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2016 Mar.11
コレクターズRoom Vol.16「猫切手」

猫好きの想いは時代も国境も超える。
猫切手コレクションが紡ぐ人の絆

福本さんと猫切手コレクション

愛するモノに囲まれた暮らしは、豊かさと刺激に溢れているはず。「コレクターズルーム」では毎回さまざまなコレクターを取材。コレクションする楽しさや自慢の逸品、収集に必要なお金のやりくり術などをご紹介します。

今回登場していただくのは、猫切手コレクターの福本高明さん。切手のなかでも、特に猫が描かれた切手を中心にコレクションしているという福本さんは、東京の神楽坂にある猫雑貨専門店「ねこの郵便局というなまえのお店」の店主でもあります。

どうして数ある猫グッズの中でも猫の切手をコレクションするようになったのか、思い入れがある猫切手はどんなモノかなど、福本さんにお伺いしました。

猫の町に、猫のお店を開き、猫の切手を集め始めた

もともとは広告業界で仕事をしていたという福本さん。趣味の古本探しを続けるなか、神田神保町の書店で版画家・大野隆司さんの猫の版画作品と出会ったことから、猫グッズを扱うようになったのだとか。

「大野隆司先生の猫版画を集めるうちに、18年前に先生との交流がはじまり、それから毎年いっしょに猫カレンダーを発行してきたんです。そうして先生の周りにいた猫作家の方々とも交流が深まり、全国を周る猫グッズ催事をやるようになりました」

福本さん

それまで猫を飼ってはいたものの、特別に猫グッズ収集をしていたわけではないという福本さんですが、猫を扱う作家さんやメーカーとのお付き合いから、たくさんの猫グッズが集まってきたのだそう。

「3年前、自分の事務所を引っ越さないといけないことになり、神楽坂で物件を探していました。ちょうどそのころ神楽坂が“猫の町”として有名になり始めていて、『どうせならお店を開こう』と思ったんです。それまでは猫に関する催事等で扱う商品の在庫を自宅で抱えていたんですけど、置いておく場所があったほうが良いし、良い物件も見つけたし…ということで開店しました」

猫グッズが所狭しと並ぶ店内
猫グッズが所狭しと並ぶ店内

そうして福本さんは神楽坂にお店を開業したわけですが、何よりも気になるのはそのユニークな店名。

「猫の雑貨屋って、フランス語だったり、“○○堂”といったありがちな名前のお店が多いんです。でも、そのどれとも違う方向性にしたくて。なおかつ、小さな子供でも覚えてもらえるような名前にしたいと考えていました。

それで、『これまでポストカードなども扱ってもいたので“郵便局”が覚えやすいかな』と思い、“ねこの郵便局”にしようと。でも、本当の郵便局ではないから、日本郵便からクレームがつかないように、“というなまえのお店”を店名の最後につけました。結果として、この周辺に住む小さい子どもにも店の名前を覚えてもらえて、良かったなと思います」

店の外観
店の外観

18年間ものあいだ猫グッズを扱い、3年前にお店も開業した福本さんの、猫切手との出会いとは?

「最近の若い世代の人は知らないと思うんですけど、我々の若いころは切手を集めるのは、ごく普通のことで、ほとんどみんな集めていたんですよ。もちろん私も切手収集が趣味で、『お店の名前を郵便局にした以上は、切手を売らないといけないな』と思って、猫の切手を集めるようになりました。今ではお店で販売するためのコレクションと、自分用のコレクションを、それぞれ別に集めています」

■福本’s 希少な猫切手コレクション■

着物を着た猫が描かれた浮世絵が印象的な切手

着物を着た猫が描かれた浮世絵が印象的な切手です。「平成」「昭和」という漢字の上に、「Showa Emperor Hirohito」「Emperor Akihito – Heisei Era」とのアルファベット表記。いったいどんな経緯で作られた切手なのか気になるところですが、これについて福本さんは「情報がなく、どういう切手なのかよく分からないのです。でも、シートから切り取ったら価値がなくなってしまうことは確かですね」とのこと。

不思議な形をした猫の姿の切手

一見したところ不思議な形をした猫の姿が描かれていますが、福本さんは「この猫は南極の形をモチーフにしているのではないか」と推測。猫切手には、その制作された背景に思いを巡らす楽しみもあるようです。

