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2016 Nov.24
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.156

ここはお酒のアミューズメントパーク!
聖地「アイラ島」で極上のウイスキーを堪能できる旅ガイド

ウイスキー愛好家なら誰しも憧れる場所「アイラ島」。スコットランドにあるこの島は8つの蒸留所があり、そこから造られるウイスキーは格別との声が!そんな聖地を旅行するため、パリ在住ジャーナリスト加藤亨延さんが旅のハウツーを教えてくれました。

ウイスキーの聖地アイラ島とは?

スコットランド最大の都市グラスゴーの西方、ヘブリディーズ諸島の南端に浮かぶ淡路島より一回り大きな島。これがアイラ島です。ここにはウイスキー作りに最適なピート(燃料となる泥炭)、水などの環境が整い、ここから造り出されるウイスキーは極上だと愛好家から評判に。やがてウイスキーの聖地と呼ばれるようになりました。

日本からアイラ島への行き方

日本(羽田・成田)から飛行機で行くには、「日本~ロンドン・ヒースロー(12時間半)」、「ロンドン~グラスゴー(1時間半)」、「グラスゴー~アイラ島(45分)」と、少なくとも2回は飛行機を乗り継がねばならず、フライト時間のみでも約15時間かかります。

飛行機以外だと、グラスゴーからバスで「アイラ島行きフェリー」があるケナクレイグまで行き(約3時間15分)、そこからフェリー(約2時間15分)を使いアイラ島へ入ることも可能。アイラ島には「ポート・エレン」と「ポート・アスケイグ」という2つの港があるため、自分が乗船するフェリーがどちらの港に着くのか確認をしましょう。また港から宿までの交通手段の確保を事前にしておくこともおすすめします。

なるべく移動時間を短くしたい人は飛行機を、スコットランドの大自然を車窓から眺めながらゆっくりと行程を楽しみたい人は、バスとフェリーがおすすめです。飛行機、フェリー、どちらを使うにしても、しばしば天候不順により欠航します。少し日程に余裕を持たせておくと、万が一の際に安心です。行くまでにそれなりに時間がかかるアイラ島ですが、その労力が報われることは間違いありません!なぜならウイスキー愛好家にとってたまらなく魅力的な大地が広がっているからです。

アイラ島の蒸留所おすすめ3スポット

アイラ島についたらやっぱり蒸留所回りをしたいですよね。人口およそ3,000人の島内には8つの蒸留所(ボウモア、ラフロイグ、アードベック、ラガブーリン、カリラ、ブルイックラディ、ブナハーヴン、キルホーマン)が点在。今回はその中から3つの蒸留所の行き方と巡り方、注意点を紹介します。

■ ラフロイグ蒸留所

ラフロイグ蒸留所

アイラモルト(=アイラ島で造られたウイスキー)の代名詞「薬品のような香り」に形容される、海藻や潮の香りが効いたウイスキーを造る蒸留所です。ラフロイグはオイリーで濃厚、切れ味鋭い後味が特徴で、愛好家の間では好き嫌いがはっきり分かれます。裏を返せば熱狂的なファンが多いウイスキーでもあるということです。男性的なその存在感はまさに「アイラモルトの王」呼ぶにふさわしいです。

ラフロイグ蒸留所

見学ツアーは1時間の気軽なものから4時間半の本格的なものまでさまざま。ツアーの長さと内容により参加費と試飲できるウイスキーが異なります。当日でも空きがあれば飛び込み参加できますが、日程が決まっているようなら事前予約をおすすめします。なお4時間半コースは24時間前までの予約が必要です。

蒸留所内のビジターセンターにはショップがあり、各ボトルやロゴ付きのグッズなどの購入が可能です。また博物館も併設されていますので、そちらも訪れてみてください

■ ボウモア蒸留所

ボウモア蒸留所

ウイスキーに詳しくない人でも「ボウモア」のラベルを見たことがある人は多いはず。ラフロイグに負けず劣らずアイラ島を代表する蒸留所です。スモーキー、果実味、ハチミツなどが重なり合った甘くエレガントな香りが、上述のパンチの効いたラフロイグと趣を異にします。その気品と力強さを持ち合わせた女性的な佇まいはまさに「アイラモルトの女王」といえるでしょう。

ボウモア蒸留所

見学ツアーは、ラフロイグと同じようにツアー時間の長さと内容で値段が変わります。空きがあれば当日でも飛び込み参加できますが、予約をおすすめします。特に値段が最も高い「クラフトマンズ・ツアー」は要予約です。

蒸留所内にはグッズを売るショップや、地元食材を使った料理を提供するビストロも並んでいるので寄ってみてくださいね。

■ カリラ蒸留所

カリラ蒸留所

ドライな潮の香りに滑らかなスモーキーさが合わさり、アイラ島の中でも飲みやすいと評判のカリラ。集落から遠い場所に位置し、またボウモアやラフロイグほど有名ではないため、レストランなど観光客向けの施設は控えめですが、その分アイラモルトの素朴な蒸留現場に触れられます。

見学ツアーは1時間と1時間半のものがあります。1時間のツアーには通常の見学ツアーと、ウイスキーと食べ物のペアリングを楽しめるツアー(3月~10月のみ)の2種類が用意されています。どのツアーも少なくとも開始1時間前までに予約が必要です。

蒸留所内のビジターセンター(営業は4月~10月)にはショップがあり、そこでは毎年5月末に開かれるアイラ・フェスティバルのために造られた特別ボトルなども販売しています。

ウイスキーだけじゃない!海産物も要チェック

牡蠣とラフロイグ

アイラ島の魅力はウイスキーだけではありません。島の近辺で採れる新鮮な魚介類も堪能したいところ。特に牡蠣とアイラモルトの相性は抜群です。採れたての生牡蠣に島のウイスキーを少量たらし、それをちゅるっと口に入れる。ウイスキーと生牡蠣というシンプルな組み合わせですが、それぞれの素材の良さが引き立ち、食べた後は幸福感が口の中いっぱいに広がります。

アイラ島滞在の注意点!

■ ホテル予約は忘れずに!

アイラ島はグラスゴーやエジンバラのような大都市ではありません。当然、島全体のホテル数も限られます。宿泊先は到着してから探すのではなく、あらかじめ予約しておきましょう。人気のボウモア地区などは、早くから部屋が埋まっていきます。また夏のハイシーズンは特に注意が必要です。

■ 移動手段が限られているのでレンタカーがおすすめ

島内の移動手段は車か路線バス。レンタカーを希望する際は、台数が少ないため早めの予約を心がけましょう。またタクシーの数が限られているためこちらも必ず予約をしましょう。

路線バスを使っての蒸留所巡りもできますが、島内のバスは1日に数便と本数がかなり少ないうえに日曜などは運休します。おすすめはスケジュールを立てやすいレンタカーの利用。運転する場合、蒸留所での試飲はできませんが、各蒸留所は持ち帰り用の小瓶を用意してくれるため、ホテルに戻ってから試飲を楽しめます。

聖地で飲むウイスキーの格別さ

蒸留釜゙

アイラ島は島全体がお酒のアミューズメントパーク。島内外のアクセスは不便ですが、一度島に踏み入れば、そこには大人のための特別な休暇が広がっています。スコットランドの雄大な自然の中、ウイスキーが入ったグラスを片手に、アイラ島産の牡蠣を添え、至福の一杯を口へと近づける。ここでしか味わえない上質な滞在が、あなたを待っています。

文・加藤亨延