特集
2012 Apr.18 d-labo Dream Interview Vol.2
遊びの達人に聞く!
アウトドアライフのススメ
快適生活研究家 田中ケンさん
一人ひとりの夢をカタチにする。d-laboは、自分のこれからを変えたいという『change』、じっくりとライフスタイルを考えたいという『think』、もっと自由に人生を楽しみたいという『play』をキーワードに、新しいライフスタイルを創造していきます。
今月はd-laboのコンセプトを体現されている3名の方々をご紹介。第2回は「play(=人生を遊ぶ)」をテーマに快適生活研究家の田中ケンさんに登場していただきます。キャンプ、登山、カヌーなど、アウトドアのエキスパートである田中さん。遊びの達人に、アウトドアライフの魅力と楽しみ方のヒントを伺います。
聞き手:スルガ銀行 d-labo担当者 杉山拓也
![遊びの達人に聞く!アウトドアライフのススメ 快適生活研究家 田中ケンさん](../img/sp04/main_img_special04.jpg)
アウトドアこそ「究極の遊び」
d-labo田中さんは若いころはモデルとして活躍されていました。モデルというと都会的でおしゃれなイメージがあります。それがなぜアウトドアを楽しまれるようになったのでしょうか。なにか原体験的な出来事があったのでしょうか。
田中原体験というと子ども時代ですね。僕の家は父親が旅行業者で、1年の半分くらいは家にいなかったんです。その代わり、一緒にいるときは僕たちによく接してくれました。家族旅行というと、山に行ってコテージに泊まって、親父のつくってくれた料理を食べたり、みんなでバーベキューをやったりするような家族でした。ただ、小学校に入ると僕はサッカーを始めてしまったので、そういった遊びからは離れてしまったんですね。モデルになってからも遊ぶのは街の中が中心でした。
d-labo高校時代からモデルの仕事を始められ、23歳くらいからアウトドアにのめりこんでいったと伺いました。
田中そう。23歳のときにモデルの先輩に山中湖のマラソン大会に出ないかと誘われたんですよ。泊まりはテントを張ってキャンプだっていうんで、とりあえず言われるまま寝袋だけ登山用品店で買って参加しました。そうしたら、これが思った以上に楽しかったんです。
![遊びの達人に聞く!アウトドアライフのススメ インタビューの様子1](../img/sp04/img_entry_01.jpg)
d-laboコテージの体験はあってもテント泊となると初めてだったんですね。どのように楽しかったのでしょうか。
田中キャンプでの食事なんて大して期待していませんでしたけど、先輩が凝る人でメキシコ料理のフルコースを振る舞ってくれたんです。クーラーボックスにはワインが冷えていて、それを飲みながらみんなでおいしい料理を食べ、語り合うというのがとても楽しかった。自然の中というシチュエーションがまた最高でした。そういえば子どものころはこんなことをやっていたな、親父はこういう楽しさを教えてくれていたのか、と思い出したりもしました。次の日は次の日で、マラソン大会で走ったあと湖でカヌーを漕いだのです。なんだか映画のように格好いい世界で、「これこそ究極の遊びだ」と思いました。あとはもう一直線にアウトドアにはまって、気がつくとそれを専門とする会社まで設立していました。
スタートは欲張らずに
d-labo仲間と楽しむキャンプというのは独特のものがありますよね。私もときどき高校時代の仲間とキャンプに行って、みんなで焚き火を囲んだりします。そこでの会話がきっかけとなって「みんなでバンドをやろう」とか、そういう思いがけない展開があったりするんです。
田中友達同士にしても家族にしても、焚き火しかなくてほかになにもない空間で話していると、普段は出てこない言葉が出てきたりするものですよね。「こんなことを考えていたのか」といった意外な発見がある。これもアウトドアのおもしろさですね。
d-laboその他には不便さを楽しむというか。最初はみんな電源があったりテニスコートがあったりと便利なキャンプ施設に行くけれど、経験を重ねるうちに余計なものがないところを選ぶようになっていく。
田中僕も家族でキャンプ旅行をするときは、なるべく人のいない、不便な場所を探しては足を運んだものです。カヌーをやるのに人里離れた川原とか、山の中とか。子どもたちにしても、そういった場所のほうが工夫することを覚えるんですよ。たとえば1日に使える水が10リットルしかないとすれば、節約して使うことを学ぶ。結果、どうなるかというと、家に帰っても水道の水を無駄遣いしなくなるのです。
![遊びの達人に聞く!アウトドアライフのススメ インタビューの様子2](../img/sp04/img_entry_02.jpg)
d-laboアウトドアを体験するとものの考え方が変わる。日常にもフィードバックされるわけですね。一方で、アウトドアというと一般の人には敷居が高かったりします。興味はあるけど二の足を踏んでいるといった人たちに、なにかアドバイスはありますか。
田中アウトドアライフというのは「食」「住」「遊」の3つが基本です。最初から3つともこなそうとすると難しい。初めての人はどれか一つから楽しむといいですね。野外での食事に重点を置くなら宿泊はコテージにするとか、テント泊の雰囲気を満喫したいなら、遠出をせずにキャンプ場の敷地内で遊ぶとか、無理せずにやっていく。最初から欲張って全部体験したい人は、僕が会社でやっているようなガイド付きのツアーに参加するといいかもしれません。方法はいくらでもあるはずです。
d-laboアウトドアというと「食」は欠かせません。キャンプではバーベキューが定番ですが。
田中僕もバーベキューは大好きです。ただし気をつけないといけない点もある。アウトドアって男のイメージだから、ついお父さんががんばっちゃう。肉や野菜を焼くのに忙しくて家族と話す暇がない。あれっと思ったときにはみんなもうテーブルにいなかったなんてこともあるのです(笑)。
d-labo達人と呼ばれる人たちはダッチオーブン(*1)を使いこなしているみたいですね。
田中あれを僕は「男の救世主」と呼んでいます。ローストビーフやシチューが簡単にできる。キャンプでは放っておけばできるようなメニューをつくるとよいですね。
*1:ダッチオーブンとは、頑丈な鋳鉄製のふた付き鍋のこと。重量感のあるつくりだが、その分さまざまな調理法に利用できる汎用性があり、アウトドアシーンで重宝される。
![ダッチオーブン](../img/sp04/img_entry_03.jpg)
遊びだからこそ真剣に!
