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2013 Mar.8
No Place Like Home by 東京R不動産 Vol.6

そうだ!海沿いに住もう!
~探す~
湘南で得られるもの、それは
「自由で排他性のない暮らし」

「海の近くに住む」。誰もが夢見る暮らしをすでに実践している人々がいる。
シリーズ『海沿いに住もう!』では3回に渡って人気の湘南エリアを特集します。第1回目のゲストは『稲村ケ崎R不動産』の藤井健之氏にご登場いただき、不動産のプロから見た「湘南暮らし」をお伺いします。東京から電車でわずか1時間の湘南エリア。
人々がイメージする「湘南」的風景はどこにあるのか?物件さがしにおすすめの場所はどこか?
また湘南に移住するのに必要な心構えとは?
核心に迫った本音トークをどうぞ!

聞き手
高野 裕太(スルガ銀行d-laboスタッフ)
吉里 裕也(東京R不動産ディレクター)
長崎 義紹(パラグラフ代表)
語り手
藤井 健之(稲村ケ崎R不動産ディレクター)
そうだ!海沿いに住もう! ~探す~ 湘南で得られるもの、それは「自由で排他性のない暮らし」

「海」を感じる生活の効用

長崎今日のテーマは『海沿いに住もう!』です。ネットやスマートフォンの普及でどこでも仕事ができる時代になったし、これからは東京などの大都市に縛られない生活がひとつのライフスタイルになってくると思われます。そういうとき、人々の頭に浮かぶのが「海」。湘南は東京にも近く、移住している人もすごく多い。藤井さんご自身もこうした東京からの移住組の1人ですし、今日は実際に暮らしてみるとどうなのか、どこに物件を求めればいいのか、生活者と不動産業者の2つの観点からお話をしていただきたいと思っています。

藤井いきなり話がそれてしまいますが、実は今、長野県に家をさがしているんですよ。

藤井 健之さんインタビューの様子左から吉里さん d-labo 高野

吉里藤井さんは登山も好きですものね。

藤井何が言いたいかというと、好きな場所に暮らすという意味において湘南という場所はシミュレーションに最適なんです。東京からここに移住すると「あ、動けるじゃん」って気がつくんです。まだ現役世代で、老後は田舎暮らしがしたいと考えている人は一度湘南に引っ越して来るといいかもしれません。自分に自信がつくはずですから。

高野不動産のマーケットとしての湘南にはどんな特徴があるんでしょう。

藤井普通はどこの町でも坪単価というのは駅から離れて行くと同心円状に下がってゆくものですが、湘南の場合は一度下がったものが海に近づくとまた上がってくるといった特徴がありますね。「駅近」と「海近」という2つの人気エリアがあるんです。

吉里辻堂なんてその典型ですね。ただ「海近」を選ぶと駅が遠く、利便性が悪くなるんですよね。

藤井湘南に引っ越そうと考えている人は、まずこの時点で究極の選択を迫られるわけです。「海が見たい」と思って移住するんだけど、一方では東京に通勤もしたい。価格のこともあって、結果的には駅と海の中間辺りに落ち着く人が多いのが実情です。

長崎僕も横須賀市の秋谷という所と都内の二拠点生活なんですが、こっちに来るとバスと自転車が大活躍ですよね。まあ、秋谷は山なんで電動アシスト付きじゃないときついんですが。

藤井茅ヶ崎や鵠沼、あと鎌倉の中心部なんかは平地だし自転車で動けますね。だから駅から少しくらい離れてもなんとかはなる。それとバスに慣れればかなり便利に感じるかもしれません。乗っていても都会に比べて気持ちいいですしね。

高野お話を聞くと、「海が見たい」のに海の見えない場所を選ぶ人が多いみたいですね。

吉里藤井さんは鎌倉に来てからも引っ越しをされていますよね。海近には住んだことはあるんですか?

藤井長谷に住んでいたときは海近でした。なんか湘南に越して来ると悔しくなるんですよ。「せっかく海が近いのになんでうちからは海が見えないんだろう」って。「海見たい病」になるんです。でも実際は、海近に暮らしたとしても3日で飽きちゃうんですよね(笑)。

長崎そんなものだったりするんですよね。よほど窓にどーんと海が広がるようなすごい景色でない限りは飽きてしまう。

藤井ただ、常に近くに海がある、家は海近じゃないけれど日常の折々に海が視界にあってそれを感じるというのはいいことだと思います。うちでもよく売買の契約なんかをするときに地元の売り主さんと東京からの買い主さんとでお話をするんですが、やっぱり売り主さんの方が居住まいがゆったりされているんです。これはたぶん「海」効果だと思うんですよね。

高野湘南と一言でいっても広いですよね。『稲村ケ崎R不動産』が扱っているのはどのあたりの物件なのですか?

藤井鎌倉から東は逗子、葉山、秋谷。西に行くと鵠沼、辻堂、茅ヶ崎、大磯ですね。東海道線の南側が中心です。

吉里真鶴なんかは扱わないんですか。

藤井真鶴を含めた小田原から熱海までの地域は景色もきれいだし、おもしろい物件もあるんですが、うちのお客さんには合わない気がするんです。

長崎それはどういう意味で?

