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2016 Jul.15
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.141

都会で働きながら田舎で暮らす、八ヶ岳・週末移住ライフ

小屋スタイルの別荘からはじめる、週末移住ライフ

都会での生活を楽しみながら、のんびり田舎暮らしも満喫したい――そんな理想の生活を実現する「週末移住」をはじめてみませんか?長野県八ヶ岳への移住や週末移住をプロデュースするライフスタイルデザイナーの友枝康二郎さんに、低予算でスタートできる「週末移住のはじめ方」をお聞きしました。

小屋スタイルの別荘からはじめる、週末移住ライフ

窓から見える田舎の絶景

以前は東京でグラフィックデザイナーとして働いていた友枝さん。29歳のとき、勢いで310坪の土地を310万円で購入し、八ヶ岳に別荘を建ててしまいました。その後、41歳で妻子が移住し、友枝さんは仕事の都合上、東京-八ヶ岳を行き来する週末移住ライフに突入。58歳になった現在、八ヶ岳に拠点を移し、ライフスタイルデザイナーとして活躍しています。

「ライフスタイルデザイナー」とは、移住希望者に土地や建物を紹介して、家の設計やデザインまでトータルで提案する仕事。移住経験者の視点から、ライフスタイルや価値観、予算に合った移住ライフをアドバイスし、住まいのプロデュースまでしてくれるのです。

友枝さんが手がけるのは、「FOREST VIEW CABIN」という6~9帖のワンルームの小屋スタイルの家。建物は250万円台で、ミニキッチン、トイレ、シャワー、3帖ロフト、ウッドデッキを含めると500万円前後となります。土地は、八ヶ岳・原村の別荘地で30年間の借地権が平均200~300万円(約300坪!)。合計でなんと800万円台から、広大な庭に自分の住まいをもつ田舎暮らしがスタートできてしまうのです。

内装はパイン無垢材を使い、ログハウスのような心地よさ! 断熱性能にこだわっているので、冬も快適。小さな家でも、定住できる性能を備えている。
内装はパイン無垢材を使い、ログハウスのような心地よさ!
断熱性能にこだわっているので、冬も快適。
小さな家でも、定住できる性能を備えている。

友枝さんは定住ファミリータイプの別荘も多く手がけますが、「FOREST VIEW CABIN」は、シンプルな田舎暮らしを楽しみたい独身者や夫婦に人気が高いそうです。将来的に、家族が増えたり、定住を考えたりするときには増築していくことも可能です。

予算別!低予算で田舎暮らしを実現する方法

八ヶ岳・田舎暮らしの指南役である友枝さんに、このほかにも低予算で実現できる田舎暮らしスタイルを教えていただきました。

レトロな中古別荘で格安田舎暮らし
【予算】500万円~(土地+建物/リノベ-ション代別途)

「初期費用を抑えるならば、中古別荘を買ってそのまま住むか、リノベーションするのもアリです。築10年を過ぎると、建物の値段はかなり安くなっています。ただし、建物によってはサマーハウス仕様で冬を越せないことも。断熱材の有無、基礎の状態など構造面のチェックは、必ず行なうようにしましょう」

DIYの小屋からはじめる田舎暮らし
【予算】400万円~(土地+建物はキットハウス)

「家の材料がセットになった『キットハウス』は、DIYの店やネット通販で100万円台から買うことができます。6帖ほどの広さの小屋なら、大人3~4人で数日あれば完成させることが可能。別荘地によっては建物規制があるので、そうした規制のない別荘地か、一般の土地がおすすめ。自分の手で家を建てるDIYから、田舎暮らしの楽しさを味わうことができます」

キャンプで大自然を味わう田舎暮らし
【予算】200~300万円(土地のみ)

「土地だけ購入し、水道を引きます。物置などを設置しておけば、春夏秋は“マイ・キャンプ場”に。さらにガレージを建てておけば、かなり快適に過ごせますよ。当面はキャンプを楽しみながら、お金が貯まったら家づくりをスタート。僕らが土地を買ったときも、最初はキャンプからスタートすることを考えていました」

一軒家をシェアして、みんなでワイワイ田舎暮らし
【予算】数万円~/月(賃貸料)