d-labo日常生活のなかで時間をどう確保するか、という問題もありますよね。一般の人はなかなか長い休みがとれないのですが…。
田中そういうときは近所の公園でも良いのです。できれば遊具などない、野原があるような公園にサッカーボールでも一つ持って遊びに行く。携帯用のガスバーナーがあれば自分でコーヒーを沸かせるし、ちょっとした料理もできる。僕も子どもが小さいうちはよく近くの公園に行きました。そこで朝から夕方まで1日中駆け回って遊んでいるんです。眠くなったら昼寝をして、おなかが空いたら食事をして。これだって立派なアウトドアです。その人のレベルや置かれた環境に合わせてそれぞれが楽しめばいい。僕はそう考えています。
![田中さん思い出の品、ランタン](../img/sp04/img_entry_04.jpg)
d-laboところで、今日は思い出の品としてランタンをお持ちいただきました。キャンプにしても登山にしても、アウトドアを楽しむとなるとグッズも必要ですよね。
田中構造がシンプルなだけに一度買えば長く使えるのがアウトドアの道具です。今日持ってきたランタンにしても、買ったのは20年以上前です。二つ買ったうち、一つは息子にプレゼントしました。残るこの一つは娘にあげる予定です。彼らがまた大事に使ってくれて、自分たちの子どもたちにプレゼントしてくれたらいいなと思っています。そしてまたその子たちが自分たちの子に、と。そのころ僕はいないかもしれないけれど、「このランタン、俺のひいじいちゃんが使っていたんだぜ」なんて言われたりするのってすてきじゃないですか。
d-labo最後になりますが、アウトドアでの「play=遊び」をより楽しむ秘訣はあるのでしょうか。
田中遊びだからこそ真剣に、一生懸命「play」することですね。アウトドアのいいところは嘘をつかないところ。同じ山の頂上に立つにしても、お金持ちがヘリコプターを使って行くのと普通の人が汗をかいて登るのとでは、見る景色は一緒でも胸で感じるものは違うはずです。そういう意味では誰に対しても平等なのが、真剣に向き合えば向き合うほど感動を与えてくれるのがアウトドアなのです。大人を夢中にさせる魅力があるもの。僕だけでなく大勢の人がアウトドアにはまるのはそんなところに理由があるんじゃないでしょうか。
![バイクに乗る田中さん](../img/sp04/img_entry_05.jpg)
プロフィール
田中ケン Tanaka Ken
1964年、東京都生まれ。小学校時代からサッカーに親しみ、高校時代は全国大会にも出場。高校卒業後は『ポパイ』『メンズクラブ』等男性雑誌を中心にファッションモデルとして活躍。1992年、サバイバルレース「レイドゴロワーズ」に日本チームとして初出場。1993年、冒険型トライアスロン「ボーダートゥボーダー」完走。2000年、有限会社ダディーズオピニオン設立。「アウトドアを取り入れることで、生活はもっと快適になる」を信念に「快適生活研究家」としてメディア等で活動。2008年、群馬県軽井沢に自身のプロデュースによるキャンプ場「outside BASE」をオープン。著書に『田中ケンのOUTSIDE COOKING』(実業之日本社)、『ダディーズハート』(ソシム)、『アウトドア達人パパの快適家族術』(モダン出版)、『田中ケンのアウトサイドスタイル』(三栄書房)等がある。
公式ブログ 田中ケンの「Have a Nice Day」
http://blog.livedoor.jp/celty0320
![仲間とスキーを楽しむ田中さん](../img/sp04/img_entry_06.jpg)
Information 1
初心者でも楽しめるアウトドア情報が満載!
田中ケンさんがプロデュースするアウトドアプロジェクト「outside」では、トレッキングやカヌー、スノーシューなど多彩なツアーを催行。参加は初心者でもOK。誰でも気軽にアウトドアが楽しめる。自然との共存をコンセプトにしたキャンプ場「outside BASE」、田中さんが手がけるボランティア活動「東海自然歩道清掃登山」等の情報もこちらから。
http://www.daddyopi.com/outside/
Information 2
田中さんのように人生を全力で楽しむような生き方、すてきですよね。自分も趣味を見つけたいけど、本気で始めると意外にお金がかかってしまう――。そんなジレンマを抱える方に朗報です。スルガ銀行の「目的別ローン〈カード型〉」なら、家のリフォーム資金や子どもの教育資金など、使いみちに応じて最大800万円のご融資が可能。欲しかったクルマやバイク購入など、趣味を満喫したい方も全力でサポートいたします。趣味をお持ちでない方も、これを機に人生をもっと楽しんでみませんか?
![目的別ローン〈カード型〉](../img/sp04/img_entry_07.jpg)
d-laboの「目的別ローン〈カード型〉」はこちら