特集
2018 Aug.24
SURUGA Cycle Journal Vol.27
一泊二日で「沼津ナイト&ライド」を楽しむ

沼津市に「7」、沼津市を含む3市1町に「150」
いったいこれは何の数字でしょう?このコラムはスルガ銀行ロードバイクプロジェクトがお送りしていますので、もちろん、自転車に関係しています。今号は静岡県の伊豆半島の玄関口、沼津市でできる手軽で楽しい遊び方を提案します。数字を紐解きながら見ていきましょう。
仕事を終えたら沼津へGO!
沼津市には市街地のすぐ近くに大きな港(沼津港)があり、市内には水揚げされたばかりの魚を楽しめる飲食店が軒を連ねています。すし屋さんがあり、地酒屋さんも多く点在しています。
さて、そんな沼津市ですが、街には昔ながらの本格的なBAR“オーセンティックバー”が多く点在します。市内にあるオーセンティックバーを気軽に楽しんでいただける取組み「NUMAZU BAR TRIPS」も展開されています。冒頭の“沼津市に「7」”とは、「NUMAZU BAR TRIPS」に登録されているオーセンティックバーの数なんです。7軒あります。静かな雰囲気の店内には、カウンターがあり、熟練のバーテンダーが迎えてくれます。
「マスター、いつもの」で会話が通じてしまう大人の空間です。ムフフ。
サイクリングの魅力は走る街の歴史や風景と出会うこと。その前夜にバーでマスターと大人の会話を積み重ねながら街を知り、翌朝からサイクリングというのは、知識欲&フィットネスの両方を満たせる、週末の素敵な過ごし方ではないでしょうか。沼津市は東京から約1時間の距離。仕事を終えて出発しても十分に間に合います。
今回、沼津の夜と昼を楽しむ「沼津ナイト&ライド」を案内していただいたのは、東横INN富士山沼津駅北口1、2の支配人を務める千葉秀美さん(写真手前)。沼津市職員の小河僚さん。

「沼津の週末は、出張で来ているビジネスパーソンの方が帰り、宿の予約は比較的取りやすいと思います。」とは千葉さん。そう、金曜日の夜はねらい目なのです。東横INNは週末を始め、ゴールデンウィークやお正月でも特別料金の設定がなく、年間を通じて一定料金で利用できるんです。
7軒あるオーセンティックバーまでの道のりが不安な方は、タクシーを利用するのが手。
「沼津BAR TAXI認定乗務員」が連れていってくれます。

「TOM’S BAR(トムズ バー)」。
オーナーの坪田 智さんは世界のバーテンダーが腕を競い合う
「フレアバーテンディング・カクテル・コンペティション」の世界大会でカクテル部門2位に輝く。
熟成蔵をイメージして作られた店内、今日一日をリセットして次の日を迎えられるという空間を提供してくれるお店

入口も大人の雰囲気のある佇まい。

食事も楽しみの一つ。沼津駅北口の「海老や」は新鮮な刺身が食べられるお店。
東横INN 富士山沼津北口2から至近。

南口なら楽菜喜酒「わど」。
沼津港で揚がった魚に加えて、山椒をかけて食べる餃子が名物で、さっぱりしていておいしい。
沼津~修善寺の移動に最適
狩野川サイクリングロード
次は“沼津市を含む3市1町に「150」”のお題です。3市1町とは沼津市、伊豆の国市、伊豆市、函南(かんなみ)町のことです。もしかすると、沼津市を自転車で走ったことがある人ならピンとくるかもしれません。「あれ、ここも。そういえば、あそこも……」と。
実は「150」というのは、サイクルラックや空気入れ、簡単な工具を備えたバイシクルピットの設置数で、サイクリングの途中に休憩やメンテナンスのために利用できる施設です。ここ数年の間に、静岡県東部、伊豆半島、さらには静岡県中部にまで大きく広がっています。

バイシクルピットのロゴ
サイクリングは沼津市内を流れる狩野川に架かる、あゆみ橋からスタート。沼津市の街並みを眺めながらのんびりポタリングできます。天気も良くサイコーです。
狩野川沿いにはサイクリングロードが整備されていて、沼津市から伊豆の修善寺まで続いています。

宿泊した東横INN富士山沼津駅北口2もバイシクルピットを設置。フロント横に施錠できるスペースが用意されています。JRでも車でもアクセスが良く、ビジネスだけではなく、今回のような週末を楽しむ大人サイクリストの遊びの拠点にもなってくれるホテルです。真ん中の写真の男性は、今回ふたりのサポートを務めてくださった沼津市職員の横山憲利さん。沼津市の自転車振興をパワフルに引っ張る方(インタビュー後述)。

