イベントレポート
2017年4月15日(土) 10:30~12:00
2017年4月24日(月) ①10:30~12:00 ②13:00~14:30
丸山 あづさ(まるやま あづさ) / AZU♡YOGA主宰 ヨガ&薬膳インストラクター
とりいれやすいセルフメディケーション ヨガと季節のプチ薬膳講座 ~ヨガ&薬膳で代謝UP!やせ体質づくり~
d-labo湘南では『Body Making Challenge 2017』と題して、4月から7月まで様々なメニューのカラダづくりイベントを開催した。今回は「ヨガ」と「薬膳」でやせ体質を目指すクラス。難しいイメージのある「薬膳」だが、実はスーパーで簡単に手に入る食材で、手軽に毎日の食事にとりいれることができる。季節ごとに形を変えて現れる自分のココロとカラダのサインを知って、食と運動の両方から理想のカラダづくりにアプローチを試みた。
陰陽論と五行論で東洋医学の基本的な考え方を学ぶ
ヨガと薬膳のインストラクターとして活動している丸山氏。鍼灸師で町の治療院を運営する両親のもと、幼い頃から東洋医学に親しみ、大人になってからは本格的に勉強をした。同時に20歳で出会ったヨガにも魅力を感じ、セミナーやワークショップを通じて「食事と運動の両方を合わせてより健康になっていく」ことを多くの人に伝えている。
「薬膳と聞くと『難しいのかな』と思いがちですが、たとえば今日のセミナー開始前の私のように、緊張してしまって『カフェでコーヒーを飲んで落ち着こう』と思うのも、薬膳の考えなんです。コーヒーには“安神(あんじん)”という効果があるんですね。さらに私は、限定の抹茶プリンも頼みました(笑)。抹茶には“清熱”熱を下げる効果があり、私はおかげで緊張と興奮を鎮めることができたのです。そんなふうに体の声を聞く感覚、ホッとする感覚を知ってほしいと思っています」
「楽な姿勢で聞いてください」という丸山氏の言葉もあり、リラックスした雰囲気でまずは薬膳講座がスタートした。
薬膳とは東洋医学の考え方を軸に、体質や体調、季節に合わせてレシピを作るパーソナルな食事のこと。「苦い、辛いというイメージをもっている人もいるかもしれませんが、おいしいことが前提です。生薬(しょうやく)や特別な食材を使ったものだけでなく、スーパーマーケットで買えるような日常使っているすべての食材に薬膳の効果があるんです」
日本の東洋医学は、中国の伝統医学(中医学)を日本人の体質や考え方、文化や気候に合わせて発展させたものだという。その特徴は「陰陽論」と「五行論」。「陰陽論」は、自然界におけるすべてのものを「陰」と「陽」に分ける考え方。「五行論」は、同じく自然界におけるすべてのものを「木」「火」「土」「金」「水」の5つのグループに分類する考え方である。丸山氏は参加者に配付した資料から五行の表について解説。
「木・火・土・金・水。『もっかどごんすい』はぜひ覚えてください。たとえば季節は木・火・土・金・水の順に、春・夏・長夏(梅雨)・秋・冬と分類されます。“五臓”は順に肝(臓)・心(臓)・脾(臓)・肺・腎(臓)となります。今は春ですから、木に当たるものに注目します。ということは肝臓にダメージが出やすいということ。そこで“五味”に注目すると、木・火・土・金・水の順に酸・苦・甘・辛・鹹(塩味)とあり、春は酸味のものを食べるとよいということになります」
五行論は、一年をとおして健康であるために何に注意すればよいのかを教えてくれる、薬膳の基本となる大切な考え方なのである。
「まごわやさしい」がそろった食卓で心身を健康に
身体のバランスを「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素で考えるのも、東洋医学のもうひとつの特徴だ。「気」は食物と呼吸から生成される生命エネルギーのこと。「血」は血液、「水」は血液以外の水分を指す。
「気・血・水は互いにかかわりあって活動し、全身のバランスを整えることで自己治癒力を高めてくれます。気が充実すれば体は温まりウイルスの侵入を防ぐことができますし、血は栄養と潤いを全身に運び心を安定させます。水は体を潤し代謝と排泄を促します」その身体のバランスを整えるために有効なのが薬膳だ。
「『まごわやさしい』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。『ま』は豆類、『ご』はゴマ、『わ』はワカメなどの海藻類、『や』は野菜、『さ』は魚、『し』はしいたけなどのキノコ類、『い』はいも類。これが食事でちゃんととれていれば、心身のバランスがよくなります。食卓一食に全部入っているのが理想ですが、いきなりはなかなか難しいので、まずは一日の食事で考えてみて『今日はとれていないな』と自分自身で気づくことが大切です」
