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2015 Mar.2
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.68

外国人に“浅草寺ってなに?”と質問されても答えられる
教養としての[日本史]を学ぼう

浅草寺 雷門

日本政府観光局が2015年1月20日に発表したデータによると、2014年訪日観光客数が1,481 万 4,000人。初めて1,000万人を超え、過去最高の訪日者数となったそうです。東京オリンピック開催も決まり、円安の今、ますます外国人観光客が増えると予想されます。これからは今まで以上に外国人に話しかけられる可能性も高くなるのではないでしょうか?
例えば、たまたま電車で隣り合わせた外国人観光客に「浅草寺って、いつどのようにして建立されたのですか」と聞かれたら?営業先の外国人ビジネスマンに「門松〈カドマツ〉って何ですか」と聞かれたら? 定食屋で相席になった外国人家族に、「日本はどうやって誕生したの?」と、聞かれたら?
さて、その問いに自信を持って答えられる人は多くないでしょう。今回は、教養としての日本史を学ぶのに最適な日本史の入門書を、『教科書よりやさしい日本史』(旺文社)などの著書で知られる石川晶康さんにうかがいました。

「教養としての日本史=歴史学」を
ドラマや小説で網羅することはできない

「ドラマ、小説、漫画など、日本史に接する機会が増えています。でも実はその多くが脚色されたフィクションであり、人物中心のドラマチックに仕立てあげられたストーリーです。これらは日本史への玄関口として適切ではないとまでは言いませんが、本当の日本史つまり歴史学とはズレている可能性があることを自覚しないと教養としての日本史は学べないでしょう」(石川晶康さん)

教養としての日本史を学ぶには、歴史学とは別のところにある伝説や物語から一歩離れて、「浅草寺って何?」「門松の由来とは?」「日本はどうやって誕生したの?」といったことを掘り下げる必要があるのだと石川さんは言います。

では、そういった歴史学への入門書として、最適な書籍にはどのようなものがあるのでしょうか。石川さんにオススメの入門書を聞いてみました。

[教養としての日本史]を学ぶためのオススメ本〜その1
『日本の誕生』(吉田孝/岩波書店)

『日本の誕生』(吉田孝/岩波書店)

「“日本とは何なのか”と外国人に問われたときの答えのヒントが本書にあります。日本や大和〈やまと〉、倭〈わ〉といった呼称の由来を理解することで、日本史の基礎となるものを身に付けましょう」

[教養としての日本史]を学ぶためのオススメ本〜その2
『マンガ 日本の歴史』(石ノ森章太郎/中央公論新社)

『マンガ 日本の歴史』(石ノ森章太郎/中央公論新社)

「本だと頭に入らないという活字が苦手な人にオススメなのが、歴史学的にきちんと検証・監修されたマンガです。“日本の歴史”を謳ったシリーズ物はいくつか出ていて、馴染みのある人も多いと思います。マンガというと子ども向けのイメージがありますが、中公(中央公論)のこのシリーズは大人でも十分読むに値すると思います」

[教養としての日本史]を学ぶためのオススメ本〜その3
『日本史の考え方』(石川晶康/講談社)

『日本史の考え方』(石川晶康/講談社)

「日本史の基本的な考え方を網羅したのが本書です。副題に“東大合格講座”とあるので学生向けと思われがちですが、教養としての日本史を身に付けたい人にとっても最適な本です。特に、時代ごとに区切るのではなく、日本史が一連の流れのあるものだと理解するのに役立つでしょう」

[教養としての日本史]を学ぶためのオススメ本〜その4
『二〇世紀の歴史』(木畑洋一/岩波書店)

『二〇世紀の歴史』(木畑洋一/岩波書店)

「日本における20世紀の歴史を理解する上では、世界のことも把握しなければいけません。その意味で、20世紀の世界的な出来事を網羅した本書を読むことは、日本史を学ぶことに繋がるでしょう。今の日本や世界が直面しているニュースの背景を捉えることもできるはずです」

グローバルな時代が叫ばれて久しい昨今、外国人に接する機会は仕事でもプライベートでも増えてきています。そんな折に、日本史を知らないまま冒頭に書いたような質問を受けたら、恥をかくのは目に見えています。ぜひこの機会に、今回紹介した本を入り口にして、教養としての日本史を身に付けてみてはいかがでしょうか。

Information

石川晶康(いしかわあきやす)

1946年、東京都生まれ。河合塾専任講師。国学院大学大学院博士課程満期退学。専門は日本法制史・古文書学。河合塾で東大受験講座を担当する人気講師。

文・遠藤由次郎