沼津市役所の職員で構成された「サイクリストフレンドリーエリア創造プロジェクトチーム」のメンバー。
見送りに駆けつけてくれました

スタッフのみなさんが使う公用車。派手で目立ちます(笑)
沼津市は江戸時代には東海道の宿場町として栄え、伊豆半島や富士山観光の拠点、保養地としても知られてきました。駿河湾を臨む海岸沿いには1893年に建てられた沼津御用邸があります。

沼津御用邸は1969年まで使用され、1970年から沼津御用邸記念公園として整備され、
市民の憩いの場となっています。

沼津市の花に指定されている「はまゆう」は、海岸砂地に生えるヒガンバナ科のお花。
狩野川をしばらく走って「NUMAZU サイクルステーション静浦東」に到着。ここは廃校となった小学校の校舎を整備して有効活用しています。伊豆半島のサイクリングコースや地域の案内パンフレットなどを用意しています。クロスバイクのレンタルも受付しており、年々、利用する方が増えています。
この日、ふたりが乗っている自転車は「DE ROSA(デローザ)」。千葉さんが「FEDE(フェデ)」、小河さんが「IDOL(アイドル)」。おふたりともサイクリストです。
静浦東のサイクルステーションから再び狩野川サイクリングロードに戻って自転車を走らせます。次の目的地は修善寺です。修善寺はお寺と温泉の和のイメージが強いですが、洋の文化もあります。趣のある教会は、ぜひ訪れていただきたいスポットです。

サイクリングでは大きめのマップが1枚あると
位置関係がわかりやすい

クロスバイクのレンタルが充実

狩野川から見える伊豆の国市の城山(じょうやま)

スルガ銀行ロードバイクプロジェクト担当Tのおすすめがこちら。
伊豆市の修善寺にある、修善寺ハリストス正教会顕栄聖堂です。
ひっそりとした佇まいながらも厳かな雰囲気があり、心が洗われます!
沼津生まれ、沼津育ちが教える
戸田と堂ヶ島の名スポット!
修善寺から狩野川サイクリングロードを離れて西へ、戸田(へだ)を目指します。この先は身体にピリッと刺激がほしい方にうってつけのコースです。県道18号線から約12km平均勾配5.5%を上ります。ハイ、達磨山~戸田峠までのヒルクライムです。なんだかんだいってみなさんお好きですよね、上り……。
戸田峠を越えれば、このあとは爽快なダウンヒルです。緩いカーブあり、大きく回り込んでいるカーブあり、さながら自転車版ジェットコースターです。

達磨山のレストハウスの眺め。
眼下に駿河湾が見える

達磨山から数キロで戸田峠。
小河さん喜びのジャンプ(!?)
峠を下ったところにある「道の駅くるら戸田」でひと休憩。先に紹介した、沼津御用邸記念公園、「NUMAZU サイクルステーション静浦東」と同じく、ここもバイシクルピットに指定されています。飲料の自動販売機を見ると、ジュースとともに自転車用チューブも販売。施設の利用時間外でも購入できる配慮がありがたいです。名物は地元名産の戸田の塩を使ったアイスクリームです。
戸田の海は水深が深いことで有名で、深海魚やタカアシガニが名物です。ランチは深海魚を美味しく料理してくれる「魚重食堂」でいただきました。「珍しいものが食べられる」と観光客からも人気です。


汗をかいたあとにちょうど良い「戸田塩じぇらーと」。甘じょっぱい不思議な味

足湯もあります。疲れた足がフワッとする解放感、たまりません。

お昼は魚重食堂へ。深海に生息する海老を使った、おろし海老天丼を食します。
大根おろしが付いていてさっぱり。
お腹もいっぱいになったところで本日のサイクリングスポットの案内は終了、と思いきや沼津生まれ沼津育ちの横山さんからひとつ提案が。「私のお気に入りの場所に行きませんか」、と。それが「健康の森展望地」です。地元の人の間で、富士山のビュースポットとして有名なところです。戸田国民宿舎のバス亭横に入り口があります。通りかかった際はぜひどうぞ。

健康の森 展望地から眺め。港の湾と海のキラキラ輝く感じもイケてます。
最後にサイクリングの立ち寄りスポットをもうひとつ。千葉さんにも教えていただきました。千葉さんも沼津生まれ沼津育ちです。戸田から少し遠くに離れますが、西伊豆の堂ヶ島にある「沢田公園露天風呂」です。目の前に広がるのは断崖絶壁から臨む海。スリルを味わいながら温泉と絶景を楽しめます。ただ、風が強いのでタオルを飛ばされないように注意。後日、撮影に赴いた担当Tは飛ばされてしまい、素っ裸のまま風に当たって乾かしたそうです(笑)。