ここで参加者の体質を気・血・水の考え方からセルフチェックしてみることに。「イライラしやすく怒りっぽい」「目が疲れやすい」「声が小さい」といった項目にチェックを入れ、該当するものが多かったカテゴリーがその人の体質タイプになる。
チェックの結果、気の巡りが悪く自律神経が乱れやすい「イライラ《気滞》タイプ」血が消耗し全身に栄養が行き渡っていない「ドキドキ《血虚》タイプ」心身にパワーが足りていない「クヨクヨ《気虚》タイプ」の3種類に分けられた参加者たち。「女性に多い血虚タイプさんは、トマトやレバーなど赤い食材をとるといいですよ」という丸山氏のアドバイスに、「…嫌いなものばかり…」という声があがる。「あとはマグロとか」「あ、マグロは好きです(笑)」「クコの実もすごくいいんですよ。女性は10~12粒くらいを目安に。食べ過ぎても副作用がないので、豚肉とキャベツの炒め物などに加えるのもおすすめ」
さらに、気滞タイプには肝機能を正常化するものを、血虚・気虚タイプには自然の甘みをと、体質別のおすすめ薬膳を紹介。「身土不二、つまり、その土地で育った旬のものを食べることも薬膳のポイント。東洋医学の根本にあるのは自然哲学で、自然と調和することが大事だと説いています」
内臓の経絡にフォーカスしたヨガで“巡り”のいい身体に
薬膳の基礎知識を座学で学んだら、次はヨガで身体の声に耳を傾けていく。
「春は何かと忙しい時期。こういうときは、意識の矢印が外側に向いています。それをマットの上では自分に向けて、体の声、心の声に耳を傾けてください」
あぐらで座りゆっくりと鼻で呼吸して、頭を真っ白にしていく。胸の前で合掌して「ではヨガの時間を始めたいと思います」。
まずはヨガの基本ポーズ「山の姿勢」をとり正しく立つ。体を伸ばしたり、両手を肩の高さで広げてドアノブを回すように、指先、手首、ひじと場所を変えながら腕を動かす。肩甲骨が動いてじんわりと体が温まってくる。
次は座った状態で、頭頂部から引っ張られているように体を引き上げた後、お腹と太ももをくっつけるように前屈。足の裏をつけて手を足の下に通す動きでは、マットに沈んでいくようなイメージで。
お尻を使ってマットの上を移動したり、足を横に開いて体を傾けたり、ゆっくりとした呼吸を続けながら体をほぐしていく。
両手両足を開いて片方の足を90度に曲げる「戦士のポーズ」、四つん這いで足をまっすぐ伸ばすクランクポーズ、両手両足を床に付けた状態から腰をぐっと上げる「ダウンドッグ」と続けていくうちに、体全体にゆっくりと気が巡ってくるのがわかる。
赤ちゃんのように体を丸めた後は仰向けになって股関節を伸ばし、最後は「シャバーサナ(屍のポーズ)」でクールダウン。丸山氏は参加者一人ひとりの所を回り、肩を押したり頭のツボを押したりしてリラックスを深めるお手伝い。
再びあぐらで座ったら、静かに合掌して薬膳&ヨガのセミナーは終了。「食べ物で人の体は変わります。体の声に敏感になる力を育てれば体質を改善したり未病を防いだりできる」と丸山氏。「薬膳とともに東洋医学の理念をもとにしたヨガを提案して、食とヨガの両面から美しくなるライフスタイルをサポートしていきたいと思っています」
講師紹介
- 丸山 あづさ(まるやま あづさ)
- AZU♡YOGA主宰 ヨガ&薬膳インストラクター
鍼灸師の両親をもち、幼少の頃より東洋医学のすばらしさに魅せられる。20歳でヨガと出会い、ココロとカラダのバランスを整えるため、リフレッシュの一環としてマイペースに継続していたことが始まり。ヨガをとおして、自分だけでなく、家族や周りの人を大切に想う気持ちが強くなり、日々の暮らしが丁寧になることを実感。料理をすることにも食べることにも関心が高かったことから、東洋医学を軸とした「薬膳」を学ぶに至る。五臓六腑(内臓)の経絡にフォーカスしたヨガと、内臓機能を高める旬の食材を使った薬膳という、“ヨガと食”の両面から美しくなるライフスタイルを提案している。
◆資格:薬膳ヨガプロ養成コースTT総合科上級修了、薬膳漢方検定合格
◆活動内容
毎月1回開催:-outdoor yoga tour- 大人の遠足ヨガ(神奈川エリア)
毎月1回開催:–healing room yoga-(埼玉エリア)
平日開催:–beach yoga-(辻堂・鵠沼エリア)
Café yogaやおうちヨガなども実施中。お問い合わせは下記へ。
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