スルガ銀行 Dバンク支店

SURUGA d-labo. Bring your dream to reality. Draw my dream.

イベントレポート

イベントレポートTOP

2017年6月3日(土) 13:30~15:30

杉山 美矢子(すぎやま みやこ) / フリーカメラマン

『旅行スナップを上手に撮ってみませんか?』アルバム、フォトブックを作るための写真の撮り方~初心者編~

フィルムカメラからデジタルカメラになり、写真を撮ることが、以前よりずっと身近なことになっている現代。コンパクトカメラや携帯電話にも、当たり前のように優れた撮影機能が搭載されており、今や誰もが名カメラマンになれる可能性があると言っても過言ではない。
日常生活ではあまり写真を撮らないという人でも、旅行に行けばシャッターチャンスが増え、いつもよりカメラに触れる機会が増えるもの。そこで今回は旅行で撮った写真をフォトブックにすることを前提に、風景や人物の撮り方から、キレイに撮られるためのポージングまで、写真歴46年のフリーカメラマン・杉山美矢子氏に教えていただいた。

心が動いたものにレンズを向けて、気軽に撮影してみよう

講師の杉山氏は、約1年前にも「街ぶら写真」の撮り方を教えていただいた女性フリーカメラマン。明るい笑顔と人を惹きつける軽快なトークが印象的で、参加者の中には、前回も参加したという人も見受けられた。
今回の講座は、アルバムやフォトブックを作るための旅行スナップの撮り方を、実践を交えながら学ぶ充実の内容。旅行スナップの面白いところは、大切な人のいつもと違う表情が撮れること。リラックスしていたり、驚いたり、喜んだり……そんな表情の変化を切り取って一冊の本にまとめることで、旅行の感動をいつでも眺めて思い出すことができる。
「小さくて軽いコンパクトカメラだからこそ、旅のスナップは思い出と笑顔を運んできます。もう『カメラに向かってピース!』というポーズは卒業して、ワンランクアップのステキな旅の物語を作りましょう。」

旅行写真をアルバムやフォトブックに残すことは、大きく2つの目的に分かれるという。
[1]日記をつけるように、旅の思い出をわかりやすく記録するため
[2]旅で出会った感動を、宝箱に収めるように残すため
どちらを目的にするかによって、撮るものが変わってくるが、杉山氏がオススメするのは、[2]の“感動を残す写真を撮ること”だという。その時の感動を形にして残しておくことで、いつでも感動を誰かと共有することができる。

講座では、杉山氏が今年1月に訪れたモロッコでの写真をスライドで見ながら、フォトブックにまとめる際のポイントを学んでいく。杉山氏が撮影したのは、たとえばこんな写真。
[出発前の荷物・着ていく服][駅・乗り物・切符][時刻がわかるもの][宿泊先のホテルの名前・部屋の様子][感動した景色や風景][食べ物・お店・おみやげ][自分と仲間のステキな笑顔]など。

出発前の準備段階から、旅は始まっている。目的地までの景色や、外国語だらけの電光掲示板でさえ、旅のわくわく感を盛り上げるアイテムになる。
「窓から見えた空などの何気ない景色でも、心が動いたらレンズを向けてみましょう。」

d-laboを観光地に見立て、自由に撮影

休憩を挟んだあとは、実際に撮影をしながら撮り方や撮られ方を学ぶことに。「みなさん、d-laboホテルのラウンジに集合してください!」と杉山氏。d-laboのフロアを観光地に見立て、人物を入れて撮影を始めることになった。
「たとえば私が観光客で、ガイドさんと一緒に歩いているとしましょう。ここでポイントになるのは、歩く歩幅やスピード。この背景で撮りたい!と思ったら、モデルを動かすのではなく、自分が動くことです。」

