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イベントレポート

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2016年10月28日(金)11:00~12:00

嘉手苅 守晃(かでかり もりあき) / スルガ銀行 カスタマーサポート本部 部長

第6回 プロと楽しむ お街ゼミな~る
d-labo静岡×静岡呉服町名店街 『はじめての投資信託~入門編~』

みなさんは、将来のことをどれくらい考えて資産形成を行なっているだろうか。
今回は、当社カスタマーサポート本部部長の嘉手苅守晃より、金融商品の内容や、経済情勢、および投資信託などをお話しした。ファイナンシャルプランナーでもある嘉手苅は、10年間、証券会社へ勤務した後、1998年にスルガ銀行へ入行した経歴の持ち主。今回は、自身の投資信託の実践例をあげながら解説し、より身近に感じていただけるような内容をお話しした。

ゆとりあるセカンドライフのために「資産運用」が必要

「会場のみなさんは、すでに資産運用をしていますか?」平日の午前中開催ということもあって、今回の参加者は女性が多かったが、半分ほどの方が手をあげた。
「潤沢な資金があれば、資産運用は必要ないかもしれませんが、なかなかそうはいきません。」
人生には、さまざまなお金がかかる。たとえば、結婚、出産、教育費、住宅ローン、子どもへの資金援助および退職後の生活費など…。ゆとりあるセカンドライフを送るためには、1か月に月額35.4万円ほど必要と言われている(※1)。標準的な年金額(※2)は、月額22.1万円と言われ、他に月額13.3万円が必要となる。日本人の平均余命(※3)は、男性約83歳、女性約89歳と言われているので、60歳で定年退職した後、20年以上の生活費が必要となるのだ。

最初に、日本の経済環境の変化について、簡単にお話しした。
記憶に残っている方も多いだろう。1970年の定期預金(1年)金利が5.75%、1980年は7.00%だった。100万円預金すれば、利子が1年で7万円もついた時代。しかし、2015年は、0.026%。銀行に100万円預けたところで、1年の利子は、260円にしかならない。(※4)
そして、人口が増え、労働者人口が増えると、モノ・サービスの価格は上昇し、インフレが起きる。食パン1kgの値段で比較してみよう。1970年に116円だった食パンは、1990年には386円になり、3.3倍上昇。しかし、2014年には、420円と、1.1倍の上昇。(※5)日本の労働者人口は、どんどん減り、デフレへと向かっている。そこで、2013年4月、デフレからの脱却に向け、日本銀行が「2%のインフレ目標」を掲げた。これが実現したら、さまざまなモノやサービスの価格が上昇することが想定される。今後は、インフレにも備え、「資産運用」を考える重要性が増してきている。

※1 老後を夫婦2人で暮らしていく上で必要と考える費用。出所:生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」
※2 夫婦2人分の老後基礎年金を含む標準的な年金額(厚生年金)。出所:厚生労働省「平成28年度の年金額」
※3 平均余命とは、60歳の人が、その後何年生きられるかという期待値。出所:厚生労働省「平成26年簡易生命表」
※4 その年の最終週時点(課税前)
※5 東京都区部での変化例。出所:総務省のデータを基に野村アセットマネジメントが作成

金融商品の特性を理解したうえで運用を考える

まずは、自分の資産の使い道について考えてみよう。
資産には、(1)日常の生活費や、いざという時のための予備費、(2)住宅資金、リフォームおよび子どもの結婚資金の援助などに必要なお金、(3)趣味、旅行および交際費などのゆとりある生活のためのお金と、3種類のお金の使い道がある。(1)および(2)は、残しておくべき費用で、(3)が運用に向いているお金になるという。

金融商品は、主に3種類に分かれる。

●債券…国や一般企業などが、投資家から資金を調達するために発行。定期的に利子収入が得られる。原則として、償還日には償還金が返ってくる。
●株式…一般企業が投資家から資金を調達するために発行。業績や景気がよいと、配当金や株価の値上がり益が期待できる。
●リート…投資家から集めた資金を、主に不動産で運用する投資信託。賃料収入などの分配金、好景気のときは、不動産の資産価値や賃貸収入の上昇などによって、リート価格の値上がり益も期待できる。

