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イベントレポート

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2017年7月8日(土) 13:30~15:00

重野 功 / 湘南 蔦屋書店 旅行コンシェルジュ

海外旅行をもっと楽しく!裏ワザ教えます。

私たちがいつも目にしている旅行商品の裏には、実はたくさんの「仕組み」が隠れている。現地手配会社、ホテル、航空会社、観光局、添乗員、保険会社など、多くの人や企業が関わって一つの旅行商品ができあがっているのだ。この仕組みをうまく活用すれば、旅がもっと楽しくなること間違いなし!旅慣れしている方にも目からウロコの、裏ワザ盛りだくさんのセミナーとなった。

旅関連のサイトで旅への欲求を盛りあげる

湘南蔦屋書店で旅関連のコンシェルジュを務める重野氏が、その豊富な経験と知識から海外旅行の裏技を伝授する人気の「旅カフェ」シリーズ。第3回目となる今回は、前回ゲストとしてご登場いただいた蔦屋書店で働く大学生、土佐氏をアシスタントに、「いろいろとツッコミを入れてもらいつつ」(重野氏)ふたりでトークショーを進行していく。

旅行に携わる業者はさまざまある。旅行会社、航空会社、ホテル(代理店)、政府観光局、そして旅行会社の委託を受けて、現地でホテルなどの手配・予約を行なうランドオペレーター(受け入れ業者)など。ほかにも添乗員や保険会社、空港での手続をサポートするセンディングなども、旅行者とかかわる業者である。こうした旅の仕組みを知り上手に利用できれば、旅はもっとお得に楽しくなるということだ。

「航空券やホテルの手配には、比較サイトや予約サイトを上手に使いましょう。個人的によく使っているのは『Booking.com』ですが、扱いの無いホテルは他サイトを利用してます。ただ経験からすると、少しでも安くといろいろなサイトで比べても、基本的には数百円の差ですね」

LCC(Low Cost Carrierの略)や格安航空券の検索サイトでは、「Skyscanner」「Air Trip」「航空券.net」などがあり、こういった検索サイトは最近増えてきている。また、LCCの取扱いはないが、JTBのサイトは、重野氏いわく「業界最大手としての自負と企業努力で価格を抑えている」とのことでおすすめだという。

「リラックス系かアクティブ系か」「海か山か」「豪華か倹約か」などの割合をチューナーを動かして設定し、“気分”で旅先を探すことができる「TripTuner」、天気や物価、旅費や両替などの現地の実情がわかる「Price of Travel」、世界中の航空会社の便名や行き先で座席の検索ができる「SeatGuru」、パッケージツアーを専門に案内している「トラベル・ズー」など、ちょっと便利で楽しいサイトについても紹介。

「私は特に具体的な日程や行き先が決まっていなくても、こうした旅サイトを見てはよく遊んでいます」と重野氏。美しい写真や楽しい情報が旅への欲求を盛りあげてくれるのだ。

日本の「旅行業法」を理解して旅をお得に楽しむ

日本には「旅行業法」があり、旅行に関する業務を営むためには、登録行政庁の登録を受けなければならない。こうした法律があるのは世界でも日本とインドだけで、独特のシステムだ。「Airbnb」など、海外では人気のいわゆる「民泊」が日本で最近問題になっているのも、この「旅行業法」との兼ね合いだ。

「そして、旅行業は取り扱える旅行契約の内容によって、第1種、第2種、第3種に区分されています。簡単に説明すると、1種はなんでもでき、2種は国内のみ、3種は手配のみでパッケージ旅行などは扱えません。パッケージ旅行は市内観光などのいろいろなプランがつきものなので、旅の手配をするときには基本パッケージの方が安いことも。実は、旅行会社は航空会社などと販売促進の条件をあらかじめ取り決めて、パッケージにすることで自社商品をより売り易くすることが出来るのです」

