スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2017年2月19日(日) 13:30~15:00

浅川 純子(あさかわ すみこ) / 写真整理アドバイザー

今すぐ実践!かんたんスマホ写真整理術
~スマホから大切な写真をなくさないためのコツ~

デジタル写真が普及して、実はまだ10年ちょっと。スマホやデジカメで誰でもカンタンに写真撮影できるようになった昨今だが、増え続ける写真を上手に保存する方法は意外と知られていない。今回のセミナーでは、スマホ写真をカンタン・キレイに整理する方法をレクチャー。あわせて安心・安全な写真の保存方法もお伝えし、大切な思い出を守る術を学んでいただく。日頃の疑問や不安を専門家に聞くよい機会にもなった。

探せない、選べない。今、写真整理は「緊急事態」に!?

講師の浅川氏は、パソコン教室の講師を務めるなかで、「“写真整理”が緊急事態として浮かび上がって来た」と問題提起。「パソコンを使った作品作りを指導していると、まず『写真が多すぎて探せない、選べない』という生徒さんがすごく多いんですね。写真を撮るのが手軽で簡単なことになった今、撮った写真をどう整理して、うまく付き合っていくかということが、大切になってきます。思い出そのものである写真を、上手に楽しめないなんてもったないこと」そう考えた浅川氏は一昨年、写真整理アドバイザーという資格制度を立ち上げた。

「なぜ写真を整理するのか。それは、『あなたの大切なものはなんですか』という問いでもあります。かつて、重厚長大を良しとした私たちの価値観は、軽薄短小が好まれる時代を経て、再び“質の時代”へとシフトし始めている。物があふれているからこそ、エコやスローライフ、断捨離、物を持たないミニマリストといったことが、時代のキーワードになってきているのです」

写真を整理することが必要となってくる背景には、超高齢化社会の到来による“終活”、親の家(実家・義実家)の片づけといった切実な事情もあるが、浅川氏は「不要な写真を“処分する”ことが目的ではありません。写真を上手に整理・保管し、大切な写真を見返すことによって生まれる、人生のシーンとの再会、人とのつながりや交流を深めることに目を向けていただきたいのです」

写真整理の大まかな流れは次のようになる。
棚卸し(全体量の把握)→前準備→方針検討→仕分け→デジタル化→データの保存→見返し

「『場所をとる』『劣化する』紙焼き写真は、スッキリ整理。『消失の危険性がある』『いろいろな形でいろいろな場所に大量に保存されている』デジタル写真はシッカリ保存。形に合わせてお悩みを解決したいですね」

デジタル時代の写真整理術に必要な知識とは?

ここからは、実際に浅川氏のiPhoneの画面をプロジェクターに映し出しながら、具体的な写真整理術をレクチャー。

「まずは、写真・動画の全体量を知ることです。iPhoneでは『設定』から『一般』、『情報』とたどっていくと、数がチェックできます。ストレージの容量がどのくらい残っているかについては、『一般』から『ストレージとiCloudの使用状況』を見れば、使用可能な容量がわかります」

次は、「いらない写真を削除する」。一番いいのは、写真を撮ってすぐいるかいらないかを判断することだが、つい同じような写真がたまっていきがち。「ALPACAというアプリは、写真の削除に便利。似たような写真を見つけて並べてくれ、『同じような写真だからどれか消してもいいのでは?』と提案してくれるので、効率よく削除ができます」

必要な写真だけを選べたら、写真を「整理する」。スマホでは「アルバム」で整理するのが基本だ。iPhoneの「写真」アプリの中にある「ピープル」の顔認識を使えば、自動で「お父さん」「お母さん」「長男」など、人ごとに仕分けをしてくれるので便利。浅川氏が実際にやってみると、小さい時のお子さんの写真で未整理のものが出てきたので、「長男」のアルバムに入れる。

こうして写真が片付いたら、次は写真を「保存する」ことを考える。

「デジタルデータの保存は、消失や破損が怖いので、原則2か所に。スマホで撮った写真はそのままにせず、PCやタブレットにコピーしておきましょう。さらにPCからDVDや外付けHDDにコピーして、2か所で保存できていれば、スマホで見たい写真だけ残して他を消してもいいと思います」