次は、キレイに撮られるためのポーズのコツを教えていただく。写真は、キレイに撮るのはもちろん、キレイに撮られたいという意識も大切になってくる。杉山氏が、キレイに写るためのちょっとしたコツを教えてくれた。
「カメラの真正面を向くのはNG。まず、カメラに向かって体を真横にして片足のつま先をカメラの方向に向け、もう片足は後ろに引いて重心を乗せるようにして立ちます。そして、背筋を伸ばし、上半身だけカメラを向くように、ウエストを軽くひねります。この立ち方を意識するだけで、細く美しく見えますよ。」

次に、女性がイスに座った時の撮られ方。まずは、イスに浅く腰掛けるように意識して、背筋を伸ばして座る。立っている時と同じく、片足をカメラに向け、もう片足を後ろに。そのまま膝を横に倒したら、前に押し出して足を伸ばし、つま先まで伸ばすように意識をして、かかとを上げる。実際にポージングをして写真を撮ってみると、体の細さや足の長さが、ずいぶん違って見えることが確認できた。

「写真は、撮る側と撮られる側が、お互いに“キレイに撮りたい、撮られたい”と思うことが大事です。撮る側は、その人が一番キレイに見える角度や位置に移動して、撮ってあげること。そして、撮られる側も、カメラマンへの愛を持って、自分がキレイに見えるポーズを意識しましょう。シャッターを切る時間は、1/500秒くらいの短い時間。その間だけ息を止めて、お腹をひっこめてもOKですよ。」

旅行仲間と記念撮影をする時のポイント

旅行に行って一番多く撮影するのは、おそらく仲間と一緒に撮る写真。けれど、いつも正面を向いたポーズやピースサインでは、つまらないフォトブックになってしまう。基本的な立ち方は、2人で撮る時も大勢で撮る時も、1人の時と一緒。あとはちょっとしたコツを意識すれば、何人で撮っても美しい写真が撮れる。

《ツーショットの撮られ方》
まずは、一番多いツーショット写真。2人が向かい合わせになり、お腹をくっつけるように近づいたら、お互い上半身だけをカメラに向けるようにして、少しずつ体を開いていく。ポイントは、なるべく2人が離れないようにすること。離れてしまうと、2人を通り越した後ろ側にピントが合ってしまい、人物がボケてしまうことも。写真で見ると、実際ほど密着しているようには見えないので大丈夫。

《3人での撮られ方》
真ん中の人を決めたら、両側の人は真ん中の人に向かって少し角度をつけるようにして立ち、なるべく近づいてコンパクトに並ぶ。

《集合写真の撮られ方》
背の低い人は前に、高い人は後ろに並ぶ。中心になる人を決めたら、その人に向かって少し角度をつけるようにして立ち、なるべく近づいてコンパクトに並ぶ。後ろに並ぶ人は、前の人の頭と頭の間から顔が出るように立ち位置を調整する。自分の身長を考え、なるべく素早くサッと並ぶようにすると良い。

講習から実践まで行なった約2時間の講座は、あっという間に終了。「今日、カメラを持って旅行に出たいなぁと思った人、いますか?」という杉山氏の問いかけに「ハイ!」と大きな声が聞こえ、会場がわいた。

最後に、杉山氏の夢について話していただいた。
「私がフリーのカメラマンになったきっかけは、“女性をキレイに撮りたい”“その人の一番ステキなところを撮りたい”と思ったからなんです。よく写真を撮られるのを嫌がる女性がいますが、それはもったいないなぁと思います。なぜなら、人はそれぞれに他の人にはない魅力を誰もが必ず持っているからです。私の活動を通じて、キレイに撮られる女性が増えたら嬉しいです。」 文・鴨西 玲佳

講師紹介

杉山 美矢子(すぎやま みやこ)
杉山 美矢子(すぎやま みやこ)
フリーカメラマン
静岡市生まれ。日刊工業新聞社静岡支局勤務の時、カメラに興味を持ち始める。カメラのキタムラでプリントアドバイザーとして12年間勤務したのち、独立。写真歴は46年。静岡コンベンションアーツセンター“グランシップ”撮影サポーター8年目。写友三水会に所属。平成28年7月d-labo静岡にて「美しい静岡街ぶら写真展」を開催。