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イベントレポート

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2016年12月4日(日)13:00~16:00

水咲 奈々(みさき なな) / カメラマン

Nikon College 一眼レフ使いこなし講座
~写真の基本・一眼レフの使いこなし方をプロカメラマンが教えます。~

今回のカメラセミナーでは、「写真の基本」「一眼レフの使いこなし方」を、プロカメラマンがわかりやすく伝授!買ってはみたけれど使い方が分からない、難しくてしまい込んでしまった、そうなってしまうと勿体ない。一眼レフを使いこなして、普段とは一味違う魅力的な写真を撮りたいという人、子どもをかわいく撮りたい人にぴったりの講座となった。

ニコンの一眼レフカメラでどんなことができるかを知る

ニコンイメージングジャパンが運営する「ニコン カレッジ」は、プロカメラマンが講師となって写真のノウハウを教える写真教室。今回は、人気講師の水咲氏が、一眼レフを触るのが初めてという人向けの“基礎の基礎”をレクチャーする。参加者はNikon一眼レフカメラ、D5500・D5300・D3400の購入者だ。

一眼レフと、スマホのカメラの最大の違いは、ボケの大きさ。一眼レフでは主役となる被写体以外をボカすことができる。たとえばカラフルなおもちゃの前で子どもを撮る場合に、スマホでは背景がはっきり写ってしまうのでごちゃごちゃした印象の写真になるが、一眼レフで背景をボカして撮れば、主役となる子どもの存在感が際立つドラマティックな写真になる。

シャッタースピードを調整できるのも一眼レフの強みだ。水咲氏はブルーインパルスの撮影もしているが、そうした動いている被写体を写し止めることは、スマホのカメラではできない。

最初に、正しい写真の撮り方をマスターするための基礎知識を学ぶ。「正しいカメラの構え方」「お手入れ方法」「撮影前のカメラの設定」「撮影可能枚数について」「画質モードと画像サイズ」「撮影(露出)モードの選択」「ISO感度の設定」などの項目についてポイントを解説いただいた。参加者全員が同じシリーズのカメラを持っているので、設定やメニューの操作も統一でできてわかりやすい。水咲氏も一人ひとりのカメラを見てまわりながらチェック。

「撮影可能枚数は、皆さんどのくらいですか?[1.0]kという表示で1,000枚撮れるということなのですが…」という水咲氏の質問に、7,000枚撮影可能という参加者がいて、驚きの声が上がる。「7000枚ってすごいですよね!たくさん撮れると、つい撮りっぱなしにしてしまいがちですが、メディアも壊れることがありますので、こまめにパソコンに保存するようにしてください」

また、カメラ上部のモードダイヤルで設定する撮影モードは、通常P(プログラムオート)モードがカメラ任せにできるので使いやすいが、「今日はS(シャッター優先オート)モード、つまりシャッタースピードは撮影者が決め、それに合わせた絞りをカメラが決めてくれるモードを使って、動きのあるものを写し止める撮影をしてみましょう。ちなみにA(絞り優先オート)モードは、絞りを撮影者が決めて、シャッタースピードをカメラが決めるモードで、ポートレートや風景を撮る時に適しています」

「絞り」と「シャッタースピード」をマスターしよう

いよいよ実践編。Callenge1は「絞り優先モードを使って大きなボケをつくり出そう!」

「ボケをマスターするために知っておかなければいけないのが、被写界深度。写真のピントが合っているように見える範囲のことです。ピントは、点ではなく、面であいます。つまりピントは“奥行き”ということ。これがポイントです。ピントがあっている範囲が狭いことを被写界深度が“浅い”、ピントがあっている範囲が広いことを被写界深度が“深い”といいます」

被写界深度を決めるのは、「絞り値」「レンズの焦点距離」「被写体までの距離」の3要素。つまり被写界深度を浅くして背景をボカした写真を撮りたいなら、「絞り(F)の数値を小さく(絞りを開ける)」し、「レンズの望遠側(あるいは明るい単焦点のレンズ)」を使って、「被写体に近づいて」撮ればよい。

