、渡部氏も「片づけはモチベーションが重要。こういう場で、他の人と片づけについて話をするのも刺激になります」と背中を押す。きっと、家族が笑顔で過ごせるリビングが実現できるに違いない。

講師紹介

渡部 亜矢(わたなべ あや
渡部 亜矢(わたなべ あや
片づけ講師
銀行や出版社勤務などを経て、2016年より一般社団法人実家片づけ整理協会の代表理事に就任し、「実家片づけアドバイザー®」育成講座を開講。少子高齢化社会に特化した講師育成、出張片づけサービスの人材育成や、忙しい人も安心・簡単な、整理収納の講座を展開中。メディア出演多数。

【著書】
『カツオが磯野家を片づける日 ~後悔しない「親の家」片づけ入門~』SBクリエイティブ
『プロが教える実家の片づけ』ダイヤモンド社
『「5つの鉄則」でラクラク!実家の片づけパーフェクトBOOK』光文社 ほか