特集
2016 Jun.22
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.140
化粧水パックは×!? 3ステップだけで好感度◎の肌に!
皮膚科専門医が教える、本当のお肌のキモチ
肌はあなたを伝える“名刺”。清潔感ある肌は男女問わず、初対面での好感度を高めるポイントです。でも、さまざまな美容情報が飛び交い、何を信じていいかわからなくなっている人も多いのでは?本当に正しいスキンケアの常識を、東京女子医科大学教授・医学博士の檜垣祐子先生にうかがいました。
お肌のトラブルの原因は
やりすぎケアのせいだった?
吹き出物やシミなどよくある肌トラブルから、深刻な皮膚疾患まで“お肌の悩み”に寄り添ってきた檜垣先生。症状や悩みは人それぞれですが、ほぼ共通して伝えるアドバイスがあるそうです。それは「できるだけ何もしないであげて」という、意外な(!)スキンケアの大原則です。
「“肌はケアすればするほどキレイになる”と思い込んでいる方が多いのですが、実はこれが、肌トラブルの元。スキンケアは一歩間違うと、かえって肌の負担になることもあると理解してください。最近の傾向として、多く見られるのは『洗いすぎ』『保湿しすぎ』『こすりすぎ』の“3過ぎケア”です」
スキンケアで頑張ってきたことが、じつは逆効果だった…という可能性も!?いつのまにか、あなたもやっているかもしれない“3過ぎケア”について詳しく聞いてみましょう。
知らずにやっているNGケア
お肌をいじめる“3過ぎケア”とは
【洗い過ぎ】洗顔のすすぎ、完璧を目指すのはNG
「美肌の基本は、徹底した洗顔にあり」――そう信じて、洗顔信仰に陥っていませんか?
「洗顔料で洗った段階で、肌の余分な皮脂は、ほぼ取れています。さらにすすぎで洗い続ければ、肌を守る皮脂や角質層まで洗い流し、最も大切なバリア力を奪ってしまうのです」
顔を洗うとき、皮脂や洗顔料を完全に落とそうと躍起になって30・40回とすすぐのは、肌トラブルを誘発しやすいとか。敏感肌や乾燥肌の悩みを抱える人が、実は洗いすぎが原因であることも少なくないのだそうです。
【保湿し過ぎ】化粧水パックで、まさかのくすみ肌!?
化粧水をたっぷり含ませたコットンで肌を潤すと、ふっくらとみずみずしくなったように感じますが、これはあくまで一時的な効果だと檜垣先生は指摘します。
「例えるなら、干しぶどうが水分を吸って一時的に水分が蓄えられたような状態。肌の水分保持力そのものがアップしたわけではありません。乳液やクリームでフタをすることである程度キープできますが、美容成分の多い化粧品の塗りすぎには注意。健康な肌を保つ常在菌のバランスを崩して、赤みやニキビ、湿疹などを生じやすくしてしまいます」
そして、保湿のし過ぎは「ゴワゴワのくすみ肌」の原因となることも。
「過度の保湿ケアをすると、本来はがれ落ちるべき古い角質が停滞し、かえってゴワゴワした、くすみ肌になることがあるのです」
【こすり過ぎ】ほんのり赤くなった肌は、危険信号!
化粧品をつけるとき、しつこくパッティングしたり、ゴシゴシと肌をこすったりするのは危険行為。
「こすったり、叩いたりしても、その刺激で肌が若返ったり、化粧品の浸透効果が高まることはありません。スキンケアを頑張って肌がほんのり赤くなるのは、お風呂や運動で血行が良くなる現象とは異なり、肌が異常を察知しているトラブル寸前の症状なのです」
「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいますが、お肌にとって“3過ぎケア”は大迷惑。この“3過ぎ”を改めるだけで、長年のお肌の悩みが解消したという方も多いようです。
お肌が望む、3ステップスキンケアで
本来のキレイを取り戻そう!