藤井まず「湘南」をイメージされて来るお客さんは「自由で排他性のない暮らしをしたい」と望んでいるんです。そういう方々からすると、あの付近は地元のコミュニティーが強過ぎると感じるかもしれない。平塚もそうで、あそこは「地方都市」なんです。それと比べると、大磯や茅ヶ崎の海側、鵠沼、鎌倉、葉山、逗子、秋谷というのは地方都市色が薄く、根ざしている文化や伝統、慣習といったものはあるけれど、別にそれに関わらずとも生きていけるんです。

高野鎌倉は京都と並ぶ「古都」ですが、その辺はどうなんでしょう?

藤井実は今並べた中でいちばん排他性がないのが鎌倉なんです。京都は歴史がずっとつづいてきたのに対し、鎌倉は鎌倉幕府が一回滅亡していてそのあとの歴史がない。現在の鎌倉は明治以降外国人が別荘を建てたりして、外からの人を受け入れてできた町なんです。

藤井 健之さんインタビューの様子藤井 健之さんインタビューの様子

吉里言われてみればそうですね。伝統や文化がありそうで、実は新しい町なんですよね。

藤井お寺や神社があって京都的な景観を楽しみつつも、煩わしいしきたりなどはない。いいとこ取りができる町なんですよ。

長崎秋谷は町内対抗運動会とか草刈り会とかありますよ。草刈りなんかに参加すると、近所の人が葱をくれたりタコをくれたりする。

藤井葉山から先は漁師さんカルチャーですよね。漁師さんといかにうまく関係性がつくれるか、これが攻略のポイント(笑)。

長崎秋谷はすごい田舎。かたや茅ヶ崎なんかは住む場所によっては杉並辺りと景色が変わらない。茅ヶ崎に移住した友人がそう言っていました。

藤井茅ヶ崎は住宅の取得価格が比較的安くて移住はしやすい。ただ区画が狭い。昔のお屋敷や農家を細かく区画するものだから町並がどんどん壊れていますね。これが問題です。

長崎その友人は秋谷に来て「俺がイメージしていた湘南はこれなんだ!」と叫んでいました。

藤井海に対して斜面があって、そこに家が点在しているというイメージをみなさんお持ちだと思うのですが、そういう絵があるのは湘南でも稲村ヶ崎と秋谷しかないんですよね。実は思いのほか安かったりもするんですが、交通の利便性は極端に悪くなる。とくに秋谷は。

長崎道も狭いですしね。

藤井そういう場所を手に入れるには、何かをあきらめなきゃいけないということです。

吉里僕らは房総の物件を扱っています。ここも同じで、気持ち良さを得られるかわりに都会的な利便性はあきらめなくちゃいけない。

藤井家というと、駅にも近くて、でも広さもそこそこあってとか、なんとなくみんなギリギリの合格点を狙うじゃないですか。湘南でそういう家を探したい人は来ない方がいい。

長崎全部が3.5点の及第点ではなく、海が目の前にあるとか、どこか1つが5点満点の家を探している人でないとダメですよね。

藤井そう、でないとせっかく湘南に来ても中途半端な暮らしになってしまうんですよ。

左から 長崎さん、藤井さん

湘南移住の鍵は「何かを犠牲にすること」

高野鎌倉に関して言うと、東京だとどの辺りから来る方が多いんですか。

藤井割に目立つのが武蔵野市、吉祥寺ですね。

長崎吉祥寺は東京では「住みたい街」ランキングでナンバーワンの街ですよね。その吉祥寺の人たちが鎌倉に来たがるというのは、具体的じゃないけど、どことなくわかる感じがする。

藤井こっちに移住して来る方々というのは、職業なんかはバラバラだったりするんですが、接していて何か共通の「感性」を持ち合わせている気がします。

吉里湘南エリア全体で見て、今おすすめの場所はありますか。

藤井逗子ですね。駅と海の間のかつて一等地だった場所の値が3分の2から半分くらいまで下がっています。難点があるとしたら海抜が低いこと。津波がこわくないという人向けですね。

長崎お客さんはご夫婦で来られる方が多いですか。

藤井大半がご夫婦やカップルです。みなさん自由でワイルドな暮らしを求めているのだけど、実現するには何かを犠牲にしなきゃいけない。それができずに妥協してつまらないところに落ち着いてしまうというケースが少なくない。これは少し残念ですね。

長崎「海沿いに住みたい」と思ったら、最初の思惑通りに突っ走った方が楽しい暮らしが待っている、ということですね。

藤井そうです。ただし何かは犠牲にしなきゃいけない。夢に描いた「海沿いの暮らし」が実現するか否か、それを左右するのはその人自身の決断力ですね。

長崎さん藤井 健之さんインタビューの様子

Information1

稲村ケ崎R不動産

鎌倉を中心とした湘南エリアにある希少性の高い物件を紹介するサイト。運営は藤井氏が代表を務める稲村ケ崎三丁目不動産株式会社。リアルの店舗は江の電稲村ケ崎駅を出てすぐ目の前、徒歩0分の場所にある。

稲村ケ崎R不動産稲村ケ崎R不動産

公式サイト
http://www.realinamuraestate.jp/

文 中野渡淳一
写真 長尾真志