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2012 May.18
d-labo Special Friends 2.0「Play」

異業種という名の非日常を楽しもう。
人生の<気づき>をもたらす「興味+実体験」

一人ひとりの夢をカタチにする。d-laboは、自分のこれからを変えたいという『change』、じっくりとライフスタイルを考えたいという『think』、もっと自由に人生を楽しみたいという『play』をキーワードに、新しいライフスタイルを創造していきます。

<Friends 2.0>とは、通常の友人関係を超えた「可能性の共有」「時間の共有」「体験の共有」などでつながる人間関係のこと。未来を思い描いて自ら動く時、そこには常に「出会い」があります。その先に待つのは「今とは違う自分」。新たな自分を見つけるために、新たな出会いを探しに行きましょう。

誰でも一度は夢見る、「もしも自分が○○だったら……」。だけど、人生を変えるような想像を実行するのはなかなか難しいもの。そこで今回は、「Play(=人生を遊ぶ)」をテーマに、「憧れの職業を体験できる」と好評の「仕事旅行」を、d-labo担当者が自ら体験しました。未知の世界に踏み出した時、どんな学びや気づきが待っているのでしょうか。身をもってレポートします。

異業種という名の非日常を楽しもう。人生の<気づき>をもたらす「興味+実体験」
Friends2.0

リアル体験が生んだ師弟のような関係

d-labo担当者の2人(加藤恵理佳&和智あゆ美)が選んだ今回の<旅行>は、「バッグデザイナーになる旅」。オリジナルブランド「Joolie(ジューリー)」を展開するバッグデザイナーのシロヤマアケミさんに、革製品のつくり方を教わるのだ。はたしてバッグデザイナーとはどんな仕事なのか。さっそく、東神田にあるシロヤマさんのアトリエ兼ショップ「ラトリエ・エクスキ」を訪ねてみた。
「今日はパスケースをつくりましょう」

革製品づくりどころか普段はミシンにすら触れていないという緊張気味の2人を、シロヤマさんは優しげな笑顔で出迎えてくれた。すぐにデザイン用の紙が渡される。とにかくやってみよう、ということだ。提案されたのは通勤用の定期券を入れるのにちょうどいいパスケース。形状的にはシンプルなものだが、バッグづくりの基礎がそこには詰まっている。鉛筆を持つ手が止まった2人に、「思いきってやらないとあとの作業時間がなくなっちゃうからね」と背中を押すシロヤマさん。鉛筆が動き出す。頭のなかに浮かんだデザインが白い紙に形となって現われる。バッグデザイナーになる<旅>のスタートだ。

シロヤマさん(右)の指導のもと、デザイン画を描く
シロヤマさん(右)の指導のもと、デザイン画を描く

デザインができたら、次は型紙を起こす。女性3人の作業はなごやかな雰囲気だ。時間が経つにつれ笑い声も増えてくる。かと思えば、大事な場面では「最初に型紙をきちんとつくらないと、その後がすべてずれちゃうから気をつけて」としっかりアドバイスが入る。はた目から見ると、本当の師弟関係のようだ。

バッグデザイナーになる旅は、「仕事旅行」のなかでも人気コースの1つ。1万円という手軽な参加費もあって特に若い女性に好評だ。このほか仕事旅行には、花屋、ブックセレクター、カフェオーナー、パン屋、芸者、漁師、パイロットなどさまざまな「○○になる旅」が用意されている。d-laboのサイト内にも「夢を描こう draw my dream」という<夢>のプランを提案するコーナーがあるが、仕事旅行はいわばこの職業体験版。<旅>とはいっても日程は1日もしくは2日、場所は都内やその周辺が中心だから、その気になれば誰でもすぐに憧れの職業を体験できる。サービスを運営する仕事旅行社の代表・内田靖之さんによると、「旅行を機に、本当にその道に転向してしまった人もいる」という。ここには体験を通じての出会いや気づきがあるのだ。

バッグデザイナーのシロヤマアケミさん
バッグデザイナーのシロヤマアケミさん
仕事旅行社代表の内田靖之さん
仕事旅行社代表の内田靖之さん

異業種体験、それは人生に新しい<気づき>を与える場

作業は中盤へ。それぞれ好みの革をチョイスした2人は裁断に入る。アクセントとなる穴はヌキ型をハンマーで叩いて開通させる。どれも初めての体験だが、シロヤマさんの丁寧な指導があるので安心だ。
そうしている間も話は弾む。シロヤマさんがどういう道を経てバッグデザイナーになったのか、この仕事をするうえで必要なものはなにか。シロヤマさんいわく、こういう話をしているうちに「人生相談みたいになっちゃう」こともよくあるという。独立して自分のブランドを立ち上げたシロヤマさんは、目的意識を持った参加者にとっては憧れの存在だ。興味本位で参加する人も、この場では単に製品づくりを楽しむだけでなく、プラスアルファの何かを得ていく。前述の内田さんによると、その「何か」こそが「仕事旅行」の目指すところらしい。

作業中の様子
作業中の和智さん作業中の加藤さん

そもそも、内田さんが共同代表である田中翼さんと仕事旅行をプロデュースすることになるのも、異業種との出会いがきっかけだった。2人が通っていた「自由大学」の講師に誘われ、その講師が代表を務めるベンチャー企業を訪ねたところ、「遊び心に満ちた職場に衝撃を受け」、お互い会社を辞めて起業してしまったのだという。異業種体験というものは、人を突き動かすほどのエネルギーに満ちたものなのかもしれない。

いよいよミシンでの縫製作業が始まる。再び緊張する場面だ。「ステッチ(針目)は傷だと思って」とシロヤマさん。
「ステッチが多かったり大きかったりすると、それだけ素材の耐久性が落ちるでしょう。だから、こういう物って修理よりも新品を一からつくる方が簡単だったりするんですよ」

目から鱗。プロならではの視点に感心する。この場に来なければ知り得なかった話だ。

縫製も無事終了。ここまで来ればゴールは目前だ。縁をなめらかにする最後の仕上げをして、完成!
「あっという間でした(加藤)」「型紙をつくるのが難しかった(和智)」と興奮気味の2人。初めての体験は何を与えてくれただろうか。
「最初に型紙をきちんとつくらないとあとの全部がずれてくる、という言葉にはドキリ。普段の自分の仕事を見つめ直すいい機会になりましたね(加藤)」
「貴重な手づくり体験でした。普段の業務でもこれからは1つひとつ手作業のように丁寧にやっていこうと思います(和智)」

わずか1日の体験。けれどそれはいつもの自分にはない<気づき>を与えてくれる貴重な出会いの場となってくれたようだ。

完成したパスケース完成したパスケース
完成したパスケース

Information1

仕事旅行社

「普段とはまったく違う仕事に触れる経験を通じて働き方を見つめ直すきっかけを提供する」というコンセプトのもと、2011年にスタートした職業体験サービス。「見る」「聞く」「体験する」の三つを柱に、将来への第一歩や現在の自分をあらためて振り返る<出会いの場>を提供している。「○○になる旅」と謳った各コースは参加費1万円~1万8,000円が主流。個人ではなかなか入っていけない憧れの職業を実体験できるとあって注目を集めている。

公式サイト
http://www.shigoto-ryokou.com/
今回取り上げた「バッグデザイナーになる旅」の詳細はこちら

バッグデザイナーになる旅

テキスト 中野渡淳一
撮影 中野渡淳一、インフォバーン