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2016 Feb.25
コレクターズRoom Vol.15「創作人形」

「創作人形」が持つ永遠の「瞬間美」に惹かれて

創作人形

愛するモノに囲まれた暮らしは、豊かさと刺激に溢れているはず。「コレクターズルーム」では毎回さまざまなコレクターを取材。コレクションする楽しさや自慢の逸品、収集に必要なお金のやりくり術などをご紹介します。

大切なのは数を揃えることではなく「いいもの」を買うこと

創作人形

コレクターを日本語で言うと「収集家」。一般的には「好きなものを数たくさん集める人」といったイメージですが、今回ご登場願った来栖祐介さん(仮名)はその意味では一風変わったスタイルの持ち主です。

来栖さんのコレクターとしての志向は「数よりも質」。たくさん集めることには興味はない。あくまでも自分の好きな世界観を追求することそれ自体に喜びを見出しているといいます。

今回のテーマである「創作人形」はその真骨頂。来栖さんの自宅にお邪魔すると、出迎えてくれたのはアンティーク風のケースに入った全長110センチのビスクドール(磁器製の人形)。この少女人形は、その世界では知らない人がいないと言われるほど高名な作家さんの手による作品です。近づいてみると、クローズドアイ(眠り目)の人形は本当にそこに人間の少女が眠っているかのよう。頬は透き通ったような薄紅色。からだを包むのはヴィンテージシルクのドレス。瞼を閉じて横たわるその姿には、この年頃の少女だけが持つ儚さが漂っています。

「この人形は作家さん本人から、この子だったらお譲りできますよ、と言われて購入したものです。当時住んでいた部屋は六畳間で置き場所もなかったし、価格も高価ですけれど、憧れていた作家さんの作品だったので思いきってローンを組んで買いました」

創作人形

「高級車1台分」という人形を購入するくらいだからよほど昔からの人形好きかと思いきや実は違うのです。ご本人に訊いてみると「人形との出会いは数年前」とのこと。それ以前はオーディオやカメラに凝っていたといいます。両方の趣味に共通しているのはハイクラス志向。ここでも数を揃えるよりも「いいもの」を手に入れることを重要視してきたといいます。

「オーディオのような趣味を持つと、まずはエントリークラスから購入しますよね。満足できる人はそこで満足する。でも私は性格的にもっと上の物が欲しくなるみたいなんです。だからミドルクラスを飛び越えて一気にハイクラスへと手を伸ばす。実は結果的にはその方が段階的に進むよりコストが安上がりでもあるんです。オーディオとカメラでそうした経験を積み重ねてきたからでしょうか、人形でも一気に最高の作家さんのところに飛びこんでいったという感じです」

人形たちの持つ独特の幻想的世界観

創作人形

来栖さんと人形との出会いはとある人形展。twitter上でそこで展示されている人形の画像を見て興味を抱いたことがきっかけでした。そうした行動の背景には、当時凝っていたモデル撮影や、もともと持ち合わせていた「自分のテイスト」があったといいます。

「それまで私は趣味でオーディオ関連のブログを書いていたんですね。ブログにはきれいな画像をアップしたいから、気が付くとカメラにも凝るようになっていました。当時よくやっていたのは女性のモデルさんを被写体にしたスタジオでのアート作品の撮影。普段から女性の人だけが持つ特有の美を追求していたせいでしょうね。人形にもそれに共通するものを見出して、それで人形展にも行ってみたんです」

創作人形

訪ねたのは人形作家のグループ展。そこで来栖さんは「こんなものがこの世に存在していたのか」という「衝撃」を受けます。置いてあったのは作家たちの手による創作人形の数々。「人形といえばリカちゃん人形くらいしか知らなかった」という来栖さんにとって、その精巧さや美しさは驚き以外の何物でもありませんでした。とくに惹かれたのは、人形たちが持つ独特の幻想的世界観。

「自分が昔から映画や本などで好きだったダークファンタジーなテイストと似ていたんですね。それで、自分なりに勉強を始めて、写真集を買ったり、いろんなギャラリ―に足を運ぶようになったんです」

ギャラリ―を訪ねる際に心がけたのはその作家さんがいる日を選ぶこと。たとえ短い時間でも相手と直接言葉を交わすことで「作品のコンセプトやそれに対する思いなどを製作者本人の口から聞くことができるから」だといいます。

