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2019 Feb.27
SURUGA Cycle Journal Vol.35

#ridetenryu グラベルで味わう週末の冒険!
天竜アドベンチャーライド

#ridetenryu グラベルで味わう週末の冒険!天竜アドベンチャーライド

このサイトで何かと登場することが多い、静岡県浜松市の天竜。
ご存知ない方のために簡単に説明させていただくと、この地域は浜松市の北側にある自然豊かで静かな場所。交通量が少なく自転車を乗るには最適。浜松市天竜区役所では「北遠縦貫コース106.2km」や「ヒルクライムコース100.7km」の難易度の高いサイクリングコースなど6つのコースからなる「天竜区サイクリングマップ」を作成するなど、サイクリストへその魅力を積極的に発信している。

しかし、「これまで紹介したオンロードのコースだけでは天竜の魅力は伝えきれていない」と語るのが、以前にもこのサイトに登場していただいた地元サイクリストの渡辺さんだ。仲間を募って天竜を走るだけではなく、「#ridetenryu」のハッシュタグを使ってその魅力をインスタグラム等SNSで発信し続けるなど、自他ともに認める「天竜サイクリング愛」にあふれた人。

その彼が「ぜひ紹介したい」と語る天竜のサイクリングルートが、オンロードではなく“グラベル”なのである。グラベルとは砂利道を意味する英単語のこと。しかしサイクリストにとっては、少し違ったイメージを抱かせる単語になる。

ここ数年、欧米を中心に流行の兆しを見せているのが、グラベルロードバイクというスタイルの自転車だ。
このスタイルの自転車は、ドロップハンドルを採用しているため一見して通常のロードバイクと同じように見えるが、よく見ると大きな違いがある。

まずはタイヤの太さ。明らかに太さが違う。荒れた砂利道などを快適に走るために、グラベルロードではエアボリュームが多い太めのタイヤを使用するのが一般的。さらにオフロードの路面でもグリップするようにトレッド面はブロックパターンを採用することが多い。また荒れた路面でも確実に制動力を発揮させるためブレーキもディスクブレーキが一般的だ。

言葉通りの砂利道から、オンロード、そして砂地と路面を選ばず走れる走破性、どこでも走れる自由さ、解放感から“グラベル”というスタイルはすでに自転車のひとつのジャンルとして確立された感がある。

特に海外では日帰りのツーリングではなく、キャンプなど宿泊と絡めた旅としてグラベルライドを楽しむ傾向がある。遠くに見える地平線に向かって、景色と走ることを楽しむ。まさにアドベンチャーライド。道なき道をマップ片手に楽しむのが本来のスタイルといえるかもしれない。

このように海外では人気のスタイルではあるが、日本の場合、きれいに整備されたオンロードが多く(ありがたいことだが)、オフロード(砂利道)は極端に少ない。要するにグラベルロードバイクを楽しめる道を探し始める必要があり、まさに自分流のライドを楽しむことのできる究極なライドスタイルともいえるだろう。

前置きが長くなったが、渡辺さんによると「天竜には無数のグラベルのルートが存在し、岩・土・砂と様々な路面を楽しめる」という。まさにサイクル天国。 “冒険感”のある天竜のグラベルライドをここで紹介していこう。

静岡出身3人のナビゲーター

渡辺さん、伊藤さん(浜松在住)、吉田さん

今回の天竜アドベンチャーライドのガイド役を務めていただいたのが、前出の渡辺さん、伊藤さん(浜松在住)、吉田さん(浜松出身、名古屋在住)の3人。

渡辺さんは生まれも育ちも天竜の地元のサイクリスト。伊藤さんは東京都内で働いていたときにロードバイクに魅せられて、自転車通勤を行ないイベントなどにも参加してきたが、現在はロードとグラベルロードの両方を楽しみ、これが伊藤さん流の自転車の楽しみ方としてたどり着いたという。吉田さんは学生時代から自転車部に所属していたほどのキャリアの持ち主。もちろん彼女もグラベルロードを楽しむサイクリストで秘境感のあるグラベルロードを旦那さんと一緒に走って楽しむこともあるようだ。

