特集
2015 Dec.9
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.115
世界で1台の実車版ミニ四駆。その最高時速は?乗り心地は?
マンガやアニメで観たお気に入りのマシンを買い、ご飯を食べるのも忘れて組み立てて、休日には近所のおもちゃ屋にあるコースで友達とレースをする……。小学生の頃、ミニ四駆に夢中になった記憶がある方は多いでしょう。
1980年代後半から90年代に、男子小学生から爆発的な人気を集めたミニ四駆。実は現在では、子どもだけでなく大人や女性も含めて幅広いファンがいるそうです。2015年10月18日にお台場のメガウェブで開催されたミニ四駆全日本選手権「ミニ四駆ジャパンカップ2015 チャンピオン決定戦」にも、多くの家族連れやカップルが訪れました。
その会場でファンからひときわ注目を浴びたのが、“実車版ミニ四駆エアロ アバンテ”。通常1/32スケールの“ミニ”四駆が、1/1スケール、つまり本物のスポーツカーになった姿がお披露目されたのです。
お披露目には多くの方がつめかけた
いったいなぜ、実車版ミニ四駆を作ることになったのか。そのスペックや乗り心地はどうなのか……。今回は株式会社タミヤの担当者である三輪一正さんに、「1/1ミニ四駆実車化プロジェクト」について伺いました。
最高時速は180km/h!
実車版ミニ四駆の車体として選ばれたのは、「エアロ アバンテ」。「エアロ」の名に表されているように空力を追求したという、まるでF1マシンのようにシャープなボディが印象的です。
タミヤのRCカーの中でも屈指の名車と言われる「アバンテ」は、ミニ四駆のなかで最も販売台数が多い人気車種。1990年に発売されたこのマシンを「懐かしい!」と思う方もいるのではないでしょうか。そんな名車の流れを受け継ぐアバンテの最新モデルが「エアロ アバンテ」なのです。
ミニ四駆エアロ アバンテ
ミニ四駆と実車版と比べてみると、ミニ四駆の特徴が忠実に再現されていることがわかります。
実車版エアロ アバンテ
本物のレーシングカーを目指して製作された実車版エアロ アバンテ。気になるその最高時速は、180km/hにも達するとのこと。車両スペックは、前後バンパーを含むと4.65m×2.8m×1.44m(全長×全幅×全高)、ボディ全長4.15mで、最低地上高0.15m。
定員は1人で、エンジンは4ストローク強制空冷水平対向4気筒 OHV 1,600ccエンジンを搭載しているという、本格的なレーシングカーのスペックを備えています。
走行中のエアロ アバンテ
タミヤとファンの夢を乗せた、世界で1台のマシン
ミニ四駆を製造・販売する株式会社タミヤが「1/1ミニ四駆実車化プロジェクト」を始めた背景には、盛り上がるミニ四駆の現在を多くの方に知ってもらうために、大きな話題を作りたいという思いがあったと三輪さんは言います。
そこで出されたのが、「ミニ四駆が本物のクルマになったら……」という、ミニ四駆ファンならば誰もが一度は思い描く夢を実現させよう、というアイデアでした。
「エキゾーストノート(排気音)を響かせながら疾走する1/1ミニ四駆の姿を通じて、世界中に『ミニ四駆』の魅力を伝えたい。さらに、単に大きなサイズでミニ四駆を再現するのではなく、クルマづくりのプロフェッショナルの手で『本物のレーシングカー』として作り上げることを目標にしました。実車版エアロ アバンテは、そんな想いを込めて生み出された、世界にたった一台のマシンなのです」(三輪さん)
製作で簡単だった点はひとつもない
ミニ四駆の特徴が細部まで再現された、実車版ミニ四駆。その製作について三輪さんは、「簡単だった点はひとつもありません」と振り返ります。
「苦労した点はいくつもありますが、強いて数点に絞って挙げるとすれば、トレッド・ホイールベース・タイヤサイズなどを含めた車体全体のバランスを上手くまとめること、実車化に際して適切なアレンジが必要になるボディフォルムをオリジナルの印象を損なうことなく再現すること、特徴的な形状をした大型のキャノピー(操縦席を覆う透明な円蓋)の製作、そして美しい塗装表現でしょうか」
シャーシ基盤から動力系統、車体組み立てまで、クルマづくりのプロフェッショナルが試行錯誤しながらエアロ アバンテを製作していく過程は、プロジェクト特設サイトにある動画からも伺い知ることができます。
ただ、規模も期間も難易度もまったく違っても、ミニ四駆好きが試行錯誤しながら作り上げていくという意味では、ミニ四駆も実車版も同じなのかもしれません。
さて、実車版ミニ四駆が存在するのであれば、「ぜひ乗ってみたい!」と思う方もいるでしょう。しかしながら、実車版エアロ アバンテは本物のレーシングカーですから、操作にはある程度の技術が必要なようです。
操作を心得たレーサーだけが運転できる。
ちなみに実際に運転した方の感想は、「乗り心地は悪くない」とのこと。しかし三輪さんによれば、ドライバーにはこんな心配もあるようです。「万が一、間違って世界で一つのマシンをぶつけてはいけないので、運転は緊張するそうですよ(笑)」
レースやコレクション、そして実車化と、楽しみが広がっているミニ四駆の世界。大人になったいま、ふたたび足を踏み入れてみたら、小さい頃とは違った楽しみを見いだせるかもしれません。
Information
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