重野氏は、こうしたパッケージ旅行のからくりとともに、旅行パンフレットを見るときの注意事項も紹介。「市内観光に不参加の場合、違約金が追加で発生する」「燃油サーチャージ、空港利用料税などの必要な金額が旅行代金に含まれていない」「“現地係員”や“現地搭乗員”と書かれているものは、現地までのアテンドなしということ」といったことは、パンフレットには書いてはあるが、意識しないと「知らなかった!」となりがちなので、特に気をつけたい。

世界中の航空会社のグループ化が進んでいることも、旅行者に大きな影響を与えている。

「LCCや独立系航空会社を除けば、現在、世界の航空会社は、JALが所属する『ワンワールド』、全日空やユナイテッドが入っている『スターアライアンス』、そして『スカイチーム』の3つのグループに分けられます。同一グループのポイント相互付加、ひとつの飛行機を共同して運行するシェア・コード便など、さまざまなサービスをグループ内で行なっているのです」

加えて、上手に利用したいのがLCC、格安航空会社だ。重野氏もよく使っているという。

「LCCは荷物制限が厳しく、機内への持ち込みはほとんどの航空会社では7kgまで。チェックインカウンターでトランクを開けては荷物の調整をしている姿をよく見かけます(笑)。日本のLCCで、けっこう厳しいのはジェットアジア。逆に海外のLCCでは幅を持たせてくれることも多いです(笑)」

海外航空券の裏技として、目的地への直行便ではなく経由便を利用すると、時期や利用便によっては航空券が安くなる方法もある。たとえば、成田からジャカルタに直行すると往復で約6万円ほどかかるが、クアラルンプールを経由すれば5万2千円程度になったことも。北京経由のジャカルタ便なども安いが、「ただしすごく時間がかかります」。

また、「市販のガイドブックがないようなマイナーな国に行く際には、政府観光局で情報をもらうといい」「東南アジアの国などでは、日本の免許証を持っていれば簡単な手続でレンタカーやオートバイが借りられる」「パスポートを紛失した場合に、個人で再発行を申請すると3日から1週間かかり、その間の滞在費は自己負担となるので、少しでも手続をスムーズにするためにもパスポート番号を控えておくことはマスト」といった情報も、体験談とともに話していただいた。

お金の話、トラブルの話…海外旅行の小ネタをたっぷりと

旅先で気になるお金の話では、重野氏が「全部自分で体験した」詐欺や盗難にまつわるエピソードに、参加者も興味津々で聞き入っていた。

「ホテルのセーフティ金庫もけっして安全ではありません。財布まるごと盗むのではなく、少しだけお金を抜かれていることもあります。セーフティ金庫に入れるときには、お金を封筒に入れて封をしておくなど工夫をしましょう」

「両替商では紙幣の枚数をごまかされないよう、目の前で数える」「高い換金率で両替するよと言われて付いて行ったら建物に連れ込まれてお金を脅し取られることもあるので注意」「たくさんの子どもに囲まれて気がつけばポケットの中のものを盗まれていた」など、リアルな体験談が次々と紹介された。

さらに、海外旅行に便利な持ち物として、「お金を分散させるための予備の財布」「僻地で大活躍するトイレットペーパーや流せるウェットティッシュ」「辞書や会話本も役立ちますが、スマホの音声翻訳もとっても便利」「お土産やちょっとしたお礼に喜ばれる百円均一の小物やカレンダー」などを紹介。ほかにも通信に関すること、海外旅行保険のこと、現地での緊急避難についてと、さまざまな話題があがった。

「今は行き先や時期によっては国内旅行よりも安く海外に行ける時代。ぜひ楽しみながら海外を訪れてほしい」。多くの旅を経験してきた重野氏と、現在進行形で留学経験を重ねている土佐氏による、最新の情報と体験談満載のセミナーは、参加者の旅心を大いに刺激したに違いない。

講師紹介

重野 功
重野 功
湘南 蔦屋書店 旅行コンシェルジュ
旅行会社、海外添乗、海外ホテルの日本窓口、現地手配、在日政府観光局、JICAシニアボランティアなど観光を支える各分野を経験して得た「作る側」からの情報と、自分で訪ねたさまざまな地域で体験した「旅する側」からの情報を基に、これからの新しい旅、楽しい旅を提唱している。