「いきなり土地や家を買うのは不安という方は、まずは賃貸住宅や一軒家を借りてみては?月10万円もあれば立派な一戸建てが借りられます。住んでみれば、地域の雰囲気もわかるし、欲しい家のイメージも湧いてくるはずです。友人や身内でシェアすれば、かなり安く田舎暮らしがスタートできますね」

DIYができると楽しみが広がる田舎暮らし

お気に入りの特等席で朝食

それでは、友枝さんの八ヶ岳ライフをちょっとのぞいてみましょう。八ヶ岳での朝は早く、お気に入りの特等席で朝食をとりながら、1日の過ごし方を考えます。庭の手入れや薪割り、ペンキ塗りなど、田舎暮らしは意外と忙しいようです。もちろん、のんびり昼寝をしたり、移住仲間の家に遊びに行ったりする日も。

週末移住をはじめて、友枝さんが身につけたのはDIY。もともとは棚一つ付けるのも苦手だったそうですが、地元の大工さんや移住仲間に教えてもらいながら、一から学んでいったそうです。

サンルーム 子ども部屋
サンルームと子ども部屋は、テラスを改築してつくったもの。
息子さんと協力して、それぞれ1週間ほどで完成。
広い庭には、DIYでつくったツリーハウス 知り合いから譲り受けたアメリカのキャンピングカー「エアストリーム」
広い庭には、DIYでつくったツリーハウス。
知り合いから譲り受けたアメリカのキャンピングカー「エアストリーム」も!

仕事と田舎暮らしを両立するのは可能?

友枝さんの奥様が八ヶ岳で開業した、クラフトショップ「HEART VILLAGE」
友枝さんの奥様が八ヶ岳で開業した、クラフトショップ「HEART VILLAGE」

週末移住や田舎暮らしを実行するにあたり、気になるのは「仕事」のこと。友枝さんご自身は、平日は東京で働き、週末に高速バスで八ヶ岳に帰る生活を12年間送ってきました。

「平日は仕事に集中して、休日は八ヶ岳ライフにどっぷり。生活と仕事のスイッチの切り替えができて、人生の楽しみが2倍になった!そんな充実感がありました」

移住仲間には、かつての友枝さんのように、都会-田舎の2拠点ライフを送る週末移住者も多くいます。なかには完全移住を決め、地元会社に転職した人や、地域のリゾートホテルや酒蔵で働くようになった人も。あるいは、パン屋さんになった元高校教師や、大工さんになった元イラストレーターなど、それぞれに仕事と収入の道を得ています。

「田舎は仕事がないイメージがありますが、この界隈は共働き率が高く、選ばなければ仕事はある。生活費が安いから、30代ファミリー世帯なら、世帯主の収入が手取り20万円ほどでやっていけると思います」

友枝さんがはじめた「ライフスタイルデザイナー」という仕事も、移住仲間のネットワークや、家を建てた際の不動産店や工務店のつながりから生まれたもの。週末移住をはじめる前は、思いもしなかった仕事です。

「田舎と都会の両方で暮らすと、それぞれのいい面と悪い面がわかる。物事を俯瞰して、柔軟に考えられるようになりました。その結果、いろんなアイデアが湧いてくるし、心の余裕も生まれてくるのです」

週末移住をはじめることは、人生の時間をより充実させるだけでなく、自分の人生を見つめ直すきっかけにもなるのかもしれません。

充実した2拠点ライフを送る友枝さん

Information

友枝 康二郎(ともえだ こうじろう)

モリッシュ・カントリー代表。ライフスタイルデザイナー。1958年熊本県生まれ。デザイナーとしてプロダクトデザインやブランディング、イベント企画、ショップデザインに携わりながら、東京-八ヶ岳の2拠点ライフを実現。現在は八ヶ岳に拠点を移し、デザインの仕事のかたわら、田舎暮らしのプロデュースを手がける。原村観光連盟副会長、原村地域創生検討委員会副委員長。日本グラフィックデザイナー協会会員。 ブログ「八ヶ岳田舎暮し 移住のススメ MORISH COUNTRY 原村」では、手がけた田舎暮らしのための家などの情報を発信中。

著書『週末移住からはじめよう』(草思社)にも、田舎暮らしにおけるアドバイス、家や土地の選びのコツなどが満載。またこちらでは、友枝さんのライフストーリーをまじえた週末移住のはじめ方と完全移住への道のりも語られている。

著書「週末移住からはじめよう」(草思社)

写真・都築 宣久、友枝 康二郎