地面からふわりと浮く感覚に魅せられて

「お客さまの夢を応援するのなら、自分自身も夢を追い求めることが大事!」と語る夢先案内人が夢中になっているのは、パラグライダー。支店長として忙しい日々を過ごしながらも、週末や連休には空中散歩を楽しんでいるという。

「パラグライダーって、パラシュートのように山から下りるだけだと思われがちなんですが、上昇気流をうまく捕えれば、何時間でも飛んでいられるんです。最近は主にエンジン付きの『パラモーター』で飛んでいますが、山間部だけでなく、沿岸部などの平地でもずーっと飛び続けられるので、本当に気持ちがいいんですよ!」

このようにパラグライダーの魅力を熱く語るほどハマっていったきっかけは、地元のパラグライダークラブが開催した体験会。ひとりでパラグライダーを立ち上げ、山の斜面を駆け下りたときに、経験したことのない感覚を覚えた。

「斜面からスッと足が離れ、体がフワッと浮いたんです。その瞬間『飛んだ!』と心の中で叫びました。空を飛んでみたいという、子どものころから漠然と抱いていた夢が叶ったような体験でした。あの感覚は今でも忘れられないですね」

その後もパラグライダーへの思いは強まっていき、スクール入校を決意。最高位のライセンスまで取得した。今ではパラモーターで沼津港沖や遠州灘、箱根、八ヶ岳、江ノ島、北陸の日本海沿いなど、日本各地を飛び回っている。

「雲を抜けて、富士山の上空まで飛んだこともあります。私は富士宮に住んでいるので毎日富士山は見ているのですが、真上から見た富士山って全然印象が違うんですよね。雲海から突き出た大きな噴火口を見下ろしているときは、まるで別世界にいるような気持ちでした」

パラグライダーで培った視点をお客さまにも

富士山がまるで違うものに見えたように、見慣れた風景から新たな表情を引き出してくれるのは、パラグライダーの大きな魅力のひとつ。

「江ノ島も、表から見る顔と、裏から見る顔は全然違います。陸地から見るとやさしい印象なんですけど、海側は波に浸食された地形の荒々しさが目立つんです。こういう風景を見ると、ものの見方って一面的ではダメだなって思いますね」

また、一緒にフライトを楽しむパラグライダークラブのメンバーも、異なる視点を与えてくれる存在だ。大学教授やカメラマンなど、様々な業種で活躍する仲間たちと飛んでいると、景色の見え方や考え方の違いに刺激を受けることも多いという。

「空に魅せられた仲間同士ということもあって、いろんな人と仲良くさせてもらっているのも私の財産ですね。たとえば大学教授だと、海を見ていても赤潮の発生だとか、その原因となるプランクトンに目が向いているのが、すごくおもしろかったりする。地方のクラブの人たちとも交流がありますが、訪れると皆さん快く迎え入れてくれて、地元の情報や宿泊場所を提供してもらっています」

こうした視野を広げる経験は、当然業務にも影響するようだ。仕事においても、物事を細かく分析的に見る必要もあれば、俯瞰して全体像を見たり、長期的に先まで見通したりする必要もある。

「ひとつの見方に縛られないことは意識していますね。夢先案内人として、夢を持つお客さまに対して、目の前の問題だけにとらわれず全体を見てご提案する、現時点だけでなく将来まで見据えたうえでアドバイスする。そういった考えを心がけています。金融のプロとして、お客さまの心に寄り添うだけでなく、専門家ならではの視点も提供していきたいですね」