特集
2014 Aug.4
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.40
フードデザイナー・モコメシさんが語る、美味しいカレーの魔法
まもなくやってくる本格的な夏。蒸し暑い季節なのに、なぜかカレーを食べたくなりませんか?
「夏の食欲不振にもいいし、新陳代謝も良くなるので、夏にはカレーがおすすめです」と語るのは「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトに活動するフードデザイナーのモコメシさんです。今回は、年に一度インドを訪れ、インド家庭料理を習ったり、生活雑貨を輸入しているモコメシさんに、カレーをもっと美味しく食べるための方法を伺ってみました。

15分で作れるオリジナルカレー
「私がインドに行っていつも思うのは、インド人はみんな家庭の味を大切にしているということ。インド人にとってカレーとは、手軽に作れて気軽に食べるものなんです。一晩煮込んだり、生クリームやバターでリッチな料理にするのももちろん良いのですが、私は日本のお母さんがきんぴらごぼうや野菜の炒めものを作るような感覚で、パッと作れるカレーが広まるといいなって思っています」
日本でもカレーは家庭料理のひとつに挙げられますが、インドと日本では決定的に違う側面があるとモコメシさんは言います。
「インドでは家庭によって味がぜんぜん違います。日本だとカレールーを使う家庭が多いと思うのですが、やっぱりそれだと同じような味になってしまいますよね。そうではなくてスパイスから、自分好みの味を作ったほうがより美味しいカレーになると思います。スパイスから作ると言うと構えてしまう人もいるかもしれませんが、そんなに難しいことではありません」
具体的にはどんな風に作ればいいのでしょうか?
「例えば、簡単なもので言うとクミンとターメリックと一味唐辛子だけで作れるカレーがあります。クミンを油でじっくり炒めて香りを出したら、そこに適度な大きさにカットしたジャガイモを入れて炒め、ターメリックと一味唐辛子と塩で味を整える。15分もあれば、サブジと呼ばれるドライタイプのカレーができます」
15分で作れるオリジナルカレー。なんだかワクワクしてきますよね。さらに入れるスパイスや具材によっていろんな味を楽しむことができると言います。
さらに美味しく作るためのちょっとしたコツ&シチュエーション
「家庭で美味しいオリジナルカレーを作るには、ちょっとしたコツがあります。それはきちんとスパイスの香りを引き出すことです。ほとんどのスパイスは油性なんです。そのため香りの成分をしっかり油に移すために大事なことは、油の温度。高温すぎると焦がしてしまうのはもちろんですが、温度が低すぎてもダメ。スパイスを数粒油に入れた時に、まわりにシュワシュワと小さな気泡が出るのが適温です。適温に熱した油で一分ほど炒めれば、スパイスの香りがしっかりと出ます。これがカレー作りの一番のポイントです」
スパイスからオリジナルカレーを作って友人に振る舞うのもいいですね。そこで大切なのは作りたての料理を提供することだそうです。
「インドの家庭でカレーを食べさせてもらった時、すっと焼きたてのチャパティを出してくれたんです。やっぱり焼きたてって美味しいですよね。このチャパティはアタと呼ばれる全粒粉と水、そしてフライパンがあれば簡単にできるので、焼きたてを食べてもらえば、きっとカレーの美味しさも2倍、3倍になると思います」
しかし、友人を招くとなると辛いものが好きな人、あまり得意でない人など、人それぞれで好みが別れます。そこでモコメシさんがオススメするのが「アチャール」と呼ばれる辛い漬け物のようなもの。
「私が友人にカレーを出す時に気をつけているのは辛さ。自分が辛いのが好きだからといって、あまり辛くしすぎないようにしています。そこでもっと辛みがほしいという人のために辛いアチャールを一緒に出すようにしています」
自分で辛さを付け足せるようにするというのも、カレーをより美味しく食べるためのコツのようです。
ちょっとした工夫でワンランク上のカレーを味わうことができるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
Information
モコメシ(小沢朋子)氏
「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトに活動するフードデザイナー。レセプションやイベントのケータリングの他、雑誌へのレシピ提供、執筆、メニュー開発など多岐にわたって活動する。
http://www.mocomeshi.org/