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2017 Apr.12
Topic on Dream ~夢に効く、1分間ニュース~ Vol.177

食を分かち合う社会貢献、「TABLE FOR TWO」とは?

アフリカの子供たち

今、世界で飢餓などの問題で苦しんでいる人が約10億人いる一方、食べ過ぎが原因で肥満状態にある人は、20億人近くいると言われています。そんな“食の不均衡”を解消するため、2007年に日本発でスタートしたのが「TABLE FOR TWO(TFT)」。

今年で10年目を迎え、多くのメディアに注目を浴びているTFT、日本および世界14か国での取り組みとは……?

社員食堂から自動販売機まで。食を通した社会貢献、広がる

TFTの仕組み

TFTの基本的な仕組みは、食堂・レストランで対象の健康的なメニューを注文すると、開発途上国の給食1食分の金額(20円)が寄付されるというもの。「TABLE FOR TWO」の名のとおり、食事をした人と開発途上国の子ども、“2人で食卓を分かち合う”仕組みです。栄養が不足しがちな開発途上国の子どもも、過食に悩む先進国の人々も、同時に健康になることができます。

「Café&Meal MUJI」

たとえば、無印良品が展開する飲食店「Café&Meal MUJI」では、旬の野菜を豊富に使ったヘルシーなメニュー(上の写真はその一部)にTFTマークを付けています。このマークのメニューを注文し、寄付金札をレジで渡すだけで20円を寄付することができます。寄付金は、TFT事務局を通して支援国で給食プログラムを管理・運営している提携団体へ送られ、子どもたちの給食費に充てられるのです。

いつでもどこでも参加できるのも、この取り組みの特徴。レストランだけでなく、さまざまな企業の社員食堂、コンビニエンスストアや自動販売機の商品など、私たちが日常的に利用する施設で取り入れられています。

どんな人にも関係する「食」をべースにしたこの社会貢献のシステムは、今やアメリカやスイスなど海外にも波及。寄付の額は、年間1億6千万円にものぼるそうです。

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「1食ごとに寄付される給食」が、食料問題や貧困問題の解決に

食事

現在の支援先は、ルワンダ、ケニア、タンザニア、エチオピア、フィリピンの5か国。これら開発途上国を「給食」という形で支援しているのには理由があります。

それは、子どもたちの空腹を満たすだけにとどまらず、根本的な貧困問題の解決につながるため。学校を、子どもたちが「給食」にありつける場にすることは就学率を高め、基礎学力や体力の向上や病気予防などにもつながると考えられています。

また届けている給食は、できる限りその土地で採れる食材を使うことを心がけているのだそう。実際に給食をつくっているのは、子どもたちの親や地域の人々。これは、現地の人が自分たちの力で給食を続けていくことで、継続的な支援になることを目指しているからです。

支援先の様子は、定期レポート「テーブルの向こう側から」で数か月ごとに報告されています(協力企業などにメール配信。ウェブサイトでも公開)。

給食を食べる子供たち

また、ヘルシーな食事の画像をアップすると自動で寄付される「Table For Two」という食事バランス診断アプリもリリース。2016年には、10月16日「世界食料デー」に合わせたキャンペーン「おにぎりアクション 2016」と題し、SNSを活用した取り組みも行ないまし た。

「わたしの一食が、あの子の一食になる」。一方的な支援ではなく、先進国も途上国も、TFTを取り入れる企業も参加する人も、どちらにも大きなメリットがあるこのプログラムが、いつか世界の食料問題を解決するのかもしれません。

Information

TABLE FOR TWO

2007年の秋に日本で創設。「先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが、時間と空間を越え食事を分かち合う」というコンセプトで、世界の食料問題を解決するためのプログラムを展開。現在は日本にとどまらず、その取り組みを世界14か国でも展開している。