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2012 Oct.26
Money Goes On
~わたしとおカネとの付き合い方~ Vol.4

「今はアメリカにお店を出すことを夢見ています」
―川崎希の「アイドル経由社長行き人生」―

高校3年生の時にAKB48のメンバーとしてアイドルデビュー。3年間の活動を経て、現在は社長という異色の経歴を持つ「のぞふぃす」こと川崎希さん。弱冠21歳での起業は、実は「高校時代からの夢だった」と言います。アイドルらしいふんわりとした雰囲気をまといながらも、事業においては「100%いけると思ったことしかやらない」というしっかりした考えをお持ちで、閃いた時の行動力は抜群。男性服ブランド『ANTIMINSS(アンティミンス)』、ネイルサロン『MARON(マロン)』などを次々と起ち上げて、今ではアメリカ進出や株式上場までを視野に入れるまでになりました。その原動力は「社長になりたい」という強い思い。今回は「のぞふぃす」流の社長術について迫ってみました。

聞き手 スルガ銀行d-laboスタッフ 鈴木大介

「今はアメリカにお店を出すことを夢見ています」 ―川崎希の「アイドル経由社長行き人生」―

「社長になる!」はずがAKB48のメンバーに

川崎希さん インタビューの様子

d-labo高校時代から「社長になりたい」「貿易の仕事がしたい」と思われていたそうですね。そう思ったのは、何がきっかけだったのですか?

川崎最初は単純に憧れからですね。マンガとかドラマに出てくる「社長」のイメージってあるじゃないですか。遅くに出勤して、高層ビルの広いオフィスで大きな椅子に1人だけポンといるような。なんか優雅でいいな、ああなりたいなと思ったんです。

d-laboまわりに会社を経営している方がいたのですか?

川崎いなかったですね。本当にイメージを思い描いていただけで、会社の社長という人たちが実際に何をやっているかもよくわかっていなかった。ただそのころ、「社長」という肩書きの人たちがテレビによく出ていたんです。見ているとみんな楽しそうだなって(笑)。

d-laboちょうどIT関連企業などの経営者がクローズアップされていたころですね。スーツではなくTシャツ姿でオフィスに来ているような社長が何人もいて。たしかに楽しそうですよね。

川崎そこで、やるなら貿易関係がいいかなって。貿易が何かもよくわかっていないまま、「響きがかっこいい」という理由だけで憧れていました(笑)。

d-laboだけど実際になったのは社長でなくアイドルだったんですよね。

川崎そうなんです。本当は経営学を勉強しようと大学受験を考えていたのですが、高校3年生の時、たまたまオーディションを受けたら受かっちゃって、そのまま流れで入ってしまいました。でも社長になる夢は忘れていなくて、楽屋ではいろんな経営者の自伝などを読んでいました。ステージでも「将来の夢は社長です」と口にしていましたし。

d-laboアイドルになりたくてなったというわけではないんですね。

川崎ただ、ある時ファンの人に「社長になりたいと言うけど、どういう風に応援すればいいんですか」と言われたんです。それで、「ああ、今わたしはアイドルに専念することが大事なんだな」と気がついて、それからは「社長になりたい」とは言わなくなりました。

アイドルとしての経験が起業にも役立った

川崎希さん インタビューの様子 2

d-laboその間にAKBはどんどん人気が上昇していきましたね。ついには紅白にも出場した。それでも「社長になる」という夢は変わらなかったのですか?

川崎ステージで踊りながら、頭の中ではずっと「社長になりたい」と考えていました。踊りながらそんなことを考えているのもどうだろう、と自分でも変に思ったり。それで、ある時かわいい衣装を見ていたら、自分で洋服を作りたくなったんです。どうせ作るなら会社を起こしたい。そう思ってすぐに社長に「会社をつくるから辞めます」って言いました。まわりのスタッフは「また川崎がわけのわかんないことを言い出したぞ」というような感じで笑っていましたけど(笑)。

d-laboでも本気だったんですね。それでわずか2か月あまりの準備期間で、貯めていた40万円を元手にオリジナルブランドを設立。その後はネットショップからリアルの路面店、そしてネイルサロン開業と矢継ぎ早に事業を展開されていきましたね。起業の準備はほとんど1人でされたと聞いていますが。

川崎会社設立に必要な登記の手続きも、商品の注文もすべて自分でやりました。税務署や法務局に行ってもわからないことだらけでしたが、若くて見るからに何もわかっていなそうな私を見ると、職員の人が優しくイチから丁寧に教えてくれたんです。「ラッキー!」と思って、それでずいぶん助かりました。

d-laboすごい行動力と根性ですね。川崎さんは高校1年の時にカナダに留学していたり、AKB時代もハードなスケジュールをこなしていたりと、同世代の普通の人と比べるといろいろな経験をされています。それが起業やその後の会社経営でも役立ったんでしょうね。