それでは、肌にとって“ちょうどいいスキンケア”とはどのようなものでしょうか? 檜垣先生が推奨するのは、いわば〈手抜きケア〉。「肌は洗わないといけない」「肌は保湿しないといけない」という思い込みを一度リセットすることを勧めます。
「肌自ら潤いを保つ力がありますし、実はお肌は、毎日洗わなくても大丈夫。いっそお肌の状態が思わしくないときは、『洗わない』のも選択肢の一つ。肌は回復のチャンスを与えられ、調子はおのずと整ってくるはずです」
とはいえ、女性はメイクをしますし、外気の乾燥、排気ガスや紫外線に肌を晒され、肌の自活力が間に合わないこともあります。そこで檜垣先生が提案するのは、“3ステップスキンケア”です。
ステップ1【適度な洗顔】ふんわり泡洗顔&すばやく洗い流す
洗顔は「いかにお肌に負担をかけずにやさしく洗うか」が肝心。お肌に負担をかけにくい洗顔法として、オススメなのは「泡洗顔」です。
「洗顔料をしっかり泡立てて、泡を指とお顔のクッションにして、直接肌をこすらないように洗います。すすぎはお肌と同じぐらいの38度ぐらいのお湯がベスト。30、40回もすすぐ必要はなく、10~15回で十分です。洗顔料はケチらず、規定量を使うことも大切。量が少ないと泡が足りず、こすり洗いになりやすいのです。肌が弱い人ほど、たっぷりの泡で洗うよう心がけましょう」
さらに、短時間で落とすのも洗顔のポイント。とくに洗浄力の高いメイククレンジング剤は肌に乗せてから洗い流しまで1~2分以内に済ませましょう。ときおり時間をかけてマッサージする人もいますが、マッサージクリームとは成分が違うのでマッサージはNGだそうです。
ステップ2【適度な保湿】手の感覚を頼りに、必要な分だけ補えばOK
肌は、自ら“天然の美肌クリーム”をつくり出しています。原料となるのは、汗と皮脂。その天然の美肌クリームが足りないときに、補ってあげるのが保湿化粧品の役割なのだとか。
「ざっくり分けると、化粧水は汗に近いもの、クリームは皮脂、乳液は汗と皮脂の混じりあったものという位置づけです。たとえば、乾燥しやすい冬はクリームを使い、夏は乳液でさっぱり潤す、など季節や肌のコンディションによって使い分けるといいでしょう」
化粧品を手のひらにのばし、頬、額、あご、目のまわりにやさしく押さえつけるように浸透させましょう。スキンケアをするうえで、一番のセンサーとなるのは手のひらです。
「朝起きたときや洗顔後、お顔をやさしく両手で包むようにさわって、そこからスキンケアを選びとってください。肌の乾燥を感じるときは乳液をクリームに変えてみたり、お肌が弱っているときはぬるま湯でさっと洗ったりするだけでもOK。ご自分が気持ちいいと感じるのが“ちょうどいいスキンケア”です」
ステップ3【紫外線ケア】肌老化を予防する、もっとも効果的なケア
最新の皮膚科学では、肌老化の7割は日焼けによる「光老化」が原因とされています。いつまでも若々しい肌でいたい人は、紫外線ケアはマストといえそうです。
「ふだん日の当たらない腕や太ももの内側は、なめらかでハリのある肌ですよね。この肌の状態が、本来の生理学的な肌老化の進行度合い。肌のアンチエイジングを考えるなら、紫外線ケアを最優先順位においてください」
紫外線予防に欠かせないスキンケアアイテムといえば、サンスクリーン(日焼け止め剤)。檜垣先生が以前、女性のサンスクリーン使用状況を調査したとき、あきらかになったのは「塗りムラ」が多いこと。
「一度にたっぷり肌に乗せていませんか? かならず鏡を見ながら、顔の各部位に小分けにして塗ってください。そうすることで塗りムラがなくなり、塗り広げる際の肌の摩擦も最小限に防げます」
シミの気になる部分は、重ね塗りをしてしっかりガードすると効果的。また、パッケージに記された用量を使わなければ、十分な効果は期待できません。
「商品によって異なりますが、お顔に塗るのは、こんもりとした10円玉分ほどの量が目安。そして、日に当たることで紫外線カット効果はどんどん消失し、汗や摩擦でもかなり落ちるので、効果の持続はせいぜい2~3時間と心得ておいたほうがよさそうです」
―「適度な洗顔」「適度な保湿」「紫外線ケア」、肌が本当に必要としている“3ステップケア”は、とてもシンプルでした。
「美しい肌は、特別なケアをしなければ手に入らないものではありません。子どもの頃、なめらかな肌をしていたように、みんな肌本来のキレイをもっています。その本来の美肌を引き出すのが、この“3ステップケア”なのです」
ビジネスシーンでもプライベートでも、清潔な第一印象を与えたいのは、誰もが望むこと。朝起き抜けに肌をさわってお肌のキモチを感じてみることから、美肌ケアを始めてみませんか?
Information
- 檜垣 祐子(ひがき ゆうこ)
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東京女子医科大学教授・東京女子医科大学附属女子生涯健康センター副所長。専門はアトピー性皮膚炎、皮膚心身医学。女性の視点に立ったきめ細かな診察と、患者の心理面にも配慮した診療に定評がある。主な著書に『皮膚科専門医が教える やってはいけないスキンケア』(草思社)、『もっとよくなるアトピー性皮膚炎』(南山堂)など。
『皮膚科専門医が教える やってはいけないスキンケア』(草思社)は、間違った美容常識や“3ステップケア”の詳細、肌のタイプ診断、そして、心が肌に与える影響まで、お肌の気持ちがわかる究極の美肌入門書。
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