特集
2015 Jun.22
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.85
無人島買っちゃう?実際にいくらかかるか聞いてみた驚きの結果!

「無人島で自由気ままにくらしたい……」誰もが一度はそんな夢を見る人も多いのではないでしょうか。実は日本には約6,000もの無人島があり、いくつかの島は販売されています。でも無人島って高そう。そして、買ったとしても維持費や、上下水道や電気などのライフラインはどうするの?そこで今回は国内で唯一、無人島販売を手掛ける「アクアスタイルズ」代表の佐藤政信さんに話をお伺いしました。
夢に描いたような無人島!でもその価格は…
まずはアクアスタイルズのホームページで、実際にどんな島が売りに出されているのかチェック。胸が躍るような青い海と白い砂浜の無人島の写真に期待が高まります!最初に注目したのはこの2つ。
和歌山県「小鞠山(こまりやま)島」

JR紀勢本線「白浜駅」より車で15分、堅田漁港から船で5分というアクセスの良さが魅力の島。透明度抜群の海に囲まれ、憧れの白砂ビーチが付いており、まさに夢に描く理想の無人島。面積は約1,023坪で、価格は1億5,000万円。
沖縄県「ウ離島」

無人島といえば海。海といえば沖縄。こちら、沖縄県の西表島と小浜島の間に浮んでおり、なんと潮が引いていると西表島から歩いて渡れるという希少物件。面積は1万1,131坪で、価格は5億円。これが調べた中では最高値でした。
マンションを買うより安い?格安無人島も
やはり無人島を購入するには億単位のお金が必要……。庶民には購入するにはハードルが高いと諦めかけていたところ、意外と安い無人島も。最安値はこちら。
山口県「沖鍋島」

面積は約2,640坪で2,000万円。山口県熊毛郡の先端、瀬戸内海から周防灘の中間地点に位置する島で、本島のビーチから泳いででも行ける至近距離。現オーナーが、バブル崩壊後の地合の悪さから建築を断念し、売りに出しているそう。
ほかにも、2,900万円、一部区分の所有で1,500万円、3島まとめて3,000万円など、東京でファミリー向けのマンションを買うより安い無人島もありました。これは無人島購入が夢ではなく、現実味を帯びてきました!
ここで、アクアスタイルズ代表の佐藤さんにインタビュー。そもそも無人島って、よく売れるものなのでしょうか?
実際に無人島を購入した人たちの例
「この仕事を2000年から始めて、15年間で売れたのは6~7島ですね。よく売れるのは5,000万円前後の島でした。購入者は、60代の社長さんなど年配の方が多いですが、中にはITバブルで成功した若い方もいらっしゃいましたね」
ちなみに、無人島購入にはローンを組めないため、支払いは現金一括払い!購入後もインフラ整備の相談など、アフターサポートもしている佐藤さん。実際に購入した人の中から2人の実例を教えていただきました。
- Aさん
【年齢】40代
【職業】医療関係
【物件】徳島周辺
【購入額】2,000万円釣り好きで「自分だけの釣り場がほしい」という動機から購入。そのためインフラは整えておらず、購入した船で釣り道具を持って島へ出かけている。
- Bさん
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【年齢】60代
【職業】会社経営
【物件】四国近辺
【購入額】6,000万円別荘としてログハウスを建設。インフラ整備込みで費用は3,000万円ほど。1年のうち夏に1~2回ほど利用。
インフラ整備は意外と簡易的なものでOK
気になる電気・ガス・水道などのインフラですが、購入者はどのようなインフラを整備したのでしょうか。
- Bさんの例でいくと……
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【電気】ソーラーパネルや発電機
【ガス】キャンプ用の灯油バーナーなど
【水道】井戸を掘る(100~200万円ほど)
※本島が近い場合は海底にポンプを通して汲み上げる方法もあるが大規模で高額になってしまうそうです。
【トイレ】浸透式のバイオトイレ
【ネット環境】アクアスタイルズでは、携帯の電波が入るような本島から近い島を販売しているので、スマホでのネット閲覧や、テザリング機能を使ったPCの使用も可能。
※島によって電波の感度は異なるため要確認
【交通】漁港で漁師さんに乗せて島へ運んでもらうか、小型ボートなどを購入。
※無人島に桟橋を作るとなると200万円程度は必要
インフラに関しては、長期のキャンプ用品のようなもので、最低限の生活はできそうです。無人島での食料といえば魚のイメージですが、これについてはどうでしょう。
「釣りはどこで何を釣っても大丈夫なのですが、海に潜ってモリで魚を突いたり、貝を取るなどは漁業法で禁止されています。また、船を停める場合は、現地の漁業組合に協力金として最初に100万円ほど支払い、その後、1年に10万円ほど納めているケースが多いですね」
実はすごく安かった無人島の固定資産税
ランニングコストとして、固定資産税などの費用はどうなのでしょうか。
「無人島にかかる固定資産税は、山林のようなものなので、島の大きさにもよりますが年に2~3万円ほど。大きくても10万円くらいではないでしょうか。だから相続税もそんなに大きくないんですね。そもそも、もともと無人島を持っている人は、無人島が売れると思っていない人が多いです」
3,000万円あれば無人島に住める!?
最後に、仮に島を購入するとなった場合いくらくらいの費用がかかるのか、先ほど紹介した山口県「沖鍋島」を例に挙げて、ざっくりと金額を出していただきました。
- 無人島購入時にかかる費用
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- 無人島本体代金(2,000万円)※2015年5月現在
- 不動産手数料(代金の3%+6万円)
- 登記料(約10万円)
- 年間にかかる費用
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- 漁業組合への協力金(年間10万円)※漁業組合によって異なる
- 固定資産税(年間2~10万円)※島の面積によって異なる
「居住空間はテントや小屋などにして、簡易的なインフラで済ませるなら、3,000万円あれば、無人島を購入して住むことは可能です」(佐藤さん)
なんと3,000万円あれば、無人島生活が実現できることが分かりました!一人でなくても、友人などと複数でお金を出し合って購入すれば、もっと安く購入できそうです。
ちなみに、アクアスタイルズで無人島を購入した人の中で、実際に無人島に住んでいる人はいますか? と聞いたところ「いません」と即答。しかし、住もうと考えて購入した人はいたそう。その方はIT企業の社長さんだったそうですが、激務のため住めなくなり、結局売却してしまったとか。PCが1台あれば仕事ができるような、ノマドワーカーなどの職種なら、無人島で仕事をしながら暮らすことも可能かもしれませんよ!?ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?