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イベントレポート

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2017年3月27日(月) 10:30~12:00

琢磨 仁(たくまじん) / Half Moonとして活動中

Half Moon 琢磨 仁のウクレレイージーワークショップ

「ワロハ」の心でウクレレを

今回は湘南を拠点に音楽活動を展開している『Half Moon』の琢磨仁氏を講師にお招きしてのウクレレワークショップ。まずは全員で「ウクレレレッスンでは必ず最初にやる」という「ワロハ」の挨拶をかわしてみた。

「ワロハはハワイの挨拶であるアロハから生まれた挨拶です。アロハというのは、優しさ、思いやり、調和、謙遜、忍耐、それがあれば幸せに生きられるというハワイアンスピリットの原点。そこに日本の和の心や、人とつながる輪というものを足してみました」

この「ワロハ」の素晴らしいのは「怒った顔で言えないところ」。自分で口にしてみるとわかるが、実際「ワ」と発音しただけで顔が自然と笑顔になる。琢磨氏はこの「ワロハ」を「2000年の歴史と文化を持つ日本の和の心とハワイのアロハを足したらもっとすごい世界が表現できるのでは」と、湘南ローカルの挨拶として広めているという。

ウクレレはそのハワイ発祥。もともとポルトガルにあったブラギーニャという弦楽器を、1878年に移民としてやって来たポルトガル人の職人が現地で作ったことから始まったものだ。それを当時の君主であったカラカウア大王の前で演奏したところ大変気に入られ、以降ハワイ独自の楽器として人々の間に根付いていった。ほかの弦楽器と違う点は「通常は左から右に低い音から高い音が鳴っていくのに対し、最初から高い音が鳴る点」

「だからウクレレというのはポロンと弾いたときにいちばんかわいい軽い音から鳴る。なんとも心地良い、いい響きなんですね」

そのウクレレの中でもとくにいい響きを持っているのが、作られて何十年か経つヴィンテージウクレレだ。ロックバンドのベーシストだった琢磨氏がはじめて出会ったウクレレもこのヴィンテージ物。レコーディングでハワイを訪れた際、たまたま入った楽器店で1920年代のウクレレに出会ったという。

「最初は形の美しさに惹かれた。で、持ってみると軽いし、弾いてみたらすごくきれいな音色が出る。すぐにハマってしまいました」

楽器の演奏は初心者には難しいもの。ただしウクレレは楽器としては小さく、弦も4本しかない。そういう意味では「誰でも割と楽に弾ける」それがウクレレの魅力だ。

持ち方と指の位置を覚えよう

レッスンでは、楽器を持つ前にプリントで学習。覚えておきたいのはウクレレの「ドレミ」は「CDE」だということ。

「ドレミファソラシドの8音階はウクレレだとCDEFGABC。このうちCEGAはチューニングの入る音となります」

次に覚えるのは弦の名前。手で持ったときにいちばん下に来るのがA(ラ)の音である1弦。その上がE(ミ)の2弦で、C(ド)の3弦、G(ソ)の4弦になる。これらの弦の音は楽器の端についているペグでチューニングが可能。このチューニングの作業には専用のチューニングメーターを取り付けて使用する。

「チューニングメーターは音を弾くと音名と針が表示されます。気を付けたいのは音名の横に小さく表示される♯(半音上げ)のマーク。これを見落とすと正確なチューニングができませんので注意してください」

基本的な知識を身に付けたあとは「持ち方」、ケースの出し入れなどウクレレを扱うときは重心であるネックの部分を持つ。理由は「ここがいちばん安心感があるから」だ。

演奏するときの持ち方は「ネックの延長線上に右腕がくるようにする」。このとき右肘は曲げて脇腹につける。こうするとウクレレが自然と前に出る。左手はそれに合わせて「前ならえ」する。そして人差し指の付け根と次の関節の間にナット(弦の端)を乗せる。手の平は卵が入るくらいに丸めておくこと。こうするとちょうど人差し指や中指などが弦に触れるようになる。大事なのは指の向き。指は自分の方に向けておく。小指が弦に触れてしまうようであれば修正が必要だ。

楽器を持ったところで、左手の人差し指と中指の2本で弦を押さえてみる。一方の右手は張った弦の中間点に当たるボディの付け根部分の上に持っていき、上から下へと弾く。この右手の弾きでいちばん大切なのは「人差し指を曲げて爪の表面で弦をこすること」。弾き方は、腕の重みを使って上から下に下げるだけ。こうすると少しかたい音が出せる。逆に下から上へと腕を上げて弾くときは「指の腹で鳴らす」。すると上から下に弾くときに比べてやわらかい音が出る。上下に弾くだけで2つの音色が出せるというわけだ。

上達のコツは歌いながら演奏すること

ここで学んでみたのは、C、D7、G、Em7という4つのコード。コードとはアルファベットで和音を表わしたもの。これを覚えることでいろいろな曲が演奏できるようになる。この和音は左手で弦を押さえることによってつくられる。ポイントは「人差し指にだけ指令を与えること」。人差し指さえ正しい位置を押さえていれば、中指や薬指の位置も自然と決まってくる。

繰り返しの練習のあとは「これが弾けると便利」だという『Happy Birthday』に挑戦。上手に弾くコツは「歌いながら弾く」ことと「最後の部分は演出として遅く弾く」こと。

歌いながら弾くのはメロディーとウクレレの響きをからだで感じられるから。演奏を遅くするのは「その方が格好いいし演奏も楽」だからだ。また演奏が終わるときは「ジャラーン」と余韻を出すように音を鳴らすと「プロっぽく聴こえます」。

「ウクレレは楽しくないとつまらない。練習しなきゃと思わずに弾きたいときに弾きましょう。そうすることでいつの間にか弾けるようになります」

来たる4月22日の『江の島フラ・パラダイス2017』では、東日本大震災の被災地である福島県富岡町の人々とともに「1,000人でフラを踊り100人でウクレレを弾く」というイベントを開催する琢磨氏。ワークショップの最後は啓子氏にもご登場いただき、全員で啓子氏が作詞作曲した『世界中の子供達』を演奏してみた。平和と愛をテーマとしたこの曲は『江の島フラ・パラダイス2017』で演奏される予定だ。

「みんなで弾くことでみんなの気持ちがひとつになる。人生ってなかなかみんなが同じ思いになることなんてないけれど、『江の島フラ・パラダイス2017』ではそういう体験ができます。ぜひみなさんもウクレレオーケストラに参加してください」

講師紹介

琢磨 仁(たくまじん)
琢磨 仁(たくまじん)
Half Moonとして活動中
KUWATA BAND のベーシストとして活動。桑田佳祐、世良公則、斉藤誠、今井美樹、伊藤銀次、増田俊郎など多くのアーティストのレコーディングやツアーにベーシストとして参加。現在は、琢磨啓子とともに「Half Moon」として活動中。また、230 Nama-Raika(柳沢二三男、成田昭彦、深町栄、琢磨仁)のメンバーとしてもライブ活動を行なっている。
レコーディングで訪れたハワイ・マウイ島でウクレレと出会う。豊富な音楽活動を原点にウクレレのやさしい弾き方を考案。湘南発の教則本「ウクレレ・イージー」は大ベストセラーとなる。tvkのお昼の情報番組の中での「琢磨仁のハマランチョ的ウクレレイージーウクレレレッスン」も人気番組となり、4年間、50曲をレッスン!