国内・外国リートならびに国内・外国株式は、高いリターンが期待できるが、その分、うまくいかなかった時のリスクも大きく伴う。国内・外国債券は、リスクは少なくなるが、その分、リターンも少ない。
2020年の東京オリンピック開催に伴い、国内リートは、現在上昇中だ。嘉手苅は「あまりにも調子よく上がっているので、私は少し怖い気もします。」と話した。
ご存知のとおり、景気のサイクルは、アップダウンを繰り返している。そのことも踏まえ、バランスのよい投資が重要なのだ。

そこで、嘉手苅がお勧めしているのが、「投資信託」だ。債券や株式など投資する商品を、いくつかに分けることでリスクを分散できる。運用は、私たちに代わって、経済・金融などに関して高度な知識を身に付けた専門家が行なう。債券や株式投資のように、まとまった資金は必要なく、1万円程度からできるので、初心者でも始めやすいのが特徴だ。

ここで一つ、必ず念頭に置いておくべきことがある。
「専門家による投資が、毎回成功するとは限りません。リーマンショックならびにテロなど、経済・金融動向は、いつどうなるかわかりません。上手くいかないことがあるということを、必ず理解しておいてください。」

毎月コツコツ積立てる「投資信託」

投資信託は、販売を行なう「販売会社」、運用の専門家である「運用会社」および資産の保管・管理を行なう「信託銀行」の3つの機関で構成されている。(※6)これらのいずれかの機関が破綻しても、預金と異なり、投資家の資産は保全される。(※7)

次に、投資信託にかかる費用について見ていこう。

●購入時手数料…商品説明や、販売にかかる費用。金額の2~3%程度
●運用管理費用等…運用や管理に要する費用が毎日差引かれる。金額の1%程度
●信託財産留保額等…換金する際に負担。かからないものもある。金額の0~0.5%程度

実際に、どの投資信託を選んだらよいのだろうか。
投資信託には、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式、国内リート、外国リートの6種類のファンドがある。先にも触れたとおり、株式やリートは、リターンも大きいが、リスクも大きい。国内外のさまざまなファンドに投資するバランスファンドもあるので、合わせて検討するとよいだろう。

ここでクイズを出題。
月1万円ずつ、10年間投資信託を行なう。120万円は、いくらになるだろうか。それぞれの条件のときの評価金額を、次の3つの中から選んでください。

【Q1.】開始して5年後、1万円が2000円まで目減り。しかし、10年後には、1万円まで回復。評価額はいくらになるか。
①150万円 ②196万円 ③241万円

【A1.】241万円

【Q2.】開始して7年後、1万円が2000円まで目減り。10年後には、5000円までしか回復しなかった。評価額はいくらになるか。
①72万円 ②90万円 ③139万円

【A2.】139万円

投資信託は、下がったときに多くファンド購入できるので、むしろ下がった方がよいのだという。
「何を買ったらいいかと、私もよく聞かれますが、それがわかるなら、私は仕事をやめて独立します。この先どうなるかは、誰にもわからないのです。資産運用で一攫千金を狙うのではなく、時間をかけてコツコツ積立てしていくことが、日本人の気質に合っていると思います。」
嘉手苅自身も長年、投資信託を行なっているが、その間にリーマンショックが起こるなど、評価額を大きく下げたこともあったそうだ。しかし、現在は、大きく上昇しているという。
「上がっても下がっても気にしない。積立残高は、毎月見るのではなく、年に1回自分の誕生日に見るくらいがちょうどよいのです。」

スルガ銀行の『ダイレクト投資信託』は、インターネットバンキングによる取引になるが、全ファンドの申込み手数料がなんと無料なのだそうだ。今回のセミナーを通じて、投資信託に少しでも関心を持たれた方は、資料を取寄せてみてはいかがだろうか。


※6 投資信託を直接販売する運用会社もある
※7 預金の場合、銀行が破綻した場合、1預金者あたり元本1,000万円までと、その利息等が保護されるが、元本1,000万円を超える部分は保護の対象にならない

■セミナーや、イベントレポート作成にあたり使用した参考資料:
□野村アセットマネジメント株式会社 発行「きちんと考えたい。これからのお金のこと。~よくわかる<投資信託>読本~」
□スルガ銀行株式会社 発行「ダイレクト投資信託ラインナップ」

文・しずおかオンライン

講師紹介

嘉手苅 守晃(かでかり もりあき)
嘉手苅 守晃(かでかり もりあき)
スルガ銀行 カスタマーサポート本部 部長
投資信託や年金保険、預金など資産運用業務の担当 ファイナンシャルプランナー