インターネット上で保存をするクラウドもおすすめだ。5GBまで無料のiCloudフォトライブラリ、現在のところ唯一、無料で容量無制限で使うことができるGoogleフォト(ただし写真のサイズが自動的に小さくされる)が使いやすい。

「ただし、クラウドを利用する際には気をつけなければいけないことがあります。“インターネット上に写真を保存する”ということは、万一のトラブルでもデータが消失してしまわないよう、世界各国にあるサーバーにコピーがとってある、ということ。そして、そのコピーのすべてを完全に消すことは不可能です。自分のPCの中で削除したとしても、世界のどこかで残ってしまうのだということは、知っておかなければいけません」

FacebookやLINE、InstagramといったSNSサービスも、写真の保存先になる。ほかの人との共有が簡単にできることと、セキュリティが意外に固いことがメリットだが、「こうしたサービスは、ある日なくなってしまうこともありますので、ほかの方法でのバックアップは必要です」

写真を見返すことは、自信や元気を取り戻すきっかけになる

こうした写真の保存事情のなか、浅川氏が「最強のパートナー」と絶賛するののが、BUFFALOのデジタルフォト・アルバム「おもいでばこ」だ。見た目はシンプルで小さな白い箱だが、スマホを充電ケーブルでつないだり、SDカードやUSBを差し込んだりするだけで、自動的にその中の写真が取り込まれるという画期的なアイテムで、「しかも、テレビにつなげれば、家族の写真を大画面で楽しむことができる。写真の保存だけでなく、見返しにも優れた機器です」と浅川氏。お父さんのPC、お母さんのスマホ、子どもたちのタブレットなど、家中に散在する大量の写真を、すべて入れられる優れものというわけだ。

「写真整理のゴールは、『写真を簡単に見返せる形にしておく』こと。そういう意味で、プリントや、フォトブックにするなど、紙にすることの価値もぜひ見直していただきたい。プリントはCD以上に耐久性があるし、デジタル画面と紙のものを比較した時、人は紙のものの方を、倍以上の時間をかけてじっくりと見るそうです。プリントは“保存”にも“見返し“にも優れているんですね」

浅川氏は、特に家族や親戚と一緒に写真の“見返し”をしてほしい、と強調する。「たとえば、帰省の際に「おもいでばこ」を持って帰り、テレビにつないで、みんなで見る。すごく元気が出るはずです。世の中、自分に自信がないまま生きている人は多いんですね、でも、写真を見ることで、自分がやってきたことを振り返ると、自信と元気が出てくるんです。『なんだ、私、それなりに頑張ってたじゃない』と。写真の整理と見返しを、そんなふうに感じられる機会にしてほしいと思うのです」

浅川氏が持参した「おもいでばこ」には、デジタルで撮った写真のデータはもちろん、昔の紙焼き写真をスキャンしたものも入っている。プロジェクターでセピア色の写真を見せられるうちに、そこに登場する人たちの歩みにまで思いが馳せられ、不思議と温かな気持ちになってくる。

参加者からは、「おもいでばこ」に関することのほかにも、「CDやDVDを読み込む機械がなくなったら?」「iCloudとGoogleフォトはどちらが使いやすいのか」といった具体的な質問がいくつも上がった。セミナー終了後も、多くの参加者が、自身のスマホを見てもらいながら浅川氏にレクチャーを受けていた。

浅川氏の夢は、「出会う人が1%幸せになる人になりたい」。きっと、今回の参加者も、家に帰って写真を見返し、幸せな気持ちになったに違いない。

講師紹介

浅川 純子(あさかわ すみこ)
浅川 純子(あさかわ すみこ)
写真整理アドバイザー
写真という誰もが持っている個人の大切な思い出の品を、整理しきれず見ることができていない現状に気づく。紙焼き写真とデジタル写真のそれぞれを上手に整理し、思い出とともに暮らす生活を提案している。