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2014 Jul.24
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.38

NY注目の普通すぎるファッショントレンド、“ノームコア(Normcore)”とは?

「ニューヨーク・マガジン」が次なるファッショントレンドとして紹介した“ノームコア(Normcore)”という言葉が、話題になっています。ノーマル(Normal)とハードコア(Hardcore)を組合わせて作られた新語で、スタイルアイコンはスティーブ・ジョブズとのこと。そんな今注目の “ノームコア(Normcore)”についてご紹介いたします。

“ゴージャス”に飽きた、「主張しないファッション」

ファッション界では1990年代に「ストリート」、2000年代に「セレブカジュアル」、「ラグジュアリーモード」など、その時代に注目されたファッションスタイルを言い表す用語が誕生してきました。現在ネット上で話題となっている「ノームコア」は、アメリカで生まれた「普通のファッションがトレンド(流行)だ」と主張する言葉です。近年新しい用語が生まれてこなかったために、この「ノームコア」という用語に多くの人が飛びついて、話題になったと考えられます。

「ノームコア」の定義の本質は、「周囲の人と調和して、個を主張しない服装」ということのようです。さらに「流行やブランドとも距離を置く、地味でベーシックなファッション」という意味も持ちます。

「地味でベーシックなファッション」という意味については、「ゴージャス」で「セレブ」なアメリカのファッションイメージが、実はニューヨークやロサンゼルスなど限られた地域のものであり、その他の地域では、あまり派手に装うことを良しとしないという背景を知っておく必要があります。

アメリカのドラマでは「セックス・アンド・ザ・シティ」のように、セレブリティな生活が描かれているものが多く、その中でゴージャスなファッションを見せびらかす富裕層への羨望を煽っています。

ポピュラー音楽のプロモーションビデオにおいても、質素で地味な生活が描かれているものはなく、美男美女が入り乱れる退廃的なパーティーや、何十着も衣裳を変えるミュージシャンの姿がメインに描かれているものばかりです。

「ノームコア」はこういった世界に大衆が夢中になってきたことへの反動、そして「飽き」があるのではないでしょうか。

つまり流行をいち早く取り入れてセンスや富をアピールすること、外見で個を主張することに「疲れて」しまったのだと思います。

それゆえ「ラフ」な服装に回帰する提案に、アメリカ人の多くが惹かれているのでしょう。

「ノームコア」ファッションを貫くには強靭な精神力が必要!?

アメリカで、スティーブ・ジョブズが「ノームコア」のアイコンと言われるのには、「自分のスタイルを貫く姿勢」に共感する人が多いことが考えられます。彼は新製品発表会でいつも、日本のイッセイミヤケの黒い長袖Tシャツを着て、ボトムはブルージーンズで中にTシャツの裾を入れていました。足元はグレーのニューバランスのスニーカーです。

あまり知られていないことですが、このTシャツは彼のためだけにイッセイミヤケが長年作り続けた製品で、市販されていません。昔、社員の制服としてアップル社に導入しようとしてジョブズがオーダーした服なのですが、社員の反発を招いたために、お蔵入りになったという経緯があります。Tシャツをパンツインして着るのはアメリカ人のベーシックな服の着方ですし、ニューバランスはご存知の通りに歩き疲れしない高機能スニーカーです。実はスティーブ・ジョブズは、とても服装にこだわった人なのです。

服装に無頓着だったことで知られるアルベルト・アインシュタインは、同じ型、同じ色のジャケットを何着も揃えてタンスに入れていました。毎日同じ服を着ているように見えて、きちんと着替えていたのです。

「ノームコア」ファッションとひと言でいっても、ジョブズやアインシュタインのように、とことんベーシックであることを貫いているケースもあれば、NYの若者の中にはワンポイントだけ「ノームコア」の要素を取り入れる人もいたりと、そのスタイルは千差万別。

そもそも「普通」という感覚も人によって違って当たり前。何が「ノームコア」なのかと考えすぎずに、みなさんも思い思いの「普通」を楽しんでみてはいかがでしょうか?