「撮影モードは絞り優先オート」「絞り開放」「AFエリアモードはシングルポイントAF」「露出補正プラス0.3」など、カメラの設定を統一した後、用意された鉢植えの花を被写体に、実際に撮ってみる。順番に撮影して、一番良く撮れたものを水咲氏がチェック。「タテで撮ると奥行き感が出やすいですよ」「逆光で撮ったほうがきれいです」と、追加のアドバイスを受けて、あれこれとチャレンジする参加者たち。「爽やかでいいですね!」というお褒めの言葉も出た。

「被写体と撮影者の距離が近く、背景との距離が遠いほうが、ボケが大きくなります。被写体の周りにあまり物を置かないこともポイントです。つまり、ボカしたいものは被写体から遠ざける、ということ。これはあまり言われていないことなので、ぜひ覚えて帰ってください」

Challenge2は「シャッター優先オートを使って動いている被写体を写し止めよう!」。動き回る子どもやペットを撮る時にも覚えておきたいテクニックだ。

「撮影モードはシャッター優先オート」「シャッタースピード1/500秒前後」「AFエリアモードは3D-トラッキング」「レリーズモードは高速連続撮影」にカメラの設定を統一。

「写し止めて、なおかつ連写する設定にします。連写の速度は、メディアへの書き込み速度にもよりますので、速い人、遅い人がいるかもしれませんが、ちょっとやってみましょう」

まずは、参加者の前を歩く水咲氏の顔を連写してみる。カメラに近い側の目にピントを合わせて、早足で歩く水咲氏をカメラで追いかけるように撮影。カシャカシャカシャ…というシャッターの連続音がd-labo内に響き渡る。

次は水咲氏が両手に縄を持って回している様子を撮影。モニターを確認してみると、縄がピタッと写し止められている。

「逆に、スローシャッターにすると、動いているものを写し止めることができません。無人のスクランブル交差点の写真などは、歩いている人間が写らないくらいスローシャッターにして写しているということです」

シャッタースピードを遅くして三脚を使えば、夜景や花火も美しく撮ることができる。

効果的な構図をマスターして印象的な写真を

構図を意識することも重要だ。被写体を中央に置いて見る人の視線を主題に集中させる「日の丸構図」は一般的だが、「人の顔を撮る時には、顔が向いている方向に空間を開けるとのびのびしたイメージに。また、人物など比重が重いものを画面の下に置くと安定感が出るなど、同じものを撮っていても、構図によって写真の印象はずいぶん変わります。黄金分割(三分割法)や対角線(斜線)構図など、バランスのいい構図のセオリーを覚えてください」

ほかにも、SNSなどで「いいね!」がもらえる撮影ポイントとして、「料理の写真はヨコよりもタテ位置で撮って奥行き感を出す」「人物を撮るときはタテ位置が基本。被写体はなるべく大きく」「子供や動物をふたり、2匹一緒に撮るときは同じ方向を向いているときに」といったアドバイスに、参加者は熱心に耳を傾けていた。

「シャッターチャンスは、いつくるかわかりません。ですから、撮ると決めたら電源は入れっぱなしを推奨します」

最後のチャレンジとして、シャッタースピード1/500秒で「ここだ!」という瞬間を1枚だけ撮ることに挑戦。水咲氏がジャンプするのを、最も高い位置にいる瞬間を狙う。「どこでシャッターを押すか考えてくださいね!ピントは顔に!」

撮影しては水咲氏に見てもらう、を4回繰り返す。「いい感じです!」「上手ですね!」と、うまく撮れた人も多かった。低い位置から撮影すると、さらに高く飛んでいるように見えるという。

ニコンカレッジと、カメラのキタムラとのコラボレーションで実現した今回の講座。最後に、データだけでなく、ぜひプリントで写真を楽しんでほしいという提案をいただき、充実の写真教室は終了したが、参加者は会場に展示してあるNikonのレンズに興味津々。「2本目はどれがいいかな」など、カメラ談義に花を咲かせていた。

講師紹介

水咲 奈々(みさき なな)
水咲 奈々(みさき なな)
カメラマン
東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動。モデルとしてカメラの前に立つうちに、撮る側に興味が湧き、出版社に作品を持ち込む。その後同出版社に入社し、編集と写真を学ぶ。現在は、フリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室の開催など、多方面で活動中。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので、撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。数字や専門用語に弱い初心者にもわかりやすい、優しい言葉を使った丁寧なレクチャーを得意とする。(社)日本写真家協会(JPS)会員。