川崎カナダにいた1年間はホストファミリーがイランの方で、家の中ではペルシャ語が共通語だったのですごく大変でした。なんとか乗り切ったという感じです。AKB時代はとにかく拘束時間が長かったです。AKBに入る前にちょっとだけコンビニでアルバイトをしていたのですが、お給料だけ考えたらコンビニのほうがずっと割がよかったですね。AKBは、どちらかというと部活のような雰囲気でした。ただ、みんな仕事という意識がどこかにあって、小学生の子でもすごく真剣なんですよ。わたしはのんびりしているほうだったんですが、まわりがそうだとやっぱり自分の中にもそういう意識が芽生えてくる。風邪を引いても、学校だったらみんな心配してくれるのにAKBだと怒られる。大人の人たちと話す機会も増えたし、そういう意味ではすごくいい体験をさせてもらいました。何よりも事業が軌道に乗ったのは、AKB時代のファンの人たちがお客さまになってくれたおかげだと思っています。

夢はアメリカでの事業展開

川崎希さん インタビューの様子 3

d-laboお店には憧れていたエアロスミスのスティーヴン・タイラーも買いに来てくれたそうですね。

川崎『ANTIMINSS』を起ち上げた時の夢は、スティーヴン・タイラーにデザインした服を着てもらうことだったんです。女性だったらパリス・ヒルトンなど、破天荒な生き方をしている人に憧れますね。

d-labo川崎さんも相当、破天荒ですよね。しかし、事業に関しては手堅いようですね。

川崎どうなんでしょう。どちらかというと勘にまかせて行動するんですが、そのかわり失敗しそうなことはやらない。頭の中で計算して「100%いける!」という自信が持てないうちは、どんなに魅力を感じても我慢します。今のところ飲食業がそうですね。興味はすごくあるけど、まだ成功する確信が持てないので手は出さないでいます。

d-labo実際に社長をやってみると、イメージした社長像とは違うところもあると思いますが。

川崎最初の1年くらいは誰よりも早くお店に行って鍵を開けて、誰よりも遅くに帰っていたんです。でもそれをやっていたんじゃ会社は大きくならないし、身が持たないなと思って人に任せることを覚えました。おかげさまで今は余裕ができました。会社にもあまり顔を出さないで、普段は家で仕事をしています。デザインや打ち合わせも自宅ですることが多いですね。

d-labo事業を手がけていると、当然、売上目標といったものが出てきますよね。

川崎わたしの場合は、お金を稼ぐ時は欲しいモノを具体的に思い描くことにしています。たとえば「高級車を買おう」と決めて、それを目標にしてがんばったりします。

d-labo今年はドレスのレンタルショップを開業されますね。そして株式上場やアメリカ進出も考えていらっしゃると聞いています。一方ではタレント業も続けていますね。

川崎株式上場は、「上場」という響きに憧れていて、できたらいいなという程度なんです。アメリカ進出はかなり本気で夢見ていて、セレブが買いに来てくれるような場所にお店を出せたらなと考えています。英語を話すことができると、世界中の人とコミュニケーションをとれるイメージがあったので、小さいころはアメリカ人になるのが夢だったんです(笑)。カナダに留学したのもそれが理由です。タレント業はお店の宣伝になるし、会社にとっても役立つかなと思って続けています。AKBのみんなともいまだに仲良くしていて、この間は前田敦子ちゃんの卒業コンサートに参加させてもらいました。卒業生も大勢集まって、同窓会みたいで楽しかったですね。

d-labo川崎さんは現在25歳。経営者としてこの先がすごく楽しみです。

川崎今まではまわりの人を振り回してワガママいっぱいにやってきたので、もうそろそろきちんとして、少しは大人らしくなろうと自分に言い聞かせています。取れるかどうかわかりませんが、行政書士の資格を取る勉強もしているんです。まだまだ知らないことばかりで、もっと勉強しなくちゃ、と思っています。

Information1

『ANTIMINSS』

デザイナー・川崎希が起業と同時にプロデュースしたメンズファッションブランド。カジュアルに着こなせるロックテイストのアイテムは、若い世代を中心に人気を集めている。ネットショップのほか、渋谷・キャットストリートにリアルの店舗も営業中。

公式サイト
http://antiminss.jp/

Information2

『MARON』&『co co de Maron』

川崎希が代表を務める若い女性向けのネイルサロン。渋谷、新宿といったお洒落エリアに店舗を展開。かわいいジェルアートが大人気。

公式サイト
http://www.maron-nail.com/

Information3

総合口座積立預金

資金40万円で起業をしたという川崎さんのお話、いかがでしたか? 40万円の内訳はコンビニでのアルバイトやAKB48時代に貯めたものだったとか。華やかな世界に身を置きながら、堅実に貯蓄をしていた川崎さん。やはり夢を実現するには貯蓄が大事ということを教えてくれました。スルガ銀行の総合口座積立預金は最低5,000円からの積立が可能。将来の夢実現に向けて、ご利用されてみてはいかがでしょう。

総合口座積立預金

https://www.surugabank.co.jp/d-bank/services/fixed_installment.html

文 中野渡淳一
撮影 大井成義