特集
2014 Dec.22
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.58
大都会・東京スカイツリー近辺で果たして魚は釣れるのか?
昔から江戸っ子の釣りは、春の鮒、八十八夜の青ギス、初夏の鮎・黒鯛、秋のハゼ・ボラ、そして締めは冬のタナゴなどと言われ、東京湾や隅田川を中心とした水辺にはたくさんの魚(他にもカレイ、スズキ、ヤマベ、ハヤ)がいました。江戸時代には、文化として魚釣りが根付いていたと言います。しかし、開発が進められた今の東京は、どうなのでしょうか?今回、それを確かめるべく東京スカイツリーの真下で竿を出してみることにしました!

スカイツリーの真下を流れる北十間川で釣りをする

スカイツリーの真下には、北十間川(きたじっけんがわ)と呼ばれる隅田川と旧中川を結ぶ川があります。ここ数年の再開発できれいに整備され、北十間川沿いには遊歩道ができました。一見すると無機質で生物の気配がしない川なのですが、とにかくここで釣り糸を垂らしてみます。場所はスカイツリーの入り口から200メートルほど東にある京成橋のたもとです。
ほどなくして、自転車に乗った地元のおじさんがやってきます。おもむろにハゼ釣り用の延べ竿を出して釣りをはじめました。あまり期待していなかったのですが、どうやら釣れるかもしれません。
秋葉原の釣具店で買ったアオイソメをエサに、魚のアタリを待つと、コツコツ、コツコツと小さな反応。ピッと竿をあげると可愛らしいハゼが釣れました。なんと、あっさりと東京スカイツリーの真下でハゼが釣れたのです。その後1時間ほど、「小さいのしか釣れないね〜」と言っておじさんと話をしながら約20匹のハゼを釣りあげました。

場所を西に移動し、スカイツリーを望む絶好の撮影スポットでも釣りをしてみます。観光客には不思議な顔をされ、地元の人は「お、ハゼが上がってきたか」と声をかけてくれます。ここでもハゼを10匹程釣りあげました。
さて、釣れたハゼを食べてみることに。内臓と鱗だけを取り、小麦粉と片栗粉をまぶして油で揚げます。シンプルなハゼの天ぷら。これが美味で、まさに酒のアテにぴったりといったところ。

東京では釣りのための魚には事欠かない
後日、さまざまな魚やまだ見ぬ生物を日夜追いかけている生き物ライターの平坂寛さんに話を聞いてみると、「東京周辺は結構いろんなものが釣れますよ」とのことでした。
江戸川であれば、ハゼ、ソウギョ、コイ。お台場では、スズキやコノシロ。葛飾区の水元公園では、ヘラブナ、クチボソ、タナゴからザリガニまで釣れるそう。実際、平坂さんの著書『外来魚のレシピ 捕って、さばいて、食ってみた』のなかで、平坂さんは江戸川に生息するソウギョ(1メートル、約10キロ)を釣っています。
「そもそも東京湾は生き物の宝庫ですからね。私自身は変わった生き物が好きで、東京湾では深海魚であるドチザメやクロアナゴなどを釣ったことがあります。どちらもちゃんと処理して適切な料理をすれば十分美味しいですよ」(平坂さん)
どうやら想像以上に東京には釣れる魚と場所があるようです。もちろん釣りが禁止されている場所などもあるので、ルールやマナーを守りつつ、週末には大都会・東京での釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。