全長約80kmのライドの出発地点は、新東名浜松サービスエリアスマートICから車で5分ほどのアクセスの良い静岡県立森林公園をスタートする。近くに温泉施設もあり、ライド後に食事や温泉でのんびりすることもできる。いきなりグラベルではなく、まずは舗装路の上を静々と進む。

「ゆっくりでも上り基調なので、アップには最適かもしれないですね(吉田さん)」


ちょうど紅葉の時期に差し掛かっていた取材日当日。両岸が真っ赤に燃える天竜川を臨む展望台は鳥羽山公園にある。
遠くにはコトコト走る天浜線も見えて、旅情感は十分。

二俣は昭和レトロな趣を残す天竜川沿いの小さな町。
レンガ造りの建物、町の街灯、昭和初期から使われたガソリン計量器など
町全体が“撮影セット”のような統制のとれた、なつかしさを醸し出す。

天竜川沿いを北上していくと、クルマが通れない橋も。
秘境の雰囲気が増していくに比例して、どんどん自転車で走りやすくなっていく。

休憩は一風変わったカフェと秘密の村で

ちょうど22km地点にあるのが「マイルストーンカフェ」。グラベルライダー3人にとってもなじみの休憩場所。オーナーは静岡県出身。ひととき地元を離れていたが、定年後に古民家を改装して、カフェをオープンさせた。

「山深い景色を楽しみながら、サイクリングの途中にここに寄ります。店内からの里山の景色はとても素晴らしいものです。(渡辺さん)」


マイルストーンカフェのお勧めはラズベリーの香りが特徴のエチオピア産「イルガチェフェ ナチュラルモカ」です。
オーナーが一杯ずつ丁寧に淹れてくれます。

ジャズとコーヒーでひと休みした後は、秋葉ダムを目指し、白倉峡方面へ。


天竜川支流の白倉川に沿って進みます。白倉峡の渓谷は、遠州屈指の紅葉の名所と言われていて、
新緑の季節も素晴らしい眺めが楽しめます。

白倉峡からさらに龍山町の山奥のまたその奥までの上りを楽しみ、「龍山秘密村」に到着。

龍山秘密村は、元々「青少年旅行村」として使用されていたが、閉鎖されていたこの場所を改装。山奥にある秘密の村として再オープンした施設だ。カフェもあり、ジビエ料理も味わうことができる。きれいなトイレもサイクルラックもある、サイクリストにフレンドリーな村として、3人もよく訪れるという。

この日のメニューは鹿肉のサンドイッチとハーブティーのセット。パリパリのバゲットにサンドされた鹿肉は野趣あふれる味。ただし脂肪が少なく高たんぱく。疲れた脚には最高の栄養源?今回特別に用意してもらった鹿肉のジャーキーと焼き芋も美味く、これまでの疲れを癒してくれた。


龍山秘密村の村長 川道さん。川道さんは浜松山里いきいき応援隊として平成28年に龍山町に移住し、
龍山秘密村の村長になり、一時閉鎖となったキャンプ場の再生に地域の方々の協力を得て取り組んできた。
龍山の大自然の中で、大人も子供もみんなが楽しめる場所となっている。

油断すれば道にも迷う秘境のグラベル

気づけば白倉川も細く急な流れに。秘境感ではなく、まさに秘境。あたりを見渡せば天竜杉に囲まれた厳かな雰囲気に。それもそのはず、その昔、天竜杉は天皇に献上していた由緒ある杉であった。今もそのなごりがあり、伐採した杉を下ろす道、トロッコが通った線路など、往時をしのばせるものが多数ある。吉田さんは「山奥の道と言っても、思ったより整備されていて走りやすいんですよね。ところどころに歴史の遺産が点在していて飽きずに走ることができるし、興味が湧きます」と語る。