■福本’s 思い入れのある猫切手コレクション■

すやすやと眠る猫がモチーフとなった、あたたかい雰囲気の一枚

すやすやと眠る猫がモチーフとなった、あたたかい雰囲気の一枚。なんでも背景の赤は、郵便ポストなんだとか。「故・山城隆一先生の作品を使った切手です。先生も切手が好きで、作品の中にも切手をコラージュとして使ったものがあるんですよ」

■福本’s 変わり種の猫切手コレクション■

“オッドアイ”と呼ばれる眼を持つ猫が描かれたシート

変わり種として紹介してくれたのが、左右で色が異なる“オッドアイ”と呼ばれる眼を持つ猫が描かれたシートが印象的な、マレーシアの切手2セット。「オッドアイの猫は幸運を呼ぶと言われているんです」と福本さん。これもやはり、シートから切り離しては価値が無くなってしまうそうです。

猫切手を集めるためには運も必要

今回その一部を紹介してもらった福本さんの猫切手コレクションですが、なんでも猫切手を集めるのには一苦労があるそうで…

「切手の世界には、“猫”というジャンルは確立されていないんです。動物のなかでも犬や馬は人気があるのですが、猫を専門に集めているような人や、猫の切手を扱った情報はほとんど無くて。そのぶん、猫切手は一つひとつの値段がそんなに高くないのですが、探すのはとても大変です。コレクションするのに必要なのは、8割が努力で、残りの2割が運ですね」

福本さん

雑貨や写真集などにおいて猫は人気ジャンルながら、意外にも切手の世界では決して人気のあるモチーフではないのだそう。インターネットで検索すればどんなことでも調べられそうな現代においても、猫切手に関する情報は極めて少ないようです。

「切手を集めるためにネットオークションも利用しますが、東京では月に一度“切手市場”というものがあるので、そこに出向いています。また、目白にある切手博物館でも、切手の購入ができます」

このように“足と時間”を使ってコレクションしている猫切手ですが、そのコレクションがもたらしてくれた新しい出会いもあるのだそう。

「最近、海外のお客さまが増えたんですよ。もともとうちのお店では、猫切手を70円分セットにして売っているんですけど、それは70円でエアメールを送れるからなんです。そうしたらどこからか情報が広まって、香港や上海、台湾からのお客さまが増えまして。うちで猫の絵葉書を選んで、猫切手も選んで、店内に設置してあるポストの置物に投函して、エアメールを送る…ということをやりたくて、お客さまが来てくれるようになったんです。実はポストの置物から私が取り出して、本当のポストに投函しに行っているんですが(笑)。猫切手がきっかけで国際交流ができているのが、最近はとても楽しいですね」

海外のお客さんがエアメールを投函するという、ポストの置物
海外のお客さんがエアメールを投函するという、ポストの置物

切手の分野ではまだ開拓されていない猫の世界。それをきっかけに日本だけでなく国外からもお客さまがやって来るのだといいます。なんでも最近は、切手収集を趣味にする“切手女子”も増えているのだとか。

最後に福本さんに集めた猫切手の楽しみ方と、次に手に入れたい切手を聞きました。

「単純に眺めるという楽しみ方もありますが、アルバムを作るのが楽しいですね。整理とはまた違って、写真集や画集を作るように、ページ内に猫の可愛さを表現しながらバランスを考えて猫切手を配置していくんです。

そして、これから手に入れたいアイテムは切手ではないのですが、最近は百年ほど前の猫好きな人たちが書いた猫のモチーフの絵葉書を集めていて。何が書いてあるのかは分からないものが多いのですが、今後は猫の絵葉書に猫切手を貼った、世界で最初の“猫マニアの手紙”を探したいと思っています」

取材後、福本さんはついに“世界最初の猫切手”を入手したとのこと。切手はお店で公開しているそうです。

時代も国境も越えて人々を魅了する、猫切手。お店に足を運べば、その魅力の一端に触れることができるかもしれません。

招き猫
■コレクター's データ■
  • コレクション:猫切手
  • コレクション歴:約3年
  • コレクション数:約400種類
  • 費やした費用: 約5万円

Information

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「猫切手&猫絵葉書セット」
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【応募方法】
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※フォローをはずされた場合、抽せんの対象とはなりませんのでご注意ください。
【募集期間】
2016年3月12日(土)00:00~2016年4月30日(土)23:59まで
【賞品発送時期】
2015年5月中に発送を予定しております。当せん者には、Twitterのダイレクトメッセージにてご連絡のうえ、発送させていただきます。
【当せん発表】
ダイレクトメッセージのご連絡をもって発表に代えさせていただきます。

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