町営の温泉施設。入浴料は大人600円
一泊二日の「沼津ナイト&ライド」いかがだったでしょうか?
今回は前夜から翌日までアクティブに動きましたので、時間が許せば「もう一泊しちゃう?」と言いたいくらい、沼津から伊豆方面は走る場所、見るべき場所が多いです。
仕事が忙しい方も一度「エイヤッ」と出かけてしまいませんか。きっとリフレッシュして帰ってこれますよ。
サイクリストフレンドリーエリア創造プロジェクトチーム
沼津市産業振興部観光戦略課スポーツ観光推進室 主査
横山憲利さんから“ヒトコト”

2020年、東京オリンピック/パラリンピックの自転車競技が伊豆市で開催されることを契機に、伊豆の玄関口である沼津市は自転車を通じたまちづくりを始めました。それが「サイクリストフレンドリーエリア創造プロジェクト」です。
今から3年前、私は市職員として市の学校施設を管理する担当をしていました。廃校になっていた静浦東小学校を「自転車の施設として活用したらどうか」と考えて生まれたのが、「NUMAZU サイクルステーション静浦東」です。当時の副市長にプレゼンを行なって2016年4月に採択されたのち、翌年の3月にはオープンさせました。そして、この場所を起点に自転車×フェリーを使った「ぐるっとぬまいち」サイクリングや、スルガ銀行と「Tour de SURUGA沼津狩野川ステージ」などを矢継ぎ早に開催。これまで何も実績がなかった状態からレンタサイクルを導入して年間1,400人ベースの利用者を生み出し、バイシクルピットの設置数を150まで拡大するなど、プロジェクトチームのメンバーとともに走り続けてきました。
現在、サイクリストフレンドリーエリア創造プロジェクトチームには13人の中堅・若手職員がメンバーとして携わっています。ここ数年の間で、沼津市の自転車の環境は大きく変わりました。これからも「走って楽しい、見ても楽しい」街づくりを進めていきたいと思います。
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Information 1
- サイクリストフレンドリーエリア創造プロジェクト
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東京2020オリンピック・パラリンピック自転車競技の一部会場が伊豆市となることを契機に「海越しの富士山が見える日本有数の景観」等の魅力を発信し、沼津・伊豆エリアをサイクリストや観光客が選ぶ、日本一・世界一のサイクリストフレンドリーエリアに育てるプロジェクトで、沼津市役所の中堅・若手職員を中心に構成している。
- バイシクルピット
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自転車利用者に自転車修理工具や空気入れの貸出や休憩場所の提供等のサービスを提供するものであり、バイシクルピットとして登録を受けた施設。現在155か所が登録。
- 東横INN富士山沼津駅北口1
- 東横INN富士山沼津駅北口2
-
館内1Fに駐輪室があり、宿泊時には自転車を預かってもらえます。
https://www.toyoko-inn.com/search/detail/00144/
- NUMAZU BAR TRIPS
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バーの紹介、場所、NUMAZU BAR TAXIの連絡先まで。こちらのサイトを見れば、今夜のバーを決めることができます。
- 楽菜喜酒 わど
- 道の駅 くるら戸田
Information 2
- DE ROSA(デローザ)
-
1953年に創立したイタリアンブランドの雄。ハートのロゴマークでも知られ、これには、フレーム作りは最新の技術や素材でなく、自転車への情熱が大切という思いが込められている。大量生産を取らず、一台々々を丁寧に製作する職人気質を貫いています。
アイドル レヴォ コンプリート モデルロングライドからレースまで幅広く対応するオールラウンドモデル。独創的な弓なりのトップチューブ形状を採用しています。レヴォとは、トップチューブ上面やチェーンステーにワンポイントの「レヴォ柄」を配した特別モデルで、より個性的なデザインとなっています。
フェデこれからロードバイクを始めたいという方に向けた扱いやすいモデル。乗る人の体型に合わせて、フレームに装着されるクランク長を異なるものにするなど、フィッティングも配慮されています。ゆったり乗りながらロングライドを楽しめます。
- KASK
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イタリアのヘルメットメーカー。今回ふたりが被ったPROTONE(プロトーネ)は、トップカテゴリーで勝利を重ねるチームスカイと共同開発したものです。KASKは自転車ヘルメットの他、スキー、登山など、様々な分野のヘルメットを製造しています。
Information 3
- ロードバイク購入ローン
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ロードバイクは、一度手に入れれば長く愛車として乗ることができます。スルガ銀行のロードバイク購入ローンなら、一般的なクレジットカードのリボ払いや分割払いよりもお得。対象は自転車やサイクリングウェア、パーツ、アクセサリー類など。サイクリングやロードレース、トライアスロンなどに必要なすべてのグッズがご購入できます。返済は最長120回。ご自分に合った返済プランを組み立てることができます。
- スルガ銀行ロードバイクプロジェクト