今はそれも管理されていないため、かなり朽ちているというのが正直なところだが、それがまたノスタルジーな気持ちにさせてくれる。


木馬道(きんばみち)は、日本の林業においてかつて用いられていた木材搬出路のことで、
龍山町の山にはその姿が残っている。

くんま水車の里。もちろんサイクルラックあり。これから先のグラベルのルートを念入りに確認。

くんま水車の里を後にして、すでに地図にはない道を進む3人。林業に使われていた道はかなり複雑に入り組んでいて、地図にも載っていない。深く入り込んで行っているのは分かるが、道の両側に杉が林立するあまり景色は変わらない。しかもスマホは圏外。そんな道なのにも関わらず3人は躊躇なく進んでいく。

以前、伊藤さんはあまりにも奥に入り込みすぎて、遭難一歩手前でレスキューされたことがあるという。レスキュー隊員に「絶対に注意される」と思っていたというが、意外にも「また遊びに来てくださいね」と笑顔で言われたという。このエピソードを恥ずかしそうに語りながらもどこか誇らしげだったのが印象的だった。

もちろんそれ以後はしっかりとルートを引き、安全にも留意しているというが、この緊張感と非日常感がグラベルの魅力だと語ってくれた。

一般的にトレイルライドをするのは秋口から冬にかけてがハイシーズン。しかしあまりにも山奥に入りすぎると寒さ、路面の凍結も気になるところ。しかし「天竜は車の交通量が少なくサイクリングに最適なんですよ。天竜は名古屋圏の山に比べて気候が温暖で路面凍結が少ない。冬でも安心して走れる」と語る渡辺さん。


“秘境”と言っても生活の息吹は感じる。山道から不意に開ける大栗安地区にある棚田。
人の気配を感じると、少しホッとする気持ちも。

今回のライドをナビゲートしてくれる3名が口をそろえて言うのが「天竜にはいろいろなものがある」という点。伊藤さんに前もってルートを引いてもらったのだが、地図上に道がない箇所にルートが引かれているところもあった。

「いろいろなものがある」と彼らは言うが、ないものを見つける、普通の人が気づかないことに気づくことができるから「いろいろなものがある」と感じているのだろう。

“この先に道がつながっているの?”というところを躊躇なく分け入って走っていく。時には自転車を担いで進んだり、真冬の川を渡ったり、こんなハプニングもグラベルの魅力の一つ。

走り終わったときにはまさにアドベンチャーだったなというのが、素直な感想だ。クルマでは気がつかないことも自転車なら気がつく、というのは自転車乗りの常套句だが、アドベンチャーライドでは、ないルートを見つけながら走ることができるのも面白さのひとつなのだろう。

未知への世界を自分で開いていく。
簡単ではないけれども、手を伸ばせば体験できる、週末の冒険。興味があるライダーは、天竜へぜひ。

Independent Fabrication(インディペンデントファブリケーション)

自転車:Independent Fabrication(インディペンデントファブリケーション)

盆栽自転車店で購入。アンディ・ウォーホルのデザインのアートカーをモチーフにペイント。ピュアレーシングマシーンを狙ってボトルゲージの穴を開けていないところも渡辺氏のこだわりが伝わってくる。

Cielo by ChrisKing(シエロバイクリスキング)

自転車:Cielo by ChrisKing(シエロバイクリスキング)

名古屋のcirclesで購入。フレームに使われるパーツのほとんどを自社で製造し、溶接、塗装まで徹底して仕上げていく、他に類を見ないバイクフレーム。

自転車:MUDMAN(マッドマン)

自転車:MUDMAN(マッドマン)

神奈川の二子新地に店舗を構えるバイクショップ「Above Bike Store」で購入。
オリジナルバイク「MUDMAN」はオーナーの須崎さんがプロデュースしている。

Information 1

浜松市天竜区サイクリングコース

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/tn-machi/cycling/index.html

Miles Tone

https://www.facebook.com/profile.php?id=100015072335895

龍山秘密村

https://himitsumura.com/

道の駅 くんま水車の里

http://kunma.jp/suisha/

Information 2

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