創作人形

「会ってお話をうかがうと、同じ作品でも違う観点から見ることができるようになるんですね」

そうやっていくうちに、人形についても知識を深めていった来栖さん。大人が観賞用で楽しむ現代の人形には、主に、メーカーが販売する一体数万円程度の「ファッションドール」と呼ばれるタイプの樹脂製の量産品、それを個人がカスタマイズしたカスタム人形、作家が粘土や焼物で一から作るオリジナルの創作人形など、いくつかの種類があることを知っていきます。お値段は人形作家によって変わりますが10万円以上するものもあります。人気の作家が作る大型の作品だと100万円以上の値打ちがあります。

「夢」は好きな人が集う「人形サロン」

創作人形

後に自ら購入することとなるビスクドールを手がける作家さんとの出会いも展示会。作家さん自らが工房で開いた新作発表会などにも足を運び、その「耽美」ともいえる美しさに魅了されていったといいます。

「好きになった作家さんの作品は、子どもと大人の間にある少女の人形が多いんです。大人のような表情を持っているけれど、横から見ると子どもっぽいあどけなさが残っていたり。人間という生き物がいちばん美しく見えるほんの短い期間の瞬間美を人形という形で永遠のものにしているんですね。見れば見るほど引き込まれる。人形好きな人だったら、この気持ちはわかってくださると思います」

創作人形

ちなみにビスクドールの「ビスク」とはビスケットと同じ「二度焼き」という意味。ビスクドールは焼物であるため指などの細い部分が壊れやすいといった一面がある一方、色褪せがほとんどなく美術品として長期の保存が可能という長所があります。19世紀にはヨーロッパの富裕層の子女を中心に流行。割れやすく玩具向きではないということでその後は長く他の素材にとってかわられましたが、最近になって日本で復古。磁器ならではの色づけの美しさや質感が見直され、大人の観賞用人形の素材として注目を集めるようになっています。

創作人形

こうした高価な創作人形は、「ほしい」と思って買うことができたら幸運。実は来栖さんも自宅にある人形の他に「同じ作家さんの作品でほしい人形が2つありました」。購入できるのは抽せんで権利を獲得した人のみ。たいていの場合、一期一会で終わってしまうことが当たり前の世界です。逆に言うなら自宅に「お迎え」できた人形とは「御縁」があったということ。その「御縁」がやがて来栖さんにも訪れます。ほしかった人形と同じタイプのクローズドアイの少女の人形を作家さん本人から勧められた来栖さん。ここで手に入れなければ二度と同じ人形には出会えない。「高価なだけにさすがに買うかどうか悩んだ」そうですが、ローンでの購入を決意します。ローンを申込むことにしたのは「スルガさんのコレクターズローンの存在は知っていたのでここで利用させていただきました」。

創作人形

「私はほしいものがあったら10年かけて現金をためるよりも、先に買って10年間そのものと過ごした方が幸せと考えるタイプなんだと思います。もちろん利息はあるけれど、好きなものと一緒にいられる幸せの方がずっと大きいですね」

コレクターとして好きな物に囲まれて暮らしている来栖さん。お部屋を見せていただくと、そこにはビスクドールの他にもいくつかの素敵なカスタム人形や創作人形、オーディオ機器、幻想・耽美文学の作品集、自分の価値観でセレクトされた「好きな物」たちが並んでいました。

人形コレクターとしての来栖さんは「見ても触ってもいいよです派」。

「夢は自宅を好きな人が集まってお茶を飲んだり趣味の話を楽しめる『人形サロン』にすることですね」

創作人形
■コレクター's データ■
  • コレクション:創作人形
  • コレクション歴:約5年
  • 費やした費用:数百万円
  • 最高額:高級車1台分

Information

コレクターズローン&サブカルローン

来栖さんもビスクドールを「お迎え」した際に利用したのがスルガ銀行のコレクターズローン。ラジコンやフィギュア、アート作品、ドール、時計、古着など趣味性の高いコレクターアイテムの購入を目的としたローンです。お申込みは電話やウェブでOK(銀行への来店は不要です)。趣味を楽しみたい!という方の夢をしっかりサポートします。他にもコスプレ衣装や同人誌の購入費用、出版費用、自主芸術作品製作費用、各種ライブ、イベントへの遠征費用、プラモデル工具改造費用、コレクション管理費用などにも対応したサブカルローンもご用意しています。